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空と海だけ見えた夏③~四国お遍路ひとり旅~

太平洋沿いをひたすら走り続けた先にある室戸岬。ユネスコ世界ジオパークとなっているこのエリアは、亜熱帯植物も広がり、雄大な自然を体感できました。空海が「悟り」を開いたとされる御厨人窟がそこにあります。中は自由に見学できます。私も洞窟に入ってみましたが、とにかく無数のカニだらけ!悟りとは程遠い場所にいる私には、「カニがたくさんいた洞窟」という風に記憶されています(笑えない)。

それでも、確かに振り返ったその先には「空と海」だけが見えました。空と海だけ。そして「空海」の法名を得たそうです。

煩悩だらけの私は、ただ目の前にあること、起きたことを、ただ受けとめる心を持ち合わせていません。カニの多さにイチイチ騒ぎ、いろんなことに意味を探してみたり。それはそれで素敵な個性だと思いつつ、空海を辿る旅に来たのだから、「今、目の前に空と海がある、それだけ」という「悟り」を、ただ私は「知った」という事実だけなんだなと受けとめました。空海が見た景色と同じ景色を見た、ただ、それだけ。

高知県は「楽しかった」という印象です。おそらく、宿泊したゲストハウスがよかったから。快適なホテルは他にもありましたが、オーナーの人柄が魅力的だったからかなと思います。海外旅行が趣味だったこともあり、シェアルームとゲストハウスを1つにしてオープンされたそうです。ラウンジには住人の方、年配のご夫婦、海外旅行中の方など様々なジャンルの人たちが集います。ひとり旅は、わりと声をかけてもらいやすいのが有難い。「ひろめ市場で夕飯を食べておいで!」と地図を渡され言われるままに。確かに。平日も年中変わらない、飲食店やらお土産やさんが並ぶ活気あふれるマーケットは、お遍路の旅に「楽しさ」を添えてくれました。

40番札所~65番札所がある愛媛県。十数年振りに訪れた道後温泉。ここでは旅始まって以来の豪華な夕飯を食べることにしました。とは言え、予算の中でやりくりしているから高が知れていますが笑。愛媛県は「癒しの旅」となりました。

そして、お遍路最後の土地、香川県。高松で泊まったホテルで、旅一番のあたたかい時間を共有した「小豆島のおじさん」との出会いがありました。とにかく季節は夏真っ盛り。汗にまみれ、棒のようになった足を休ませるには、宿選びの作業はとっても大事になってきます。ただ、今振り返ると、泊まった宿はどこも大変気持ちの良い空間でした。

そんなお遍路終盤で泊まったホテル。お風呂に入りコインランドリーで洗濯している間、久しぶりに自動販売機で缶ビールを購入。ラウンジで「シュパッ!」と開けて一口グビッと。最高に幸せを味わっていると、「小豆島のおじさん」が現れました。

読んで頂き、誠にありがとうございました🙇‍♀️未来の地球を生きる方々に活かしていきたいと思います。時々、アイスカフェラテ代に使わせて頂きます。初めてサポートして下さった方が、そうおっしゃったので🤭🎶