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ハッピーな未来をつくりたいって思ったら アートにたどりついた(前編)

こんにちは。『アート・イン・ビジネス』の執筆者のひとり、和佐野と申します。本を執筆している『美術回路』という組織は、電通社員が中心となっていますが、私は社員ではないので社外メンバーということになります。普段は、医師として勤務しながら、アーティストの価値を社会にうまく伝えていく活動をしています。アーティストの価値をうまく伝えるって何??とてもわかりにくい仕事なので、アートコミュニケーターと名乗ることにしました。最近、職業欄に『/(スラッシュ)』が入る方が世の中にちらほら増えてきているように思いますが、まさにその一員として生きています。

   なぜ職業欄に『/(スラッシュ)』の入る生き方をしているのか

とはいえ、あらためて『アートコミュニケーター/医師』という肩書を見ると、自分でもやっぱり意味わかんないな~と思ったりしていますが、そのベースにあるのは他者への興味なのかなぁと、漠然ととらえています。キーワードは想像力とコミュニケーション。想像力とコミュニケーションの豊かな世界で生きていきたい、そんな世界をつくっていきたい。そんな思いで行動してきたら、いつの間にか今の地点に到達したと言った方が正しいのかもしれません。

仕事でもプライベートでも、せっかく出会った相手を好きになりたいと思って生きています。(もちろん“好き”にもグラデーションはあります(笑))。相手と自分の価値観の違いや、世界の見え方の違いを受け入れて、同一化はしないけれど、互いを理解し影響を与え合いながら生きていたらサイコーだなぁと妄想しながら生きてきました。というと、だいぶ大袈裟な感じがしますが、分かりやすく言うと、相手のことを好きになる/相手の価値観や世界観を想像する/相手に伝わりやすいようにメッセージを伝えることが、お仕事においてもとても大切だなぁと身をもって学んできました。それこそがコミュニケーションの本質だと思っています。(とは言え、仕事だってプライベートだってなんだかんだうまくいったり、そうじゃなかったり、は勿論あります。)

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そんな経験を重ねて、まぁそこそこオトナになって世界を見わたした時、あらためてアーティストのパワーの凄さに圧倒され、いやこりゃ何かせねばとアートマネジメントを学ぶ大学院に進学しました。(まさかの文転です!)自分がこれまで積み重ねてきた生き方の、最大の実践者はアーティストであると気づいたのです。

『その世界にどっぷり浸りたい』アートとの出会い

自分のアートとの出会いについて思い起こすと、それは多分、こどもの頃に読んだ三島由紀夫との出会いが大きかったんじゃないかと思っています。文体、内容、あの時代の空気感、そんな全てがもちろん大好きなのですが、でも今も昔も私が一番惹かれるのは、多分あのとてつもない一貫性、ミシマ・イズムのようなもので、『この人の周りには、ひとつの世界があるんだ!』と子供ながらに、うすぼんやりと感じ、『その世界にどっぷり浸りたい!』と思った私は、むさぼるようにミシマを読んでいました。(今考えると、相当において個性的なこどもだったのかもしれません。)

皆さんは、本を読んだ後に、本の中の世界に自分が生きているような気持ちになったことはありませんか?本の主人公だったり、主人公に関わる誰かだったりの世界観が自分に乗り移って、これまで見えていた世界とは違う世界が急に見えてきた体験はありませんか?私は、その体験こそがアート鑑賞の醍醐味だと思っています。ちなみに、小説と絵画、彫刻、ダンスなど表現法は違っても、そこにアーティスト・創作者の目線が宿り、彼/彼女の必然性が宿った表現である限り、それらはすべからくアートというカテゴリーに入ると個人的には考えています。

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PROJECT501にてのキッズワークショップ光景(作品:因幡都頼)           (後編につづく)

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