見出し画像

Q3.誰もが実践できる効果的な学習法は?

当記事は、音声で楽しむこともできます。




冒頭の挨拶

『新井大貴の問いかけラジオ』-この番組は、コミュニケーションパートナーの新井大貴が,日常で出てきた疑問に対し、複数の問いに置き換えて,雑談を交えながら話を展開していきます。

「新しい視点を獲得し、考えるキッカケとなったり、日常の見え方が変わったりする」そんな番組を届けていきます。通勤通学などの移動時間、家事や息抜きなどの時間に「ながら聴き」してくれると嬉しいです。よろしくお願いします。


マラソン後の身体の状態

東北・宮城復興マラソンを走り終えてから約1週間が経ちました。
走った直後から2日目までは、太ももの裏が本当に張っていて、歩いているだけで痛みが出てきました。今はなんとか、右太ももの裏のダメージがまだ残っているくらいにまで落ち着きました。

いやほんと、肉離れが起きたかと思っていたので、痛みが徐々に治ってきて安心してます。

他のランナーの方々は、このマラソン直後の筋肉痛のような感覚に対してどう対処しているんでしょうね。それこそ、累計130回以上フルマラソンを経験されている川内選手は、筋肉痛すらきてないかもしれないですね。笑


最近読んだ本は何?

前回の話で、最近読んだ本は何か、あるいはこれから読もうとしている本はあるか?について質問しました。

今回は、私、新井大貴が最近読んだ本の中で、大いに参考にしている本を1冊紹介したいと思います。

また、普段のラジオ配信時に Spotify for Podcaster を使っているのですが、企画で「あなたのおすすめの1冊をエピソードで語ってください」とありましたので、そのお題も併用しながらの配信です。

ちなみに、Spotify for Podcaster で提示していた読書週間は11/9までなのですが、日程を勘違いしておりました。笑
でも、Spotify for Podcaster の中の人たちなら許してくれるだろうという願いを込めて、話を展開していきます。


また、後半では、現在の私の仕事について少し話ができればなと思っています。


効果的な勉強方法って?

では、始めていきますね。

中学生から大人まで一度は悩んだことのある「勉強法」。テストで高得点を取ったり、受験で目標とする大学に合格したり、あるいはリスキリングで学び直す際に、何から始めればいいのか・効果の出る勉強法は何なのか。

なかでも、社会人の方々は仕事の関係で勉強する時間も限られていますよね。

勉強法・学習法について教えてもらえない場合、多くの人が行なっているのは、教科書の黙読や蛍光ペンで大事なことに線を引く・繰り返し同じ問題を解く反復練習などが挙げられます。

特に、定期テスト前の一夜漬けで何とか乗り切れることもある一方で、そのような学習だとテストを受けた次の日にはほとんど忘れていることが多いです。

自分も、特に中学生・高校生のときは、効果のある勉強法・学習法について全く知らなかったので、暗記で乗り越えていた覚えがあります。
もちろん、次の日には全部忘れていましたね。笑


そこで今回は、本当に効果のある勉強法・学習法について書かれている本についての紹介です。

エビデンスや認知科学の観点から、学習時間をムダにしない効果的な学習方法に基づいて書かれている本です。

著者は、記憶のパフォーマンスや人の学習に関して研究しているヤナ・ワインスタインとメーガン・スメラック、イラストレーターのオリバー・カヴィグリオリです。


書店でたまたま見かけ、表紙の装丁のアイコンと色味がとても良く、パラパラ眺めたときに「この本は相性が良さそう」と思って購入しました。


結論から言います。著書で示している効果のある勉強法・学習法は、以下の6つです。

1.検索練習
2.分散学習
3.インターリーブ(交互配置)
4.精微化
5.具体化
6.デュアルコーディング

のなかでも効果のある検索練習、分散学習、インターリーブの3つについて著書に記載されている実験・自分の体験談や解釈も踏まえながら話を進めていきますね。


検索練習

著書を一部引用します。

記憶は、思い出すたびに再構築・強化されます。学生がクイズに答えるとき、単に記憶を確認しているのではなく、記憶を強化しているのです。

つまり、「そういえばあれってなんだっけ?」と記憶の中にある情報を思い出しているとき、記憶が強化されているってことですね。

それを繰り返すことで、覚えていることと覚えていないことが明確になるので、小テストを定期的に繰り返すことで、習ったことを思い出して記憶の強化・柔軟性を高められますね。

だから、私、新井大貴は思います。
教師の役割の1つとして、テストに対する負のイメージの払拭があると思うんですよね。

たしかに、小学生・中学生などはテストに対してプレッシャーを感じるかもしれません。しかし、人生の節目では受験があったり、大人になって緊張する場面に対して立ち向かうこともある。

そういったものに対して少しでも慣れていくために日々できることは、やっぱり小テストを繰り返し行なっていくことな気がします。
極端な話かもしれませんが、宿題を無しにする代わりに、毎時間最初の5〜10分で小テストを行った方が効果があると思うんですよね。


検索学習はいつ効果があるのか?

著書の実験を紹介します。

2つのグループに分かれて、ラッコについて書かれた文章と、太陽について書かれた文章を学生たちに読んでもらいました。

①のグループは、文章を2回読む方法で学習してもらい、②のグループは、文章を読んだ後に思い出せることを白紙に書いてもらいます。ここでの白紙に書いてもらう学習が、検索練習に該当します。

学習し終えた後に、5分後、2日後、1週間後に分けてテストを実施。テストではできるだけ多くの情報を書き出すことが求められ、5分後は①、2日後・1週間後は②のグループが多くのことを覚えていました。

やはり、短期で見れば教科書を熟読しておけば多くのことを覚えているのに対し、時間が空くことで、自分で覚えたものを思い出しているうちに記憶が強化されるってことですね。


検索練習の方法としては、先ほどお伝えした白紙に把握していることを全て書く以外にも、友達や先生に説明してみたり、自分で問題を作成してみたりすること等が挙げられます。


分散学習

続いて、分散学習です。

検索練習と重なるところもありますが、分散学習とは、ある学習項目を間隔を置いて複数回繰り返すことです。心理学ではよく知られている「エビングハウスの忘却曲線」をもとに作られています。


一夜漬けで一気に3時間勉強するのではなく、試験の数週間前くらいから、たとえば1日に30分くらい時間を設けて教材を読んだり復習したりすることを指します。


6つの条件に分けての実験です。学生は①1回だけ読む、②2回続けて読む、③1週間の時間を空けて2回文章を読みます。

実験に参加した学生のうち、半数は読んだ直後に試験を受け、残りの半数は読んだ2日後に試験を受け、テストでは、長い文章のある部分について、覚えていることを全て書き出してもらいました。


学習直後のテスト結果は、やはり2回続けて読んだ学生が1番正答数が高く、学習1回と2回に分けて文章を読んだ学生たちは同じくらいの正答数でした。

一方、指定された条件で文章を読んだ後のテストでは、2回に分けて文章を読んだ学生が1番正答数が高かっただけでなく、学習直後よりも正答数が高かったんですよね。


これは自分の仮説になるのですが、学習したことを忘れていたとしても読書や勉強などで再会する事で、「記憶の強さ」を強めている可能性が高いと思っています。

長期的に見たときに、朝に1時間、昼に30分、夕方か夜に1時間など、とにかく細かく実施。それこそ、10分もあれば単語5つくらいは覚えられますしね。


インターリーブ

3つ目のインターリーブとは、学習する際、一つの科目や一つのことを連続して学習をせず、あえて途中で別のことを挟んで学習間隔を開けて取り組む方法のことを指します。

たとえば、英語を勉強するなら、リーディングだけではなくリスニングやライティングを入れたり、歴史の勉強を英語でやってみたりする。あるいは、数学を勉強するなら、途中で物理や音楽を入れるなどが挙げられます。


著書の実験では、小学校4年生の算数が用いられていました。

児童に図形の面積・角度などを求める計算の公式を教えたあと、同じ種類の問題を何度も解くブロック学習(反復学習)と、利用する公式を切り替えるインターリーブで結果を比較しました。

たとえば、「四角形の面積はいくつ?」「円の長さはいくつ?」などです。


ブロック学習は、学習中の成績は100%だったのに対し、翌日の学習成績は38%にまで低下していました。

インターリーブ学習だと、学習中の成績は81%だった一方で、翌日の学習成績は77%と学習成績が維持されていました。

著書によると、インターリーブ学習の方がさまざまな問題を解いてもらうため、各概念の抽象的な要点を抽出できる。


ただ、インターリーブは全く関係のない分野を混ぜてしまうと、学習者の注意を逸らす可能性もあります。

保護者や先生など、問題を作成する人が気をつける必要がありますね。



ここまで、検索練習・分散学習・インターリーブについて話をしてきたのですが、最初の2つに関しては中学生から大人まで汎用できると思います。

あらかじめ、「今日習ったことは2日後にもう一度30分だけ学習する」とか「今週1週間で習ったことを、週末にもう一度確認・整理する」など設定しておくことで、試すことができると思います。


インターリーブに関しては、仮に全く関連性がなかったとしても、「自分の好きな科目」で試しに行ってみるのはありですね。

自分の場合だと、英語学習を30分やって、その後に音声ラジオのノウハウインプットを30分やって、教育に関する事例まとめを30分やって、財務諸表の見方を30分やって・・・ うん、関連性を見出すのが難しいですね。笑

しかし、あえて関連性がないもの同士を行って、無理矢理にでも要点を抽出する練習をしてみる機会だと自分に言い聞かせるしかないですね。


前半でもお話しをしましたが、著書はエビデンスや認知科学の観点から、学習時間をムダにしない効果的な学習方法に基づいて書かれている本です。

また、ところどころにグラフィックが掲載していて、絵や図で理解したい人にとってもおすすめです。

気になった方は、ぜひ手に取って読んでみてください!


私の仕事

こちらは音声配信のみとなります。
気になる方は、上部の再生ボタン、もしくは音声配信サービスから聞いていただけたらと思います。

時間は(20:26〜)


エンディング

『新井大貴の問いかけラジオ』-エンディングの時間となりました。

今回の放送は,Spotify・Podcast・YouTubeなどの配信アプリで聴くことができるだけでなく,作品を配信するサイトのnoteで,テキストで読むこともできます。

当番組を気に入っていただけましたら,チャンネル(アカウント)のフォロー(登録)をお願いします。

また,番組の感想やお便りもお待ちしております。X(旧Twitter)で投稿する際は #問いかけラジオ とつけて感想を投稿いただくが,概要欄に掲載しているお問い合わせフォームよりご記入くださいませ。


いただいた感想に対しては,RTやメールでの返信を行なってまいります。

最後まで聴いていただき,ありがとうございました。

サポートすると,いいことあるかも?!