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採用側から見た面接

私は2度の転職経験があり、今は面接官の席に座っている経験と合わせて、どうしても伝えたい事がある。

私自身が応募側だった頃、今日の面接はよくできたから成功したと手応えを感じた経験がある。結果、不採用の連絡や鳴らない電話に100回ぐらい落胆も経験している。

身も蓋もない話だが採用側から見た面接に正解も不正解もない。

今だからこそ私が思う“よくできた”とは、限られた時間の中で自分自身の事を100%伝えられたかどうかであって、面接官の質問に対して練習通り上手に受け答えができたかどうかではない。

例えば、採用側を想像してほしい。
貴方は求人をだしている(株)自分の経営者である。求人をだすからには、きっと理由があるはずだ。
ただ、どんな理由であっても採用するからには末長く存分に活躍してもらえる人を好むと思う。もしも、「直ぐに辞めてしまいそうなスーパーマン」と「コツコツ永く頑張りそうな平凡マン」を面接した時に、経営者の貴方はどちらを採用したいと思うだろうか。

重視するのは能力云々よりも社風との相性や、業務の適正、マナー等の人間性である。

業務の適正と言えば、“日常的に夜勤あり”と記載した求人で早寝早起きが譲れないという方と面接した事もある。もし、採用したならば悲しい未来しか想像できずに切なく感じた。

マナーと言えば、メモ帳がわりに紙の切れっぱしを出す方もいた。面接の後、その切れっぱしは一体どこにいってしまうのかと気が気ではないし、裏を返せば面接を軽視されているようで悲しくなる。


さて、応募側に戻ってみよう。
内定の二文字は喉から手が出るほどに欲しいと思うが、やはり働きはじめてからの不安もあるだろう。酷なことを言ってしまえば、就活も内定も通過点である。
いざ働き始めてみたら、聞いてた話と違った、想像と違ったと望まぬ形で退職してしまう事は避けたいハズだ。

私の経験上、このミスマッチは自分の本質に向き合えておらず、自分自身を理解できていない事に原因があった。
特に理解が足りなかった部分は、自分の理想とする働き方に他ならない。ここを押さえているだけで、望まぬ未来を避けられる可能性はとても高い。


さあ、自己分析をしてみよう

そこで、私が実践した自己流自己分析の一部を試してもらいたい。内容は下記の通りである(恥)

・早く偉くなりたいのか→NO
・全国をまたにかけて働きたいか→NO
・成果重視で実力を試したいか→NO
・インセンティブでガッツリ稼ぎたい→NO
・会社の名前は気にするか→YES
・絶対にホワイト企業がいい→NO
・会社の休日は土日がいい→YES(休日出勤や夜勤は可)
・表舞台の華やかな仕事がしたい→NO


たったこれだけの自己分析でも自分の理想とする働き方が見えてくる。

出世欲は控えめで、人並みのお給料で満足し、転勤が嫌で、実力主義を望まず、ノルマが苦手で、社名は響きが良くて、土日休みの裏方みたいな地味な仕事で、もしもブラック企業だった時は黒さを極めてやろう
というのが私だ。
結果、大手グループの地方子会社がベストマッチであると考え、採用後の印象からも2度目の転職は成功であったと胸をはっている。※前職と比べると現職はブラックではありませんでした。

ちなみに早く偉くなりたいのであれば、競争相手の少ない小さな企業の方がチャンスは多いだろうといった感じでいいと思う。

もちろん、初めから自分の100%希望通りの会社に出会えるとも限らない。優先順位を予め決めておく事も大切だ。

ここで採用側、応募側の側面が見えた訳だが、もしも100%の自分自身をお祈りされてしまっても落胆は最小限にしてもらいたい。恐らく面接官は互いに望まぬ悲しい未来を事前に避けてくれた可能性が高いからだ。

ところで、就職や転職はマッチングに似ている。理想の相手を探し、理解を深め、双方の合意を持ってパートナーになる。
時には、顔はタイプじゃないけど性格がとても合うなんてケースも非常に似ている。

ここで、面接官の弱点も晒しておこう。
その弱点とは好意である。
例えば、「●●が得意です、▲▲が出来ます、■■の経験があります」といった自己アピールばかりの中で、『貴方の笑顔がいつも素敵でお話したかった』という方がいたら興味を持ちませんか?
就活であれば『御社の接客が他のお店よりも圧倒的に素敵で感動しました。私も同じように誰かを感動させられるようになりたいです。』なんて言われたら、それ他社でもいいよねなんて思うはずがない!
就活でも対人でも相手の見習いたい素敵な所を見いだす事は重要です。但し、嘘は面接官も気づきますので、本気で本当に素敵な所を攻めてください。


ここからは独り言として読み流していただきたい

私の転職は1度目は転職エージェントで、2度目は自力の転職でした。
私見だが、転職エージェントの有用性はケースバイケースである。エージェントの方も仕事であり、もしかしたら採用に至らなければ満足にお給料がもらえない実力主義のインセンティブかもしれない。
もし、自分がエージェントの立場ならどうするであろう。企業は多額の報酬をエージェントに支払うからには未経験より業界経験のある即戦力を求めるお客様なので、最優先は求職者の要望よりも企業にマッチングしそうな人を紹介する事だろう。企業にも転職者にも紹介すらできなければエージェントの意味はないし、成約できなければ無能と見なされてしまい収入面も精神面も苦しい思いをするだろう。だから、これは仕方ない。
もし、同業他社への転職が希望であれば転職エージェントに協力を仰ぐことは有効であると思う。しかしながら、他業種への転職を希望する方に転職エージェントはおすすめし難い。事実、私の前職と現職は、他業種への転職であり、数社の転職エージェントに相談したが、いただいた求人票の9割は前職の同業他社であった。
全く望んでいない現実を目の当たりにして、自力での転職活動を覚悟した。繁忙期ともなれば1週間で4時間程度の睡眠しかとれない前職で働きながら、移動中には求人サイトの新着を毎日チェックし、仕事から離れた午前2時に履歴書を手書きで作成し、間違えた時の絶望は今でも忘れられない。だからこそ、求職者の方には本当の意味で成功を手に入れていただきたいと切に願う。


最後に応募側が採用側を想像したように理想の未来も常に想像していただきたい。

特に若い方には想像しずらい事と思う。だが、この視点はいくつになっても必要だ。

私は今わの際をよく想像している。
最後の時を迎える際、大きな不安もなく、穏やかな最期を迎える事が理想である。

では、その為には今から何をなすべきか。
まずはお金だろう。歳を重ねてから贅沢はできなくとも毎月お金の心配ばかりの老後は避けたい。お金の心配は精神的な不安も限りなく大きい事は無職期間に経験済みである。

今の私は生涯現役で働き続けたいと考えており、今の仕事は将来的に業界がなくなるリスクが低く、健康であれば働き続けていけるであろう職種という事も織り込み済みだ。

もらえる年金額も不透明だし、年金だけで生活していける自信は既にない。毎月数万円程度でも+αの収入を得る方法を模索する日々だ。


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