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【読書】収益多様化の戦略|作って売って終わりじゃない儲け方を知る

最近はビジネスモデルに関心があって、色々と本を読んでいます。今度は利益の稼ぎ方について解説した本です。

この本では色々な利益の稼ぎ方が紹介されています。作って終わり、売って終わりではないのです。今はサブスクリプションも一般的になりましたし。

それでは順に振り返ってみましょう。

収益より利益に目を向けよう

コストに利益を上乗せするでは限界だ

従来の考えでは、利益とはコストに上乗せするものでした。コスト+利益=販売価格というのが従来の一般的なプライシングでした。

売り切り型ではこの通りですが、価格競争の激化が起きれば価格は下がっていきます。すると利益が出なくなっていきます。

また21世紀になってから高度経済成長期のような作れば売れる時代でなくなってきました。この傾向はドンドン進んできています。

こうなると売り切り型でコストに利益を乗せたプライシングでは厳しいということになってきます。

価値創造と価値獲得がある

多くの企業は売上を最も重視し、売上をいかに増やすかに苦心しています。しかし企業が儲かったかどうかを表すのは利益です。

多くの企業が注目しているのは本書で言う価値創造、すなわち売上をどう作るかということです。

しかし本書は注目すべきは利益をどう作るかという価値獲得だと主張します。

売上が増える製品・サービスを作るのではなく、まず利益をどうやって増やすかに着目せよということです。

世界的な成功企業は価値獲得が凄い

いわゆるGAFAMやテスラ、ネットフリックス、コストコの事例が紹介されています。

これらの企業は製品・サービスを作って売っています。革新的な製品を作ったり、売り方を工夫したりしています。

ここで気を付けたいのが、多くの人も多くのビジネス書も売上を増やす仕組みに着目しているということです。しかし本書は利益に着目しています。

GAFAMやテスラ、ネットフリックス、コストコなどがいかにして利益を得ているかを、本書は決算書を使って利益率を見ながら解説しています。利益観点で見ると上手いなぁと感じます。

利益の稼ぎ方は沢山ある

30種類の価値獲得モデルが存在する

本書では30種類の価値獲得モデルが紹介されています。レーザーブレイドやサブスクリプションなどビジネス書でよく紹介されているモデルもあります。

カタログのように使えるので、この30種類の価値獲得の解説を活用して、利益の稼ぎ方を考えてみるとよさそうだなと感じます。

私の場合はとりあえずブログでできることかなぁ。これは三者間市場というものですね。ユーザーは無料で、広告主がお金を払うというものです。

個人のメディアならフリーミアムやメンバーシップ、ロングテールもありですね。そう考えると幅が広がりそうです。

プロボノから有償の仕事につなげられればいいけど、それはハードルが高いなぁ。

価値獲得の3つの観点

価値獲得の方法を考えるための3つの観点が紹介されています。課金ターゲット、課金ポイント、課金タイミングです。

課金ターゲットは直接の顧客以外にもありえます。例えば雑誌やWebサイトでは広告主がいます。広告主に課金しているのです。

課金ポイントは例えば製品本体とオプションがいい例ですね。自動車では昔からオプションを取り付けられますし、最近のゲームは追加コンテンツを購入できます。本体以外にも課金ができる箇所があるのです。

課金タイミングは販売時か、毎月かなどです。1回売って大きく儲けるのか、少しずつ課金していくのか、後で消耗品で課金するのか、使用量に応じて課金するのかなどです。

消耗品で儲けるモデルはカミソリやプリンターがいい例です。使用量に応じた課金は公共料金がいい例ですが、最近はクラウドサービスも該当します。

この3つの観点でバリエーションを出していけば、価値獲得の方法を見つけやすいということですね。

リカーリングモデルに着目する

リカーリングモデルというものがあります。収益が継続的に生まれる仕組みのことです。

例えば月額会員制のサービスや、消耗品の購入が必要な製品などが該当します。

本書はデジタル時代はユーザーに有利な価値獲得モデルに変えていく必要があると説いています。デジタルを活用すればコストダウンと幅広い顧客へのリーチ、顧客の行動履歴の把握などができますから。

すると従来からあったリカーリングモデルであるリピーター、レーザーブレイド、リースからより顧客有利なフリーミアムやサブスクリプションが有利になってくるわけですね。

物売りのサブスクリプション化の例が本書にあります。ただ月額制にしただけで、買った方が安いじゃんというモデルですね。

こういう企業にとっての都合を優先したものはダメで、顧客にとって有利なものを作って顧客を惹きつけ、継続的に料金を支払ってもらえるようになることが大事だそうです。

こう考えるとハードルは高いですが、実現できれば継続的に収益を得られます。そして限界コストが低ければ継続収益がほぼ利益になります。難しいけど夢はありそうですね。

終わりに

ビジネスモデルに関する考え方を大きく変えさせてくれる本でした。目先の売上に囚われず、利益をどうやって獲得するかにちゃんと着目できるようになりたいと思います。


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