SATOSHI

2015年春、重度の自律神経失調症に倒れる。身体機能が著しく故障し呼吸や記憶も失いかけ…

SATOSHI

2015年春、重度の自律神経失調症に倒れる。身体機能が著しく故障し呼吸や記憶も失いかける。痙攣とパニックを繰り返す中、意を決して世界各地の治療家を巡る旅を始める。現在では3年間の旅を終え、自身でビジネスを立ち上げるまでに回復。治療の旅路をnoteにて執筆中。

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最近の記事

【6】 バーベリン・ホテルの出迎え / アーユルヴェーダ in スリランカ 〜人生を変える医療~

ホテルの玄関の池にはスリランカの国花でもある蓮の花が青紫色を帯びて咲いている。 蓮の花は仏教においてとても大切にされている花で、泥水の中から美しく咲く蓮の花を”苦しい人生だからこそ美しい花が咲く”という例えで表現すると聞いたが事がある。それに蓮の花の開花してる期間は確か4、5日間だったはずだけれども、もしもこれが勘違いでなければ、彼らのこの姿は僕を出向かえてくれているのではないだろうか。朝日に包まれ戯れ咲く蓮の花達は僕を再び夢の中に誘い込んだ。すると突然僕の眼の前に一輪の大

    • 【5】 吠えるジャガーと森の住人 / アーユルヴェーダ in スリランカ 〜人生を変える医療~

      スリランカの4時はまだ闇だ。 僕の目の前に広がる景色は闇の中でぼんやりと光で浮かび上がるスピードメーターとヘッドライトの先に照らされる細い道だけだ。ハイウェイとは言い難い山道のような蛇のようにうねる道がどこまでも続く。 この国には街灯という概念がないのか、ヘッドライトなしにはとても前へは進めない夜の闇が広がる。明るい都会の夜に慣れてしまった僕の目にはその道がどこへ続くのか見当もつかない程ヘッドライトの先は暗く、高速に流れる景色を目で追うことさえ困難で自分が一体どこを走って

      • 【4】スリランカ到着 / アーユルヴェーダ in スリランカ 〜人生を変える医療~

        僕はスリランカの首都コロンボに位置する空港、バンダラナイケ空港に降り立った。 視界に入るのはシンプルいう言葉では片付けづらい殺風景な空港の風景だった。朦朧とする意識の中のその殺風景な空港の景観は僕の現実感をより失わせ、足を進めることを躊躇させた。 力を振り絞り足を一歩づつ踏み出すと熱帯特有の湿気と、蒸せ返るような香辛料の香りが鼻に付いた。その鼻に付く香辛料の香り誘われ歩みを前に進めると褐色の肌をした人々が視界に入り始める。時折、色鮮やかなサリーをまとう女性の姿が僕の目を奪

        • 【3】 スリランカへの誘い / アーユルヴェーダ in スリランカ 〜人生を変える医療~

          古くから旅人は旅先から呼ばれると語る。その場所に行きたいという思いよりも行かなければいけない気がするのだと。 かくいう僕もそれを信じる一人であった。旅人が口にするその言葉の真意は、ある日を境に不思議とその場所の話や情報が聞いてもいないのにどんどん集まってくる事を指すのだと僕は思っている。そしてその情報群の点と点が重なり合って、いつしかその場所に呼ばれていると錯覚するのだ。それは僕にもまた訪れた事実だった。 僕が倒れる前のとある日、旅好きの女性が一冊の本を突然僕に持ってきて

        【6】 バーベリン・ホテルの出迎え / アーユルヴェーダ in スリランカ 〜人生を変える医療~

        • 【5】 吠えるジャガーと森の住人 / アーユルヴェーダ in スリランカ 〜人生を変える医療~

        • 【4】スリランカ到着 / アーユルヴェーダ in スリランカ 〜人生を変える医療~

        • 【3】 スリランカへの誘い / アーユルヴェーダ in スリランカ 〜人生を変える医療~

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        • 佐藤航陽
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          【2】 東京限界 / アーユルヴェーダ in スリランカ 〜人生を変える医療~

          改めて言うが僕はかなりラッキーな方だったと思う。一緒に暮らす看護師である彼女や、彼女に紹介してもらった漢方含むあらゆる医療に精通した優秀なお医者さん、仲の良い腕利きのマッサージ師さんや鍼灸師さん。それに僕を心配して時折顔を見せてくれる友人達。会社の人達も僕を心配し長期の休みも認めてくれていた。 もし一人で孤独に苦しみと向かい合っていたら僕の人生は狂っていたものになっていただろう。とても独りきりではでは痛みや不安に耐え切れず薬に走り、その後の人生も全く別のものになってに違いな

          【2】 東京限界 / アーユルヴェーダ in スリランカ 〜人生を変える医療~

          【1】 全てのはじまり / アーユルヴェーダ in スリランカ 〜人生を変える医療~

          その時は突然やってきた。いや突然ではない。それは気がつかない間に確実にゆっくりとジワジワ忍び寄ってきていた。しかし僕にとってはあまりにも突然の事で戸惑った。 身体が動かない。立ち上がれない。息が苦しい、、、。 僕の身体に何が起こったのか。その原因さえも考える余裕もないくらいに思考が歪み身体全身が痛んだ。ある日を境に突然僕の身体は機能不全に陥り動かなくなってしまった。 側から見れば異常だと言われるのが当然の働き方をしていたかもしれない。当の本人はその忙しさを理由にして真剣

          【1】 全てのはじまり / アーユルヴェーダ in スリランカ 〜人生を変える医療~

          狂乱のパリ – 夏の夜の夢 –

          パリに数日滞在した。 この時期からのパリは実に楽しい。7月の初旬あたりからグンと日照時間が伸び毎日天気の良い日々が続き、街中がお祭りのような気分に浮かれる。寒く長く暗い冬眠の季節が終わり、熱い夏が始まる。夜遊びに活気が出てくる季節だ。 夏のパリは8時から9時頃まで空が明るく、仕事を終えた後でも遊ばないと損した気分にさえなってしまう。とりあえず仕事後のビールは欠かせないものになり、6時頃にもなれば街の至るところで乾杯が始まる。 僕はとりわけこの季節になるとパリのマレ地区に

          狂乱のパリ – 夏の夜の夢 –

          イタリア人の魔法のコミュニケーション術

          先日にのブログでイタリア人の事を書いて以来、もう少し僕の中にあるイタリアについて考えたくなった。 僕はあまり頭が良くないのでじっと座りながら考えるよりもこうして文章を書き出しながらの方が頭の中が整理されてやっと考えがまとまる傾向にある。昔からパソコンでタイプしながらか、もしくはペンを持ってでないとでないと深い思考ができない悪い癖だ。だから考えがまとまらない時は時折こうして机に向かい考える。 そんな癖もあってか、昔から思考能力と思考時の身体的態勢には深い関係があると思ってい

          イタリア人の魔法のコミュニケーション術

          マンマミーヤ!イタリア人の美しき人生

          久しぶりにイタリアに長く滞在しイタリア国内を転々と放浪した。 イタリアへは仕事で年に4回から多い時では6回訪れている生活を6年くらい続けているのでもう来伊は何度目になるだろうか。こんな生活を続けていると否が応でもイタリアの文化、イタリア人の気質が僕の中に小さく芽吹いてくる。 時折日本でも別れの時に「チャオ!」とか言ってしまい物凄くはずかしくなる時もあるくらい僕の中にイタリアがどんどん侵食していく。 未だに「チャオ」と「グラッツェ」以外のイタリア語を覚えようとしな

          マンマミーヤ!イタリア人の美しき人生

          奏でろ!ベルリン協奏曲

          生まれて初めてドイツ・ベルリンの地に足を踏み入れた。 今回の旅の目的はベルリンで開催されるPREMIUMと言うファッションの合同展示会に日本のファッションブランドを出展する為だ。 今まで僕の仕事では海外のブランドを国内に輸入するという事を行ってきたが、これから大きく縮小するであろう日本の消費市場と日々大きく揺れ動く為替のリスクマネージメントとして輸出を行っていくプロジェクトを始めたところだった。そこで各国のパートナーを探している中で近年欧州でも一番景気の良いドイツのエージ

          奏でろ!ベルリン協奏曲

          東アジアの奇跡 – 台湾スピリチュアル編

          今回台湾を訪れたからにはやらねばならなぬ事がもう一つあった。 僕は旅を最大限楽しむ方法論の一つとして、その街の最先端な部分に触れるのと同時にその街に古より残る精神性、宗教性、スピリチュアルな部分に触れるという事を心がけている。文化の古から未来へ、文化の端から端へ。その旅のポリシーはその街に生きる人々の多様性を垣間見させ、そこに生きる人々への理解が少し深まる気がする。 今回もまた台北のクラブ遊びの隙間に何処を訪れようか出発の前に悩んでいた。すると東京で一緒に住むパートナーよ

          東アジアの奇跡 – 台湾スピリチュアル編

          ヒゲ面の兄ちゃんに託した僕らの未来 – PART2。 完結編

          僕は最悪の気分に包まれた。 僕はその日、深夜まで選挙の開票報道をするテレビにかじりつき、日本の行く先を見つめた。そしてその選挙の結果は、支持をしていた三宅洋平氏は見事に惨敗し、参議院議会もまた改憲勢力に2/3の席を取られ最悪の結末となった。 僕からの見える世界では、参議院選の公示以来、三宅洋平氏を応援する声や、改憲勢力に反対する声は、日追うごとに大きくなっていって、それに伴い僕の周りでも多くの論争が巻き起こっていた。 ウェブ上を飛び交う論争や応援の熱気は、どこか革命

          ヒゲ面の兄ちゃんに託した僕らの未来 – PART2。 完結編

          ヒゲ面の兄ちゃんに託した僕らの未来。

          僕も政治に無関心な人間の一人だったんだよね。 ちょうど今から2年前、2014年の7月にさ、覚えてる? 安部内閣がさぁ、多くの民衆の反対を押し切って強行的に憲法第9条を解釈改憲してさぁ、海外での集団的自衛権の行使を容認したんだよね。 僕はさぁ、その姿を目の当たりにしてからさ、僕らの声は政治の中枢にはぜんぜん届かないし、政治では日本は何も変わらねぇーって改めて強く思ったよね。リアルに。 そしていつの日か、僕ら若者がオジさんになる頃にはさぁ、軍靴の足音が聞こえ始めて、日本は

          ヒゲ面の兄ちゃんに託した僕らの未来。

          東アジアの奇跡 – ヒップな台湾ガールズを探せ!その4/4

          僕らはいまいち盛り上がりに欠けるそのクラブから足早に立ち去り次の行き場所を探した。クラブの外に出ると入る以前よりも多い人だかりが見える。その多くはどうやら隣接するビルの1Fの入り口に長蛇の列を作っているようだった。 「入場するまでには一時間近くかかるかもしれない、、、。」 列の最後尾に並ぶ男性は嘆き顏で僕らに教えてくれる。 この人気のクラブは入場制限をしていて少しづつしか客を入れていないようだ。平日にこの行列ぷりは有名なDJでも来ているのだろうか。 寒がりの僕らは、寒

          東アジアの奇跡 – ヒップな台湾ガールズを探せ!その4/4

          東アジアの奇跡 – ヒップな台湾ガールズを探せ!3/4

          僕は便器に顔を突っ込んでいた。 またこれだ。はっと我に帰ると床にひざまずき両手で便器にしがみつき、便器に顔を突っ込んでいる自分に出くわす事がたまにある。 ひざまずいたのを後悔する程ゴミと汚物で汚れた汚いトイレ。大理石の床のパウダールーム付きの広い綺麗なトイレ。隣で同じようにひざまずいている人の姿が見える扉が下反空きの狭いトイレ。様々なトイレでこうやってひざまずいてきた気がする。 はたして人生でもう何度目だろうか。多過ぎて数える気にもなれない。こうして何かを乞うように便器

          東アジアの奇跡 – ヒップな台湾ガールズを探せ!3/4

          東アジアの奇跡 – ヒップな台湾ガールズを探せ!その2/4

          成田からおよそ4時間半をかけ台北に着いた。 空港を出ると緩やかな生温い風が頬を当てた。12月の年末にも関わらず沖縄よりも南に位置する台湾は、真冬でも暖かく過ごしやすそうな気候だ。 今回の旅の同行者は20代前半の頃からの遊学時代のロンドンで一緒になって遊び歩いた友人でその頃から夜遊びに興じてきた。ちょっと説明をさせてもらうと、夜遊びと言ってもお姉ちゃんの居るいかがわしいお店に行ったりするのではなく、大好きなダンスミュージックを聴きにクラブ頻繁に出向いていた友人だ

          東アジアの奇跡 – ヒップな台湾ガールズを探せ!その2/4