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2年ぶりの個展を終えて。

下北沢駅から徒歩3分。

外からも作品が見れて、なんせ人通りが常にある。

こんな好条件で素敵なギャラリーで2日間も個展をやらせていただいた。

目的は達成し、得られたもの、学べたことが初めてやった個展とは比にならないほどにあった。

その反面、

大切なものを失った。


今回は、それらをつらつらと記録していきたい。

目指す未来に向かうために。


2つの世界があることを知った。

今回の個展で何よりも嬉しかったのは、僕の絵を見て興奮して感動している人を目の前で見れたことだった。


何がそんなに嬉しかったのか。

2年前に初めて個展をやった時には、友達や身内の人にしかみてもらえなかった。

それでも、わざわざ時間と労力を使って観にきてくれたことが嬉しかった。

ただその反面、僕の作品を夢中でみていた人はいなかったんだ。

それもそうだ。

小さい頃から、絵を描いていたわけでも、美術学校に通っていたわけでもなくて、ただのバスケばかだった僕の描いた絵を見て感動させられるわけなかった。

来てくれてた人は皆、僕の人生をずっと昔から知っている人ばかりで、なおさら僕の絵に興味を持っていた人は少なかった。

この2年間、人に絵をみせることすら恥ずかしくて、怖くて、できなかった程に自分の描いた絵に自信も持てなかった。

そんな中で、とある人と出会った。

その人は、ダンスをずっとやっている方で、ダンス教室の経営をしている社長さん。

すごく素敵な人で、いつもパワーをくれる人で気づいたらすごく仲良くなっていた。

その人と、仲良くなるにつれて、そーいえば今何してるの?って言う会話になった。

僕は、絵を描いてます!と伝えた。

そしたら、その方が、絵見せてよ〜と言ってくれたが、僕は恥ずかしくて、またそれ以上に怖くて、話を逸らした。

でも、その方は、懲りず見せてと言ってくれて、見せたら
良いじゃん!!と伝えてくれた。

でも、僕の中では、そんなに嬉しいことではなくて。

おそらく、その時の表情で察したのか、その人になんでそんなに自信ないの?と質問をされた。

皆を伝えたら、バカなの〜?!と言われた。

こんなに良いものを描けてて、表現もできてるのに、張本人がなんで自信もってそれを見せられないのよ!!!と。

表現者なら、まずは自分に価値があると思いなさい!
誰が、自分に価値もない、自信もない人の作品を見たい!買いたい!と思うのよ!!バカなの〜!?

この日、この方に、50回以上バカなの〜!?って言われた(笑)

その方も、表現者だからこそ、同じように悩んだことがあったそうだ。

自分の若い時に似てると言ってくれて、だからこそ、今の時点ですでに美しいんだよ!とずっと伝えてくれた。

こんなに嘘がなくて、心から発せられている言葉を僕は聞いたことがなかった。だから、戸惑ったし、すごく嬉しかった。

そこから僕は、制作に身が入り、今回の個展を無事に成功させることができた。


ここで僕が学んだことは、自分がいる世界とは別の世界があるということだ。

僕は知り合いや身内の反応や評価しか見ていなかった。
だからこそ、表現者としての自分に価値なんてないと思っていたし、自信も持てなかった。

しかし、現実は違った。

今回の個展での来場者数は身内よりも新規のお客さんの方が圧倒的に多かったんだ。

つまりさっきの社長さんが言っていたことが本当だったってことだ。

今すでに美しいんだよ!って言う言葉通り、僕の絵を見て興奮して感動してくれた人がいた。

ある人は、DMまでしてくれて感想を伝えてくれた。

ある人は、その人の知り合いが乗せた僕の絵を生で観るために最終日に足を運んでくれた。

ある人は、次の個展に絶対に行きます!とまで言ってくれた。

こんな現実が目の前に存在するなんて当時の僕は思えなかった。
ずっと先の未来でそれが訪れるものだって思っていたんだ。

もちろん、この2年間で積み上げたものの影響はあると思う。

でもその間で、YouTubeやインスタで描いた絵を動画にして更新をしていたがこんな声が僕の元に届くことはなかった。

わざわざ、僕の絵の写真撮るために何度もギャラリーの前を通ってくれた人もいたりして、100人以上の人の思い出に僕の絵が刻まれたと考えると今の僕にとってこれほど有意義なことはない。

改めて、ご来場してくれた方々、ありがとうございました!!

僕という人間を知っている人は、絵が上手くなったね!とかずっと継続しててすごいねとかそうゆう声ばかりだった。

やっぱり、距離が近ければ近いほどそんな感じだ。

アートそのものに興味がなくて、日常的にアートに触れている人じゃない人ほど絵に没頭させることができなかった。

これは、悔しいことの一つだったな。

でも、僕のことを全く知らない上で、作品を観てきてくれた人にとって僕と言う人間は1人の表現者であり、プロであった。

ここからは、この2つの世界の境界線をなくして、圧倒的な作品を持って世界中に轟かせる。


人の真理がより明確に見えるようになった

今回の教訓は一つ。

人の言葉を信じるな。人の行動が真実である。


今回、すごく貴重だったのは、作品がもう1人の自分として存在していたことだった。

つまり自分を客観的に観ながら、人の言動を見ることができたと言うことだ。

僕は、関わってくれる人にはいつも全力だ。

だからこそ、その人の発言や仕草には敏感。
その影響で、その人の真意がどこにあるかとか全くわからない。

だからこそ、ノリで言った言葉だったり、咄嗟に取った行動を全て信じてしまう癖がある。

好きだよと言われれば、ストレートに受け入れるし
うざいなと言われれば、素直にごめん。となる。

ただ、今回の個展で僕の代わりとなる作品(もう1人の僕)が居たことでその人が何を思っていて考えているかを明確に捉えることができた。

もちろん、それが本当にその人の真意なのかはわからない。

でも、僕の作品がない上で関わっているときには感じられないことを感じ取ることができたのは確かだ。

それは、良いことも悪いことも。

あーこの人は、僕のことをこう思っているんだな。
あーこの人は、そう考えていたんだ。とか。

これは、より、人に対してのメタ認知が広がったことを示唆しているので、これから出会う人、これからも関わっていく人との必要なコミュ力を鍛えられたと考えると、大きな成長の種だったなと感じます。

そのコミュ力ってなに?ってことをめちゃくちゃ具体的に深く書いているのでよかったら読んでください!面白いです。


自分本意で何かを企画するとやっぱり得られるものは多いなと感じます。

それは、自分が設定した欲しいものではない、予期できなかったものです。

結局その大量な砂の中にあるわずかな砂金みたいなものが大事だったり、自分の人生を豊かにするものになっていてやっぱり人生って面白いものです。

自分が今まで、どうやって人と関わってこれたのか。

それを毎度毎度、振り替えさせられます。

結果、今回で

もっと素直に、もっとナチュラルに人と関われるようになろう

と思いました。


失った大切なもの

これは、すごく抽象的なことで言葉にするのが難しいんですけど。

感覚としてあったんですよね。

焦燥感というか。

綺麗にいうなら心のどこかがポッカリと穴が空いた。的なやつですね。

今回の個展は、全てを出しきれて、本当に全て空っぽになった感覚がありました。これまでの全てを。

だからこそ、ガッツポーズをしたくなったし、達成感はこれまでにないものでした。
高校生の頃に全国大会で接戦で逆転勝ちして優勝した時よりも嬉しかったもんなあ。

なのに、どこか寂しさや焦燥感があったんです。

これは、多分。

自分がずっと守っていた信念や大事にしていたものがそうじゃなくなったんだと今は感じています。


それは、ある意味で、自己の否定です。

でもこれは、大切な変化であり、成長痛みたいなものなのかな?なんて思います。

今回の個展で、心から痛感したことが、

自分が今どこにいるのか。それがとんでもなく重要だっていうこと。

それは、どこのコミュニティにいるのかもそうだし
シンプルにどこに住んでいるのかもそう。

今回で言うなら、どこで個展を開催したのか。

まだ2回しかやっていないので、強く言えないですが、おそらく下北沢で今回やらせていただいたMONAギャラリーさんと僕の作品や僕自身の雰囲気がめちゃんこに相性が良かったはずです。

だからこそ、無名でどこの誰かわからない人間の作品でも感動を届けられた。

それは
僕の力というよりは、ほぼ街やギャラリーさんの力だったんです。

僕の頑張りや努力はたかが知れています。

つまりはほとんど運が良かったということですね。

この2日間で出会った人がたまたま、その日に下北沢に来ていて
たまたまギャラリーの前を通ってくれて
たまたま僕の個展が開かれていて
たまたまタイプの作風で
たまたま作者が良いやつだったっていう。ありがとうございます。

もし、今回の個展を下北沢でやっていなかったらと考えると、今読んでくれているあなたとは出会っていない可能性が高い。

そして同じような学びや成果を手に入れられたとも考えづらいです。


本当に世界は広いなって感じます。

この間、カンボジアに教員として行っている先輩に言われたんです。
『東京を扱うんだよ。絶対に扱われるな!』と。


自分が目指す未来や成功を手にいれるのに、僕はずっと時間が重要だと思っていました

地道にコツコツと。

それは今も変わりませんし、おそらく真実なことだと思います。

僕はずっと挑戦を始めた20歳の頃から、時間をかけて人間関係を築いてきました。

応援されるように、してもらえるように行動してきたんです。

時間が経つにつれてそれは実っていった。

だからこそ、僕も人を大切にできていたし、大切にしたいからこそ黙って行動してきました。

でも、現実は思った以上にそうじゃなかったことが今回でわかったんです。

土が死んでいるところにどんなに良質な水を与えようとも花は咲かない。


そういう言葉が僕の脳裏をよぎりました。

努力が足りなかった。

それは、ただの逃げの思い込みだったんです。

努力の仕方、水を与える土を見間違えていたんです。
いや、見間違えてても良かったんですよね。

それでも、咲いた花はあって実った実もあったから良かったんです。

全く無駄なものじゃなかった。

でも、これからのステージでは、これはやめないといけないことなんだと直感で感じるんです。

さっきの話でも登場したダンス教室の社長さんに言われた言葉で
『表現者は、自分を安く売っちゃダメだよ。自分で価値を下げることはしちゃダメ。』と強く言われたんです。

僕が登ったステージでは、これが常識的なルールな気がしてます。

体からそれを感じている。

なぜなら、今回の個展で出会ったお客さんに失礼になるからです。

僕の表現を見ることなく鼻で笑う身内。

僕の表現を見て感動して応援までしてくれた新規のお客さん。

僕は、僕の作品や表現活動を世界中で待ち侘びてくれている人のためにこれから思いっきり行動していこうと思えました。励みます。

心から
僕の革命のファンファーレを鳴らしてくれてありがとうございました。

次の展示会の準備に入ります💐

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