見出し画像

エッセイ232.今年の野菜(3)グリーンカーテン

隣の大家さんが草刈機で刈った草は、土地が広いだけに、お庭の中央に小山のように積まれています。ある程度乾燥させてからでないと、大量すぎてゴミの日に出しにくいのです。一方店子たなこである我が家と、他3軒は、大家さんが草刈りを終える頃、やれやれと言う感じで草刈りをしています。

うちにも草刈機はあるけど、危ないので夫の仕事です。
というのは、草刈機を使用中に、斜面などで滑って転んで、回っている刃の上に倒れ、脚の付け根の大きな血管を切って亡くなる人が結構いると、畑の先生に聞いたからです。草刈機の刃は、硬いものにぶち当たると安全装置が働いて、柄から外れて飛んでいくため、それでは困るので、私が先にフェンスや家の外壁周りなど刈ります。雑草を引っこ抜くのはとうの昔に諦めて、草刈り鎌一本です。暑くない日の早朝に、ネットのついた帽子をかぶり、長靴に軍手の重装備。お風呂の椅子に座ってズリズリ移動しながら刈っていきます。去年知った、高刈り(稲科の植物の成長点ぎりぎりで刈ることで、あの恐ろしい勢いを削ぎ、同時に、広葉系の雑草の繁栄を助ける方法)をしますので、Podcastを聴きながら、鼻歌でザックザックと行きます。45Lの燃えるゴミの袋に2つになったらやめます。あとで手首が痛くなるからです。次の燃えるゴミの日までには、乾燥して半量ぐらいになっているので、すぐに出してはだめなんですね。

さて今年ですが、そういうふうに、硬い壁面周囲のみを綺麗に50cm幅ぐらい刈ってみましたら、残った雑草がなかなか良いのでした。
元気に伸びているピンクのレンゲ・ヒメジョオン(ヒメジオンとも)、ジブリ映画にすぐ出てくるエノコログサなど、なかなか悪くないではありませんか。ところどころにスターチスも咲いているし。

それで今年は、そういうふうに真ん中を残して周囲はちまちまと刈り、どこまで耐えられるかやってみることにしました。
そう告げると夫はすごく嬉しそうでした。

一度刈ったら、背丈が伸びなくなったお行儀のいいレンゲ
いつの間にかスタチース。ダイカンドラのグランドカバーと、盗人萩も今年も健在です。


夫は、日本に残る数少ない自然が大好き。だから畳の上で布団で寝るという。自然だからですって。
そして、ソファで本を読んでいて目を上げた時、グリーンカーテンが元気なのを見るのも好きです。この10年以上にいろいろやってみました。一番良かったのは、糸瓜で、秋にはぶらりぶらりと、20個ぐらいもヘチマの実がなりました。
定番の朝顔やゴーヤの他に、今まで夕顔、糸瓜などいろいろやりましたが、育てるのはとても下手で、ネットはたいていスカスカです。親蔓を切る時期を逸したり、鉢が小さかったり、水やりをさぼったり。それで、なかなか夫の好む、「緑一色、あっちが見えない、むしろ部屋が薄暗い!」と言う感じのグリーンカーテンはできたことがありません。近所で素敵にできているお宅を見ると、思わずピンポンして、コツを聞きたくなってしまいます。
ほっといても元気すぎるのがフウセンカズラ。昔私が、「好きなんだけど、種を売っているのを見たことないなぁ」と言ったら、東京の友達が遊びに来た時に、持ってきてプレゼントしてくれました。その子孫がすごいんです。ネットから引っ張り剥がした枯れた蔓を、えいっとその辺に捨てておくと、いくらでも種があって温かくなると出てきます。庭のあちこちで、本当は上に向かって登りたいのでしょうが、しかたなく寝そべって増えているんですね。可哀想ですね。

今年は、種は買わない、運を天に任せる、としていますから、去年使っていたトマトのプランターと、その土をグリーンカーテン用に再利用しました。
土を篩にかけていたら、出るわ出るわ、黄金虫の幼虫のまるまるとしたやついくらでも出てきます。小学生諸君が、カブトムシの幼虫だと思って、間違って大事にしてしまうあの、黄金虫の子供がなんと、30匹以上も出てきたんですね。
去年、すごく成功しかけていた葉物を、何回にもわたって全滅させた私の天敵の黄金虫(こいつ🪲)が、それだけでは飽き足らず、私に残していった子孫です。頭に来て、「ふん!」「あっ、またいた!」などと独り言を言いながら、つまんでは、遠くへ ぽいっと放り投げました。

黄金虫は大葉やレタスが大好物なのですが、実は私の本当の敵は黄金虫ではなくて、ウリハムシです。
胡瓜をグリーンカーテンにすると必ず「ウリハムシ」に殲滅させられます。
胡瓜のあの、大きな葉っぱがレース状になるほどに、数多く飛来して、集団で食べていきます。植えた途端の、苗高がまた10センチほどのいたいけな胡瓜に、一葉に5匹も6匹も取り憑いています。早朝にはもう来ていますが、お昼になってもまだいます。手で追っ払っても、自然派スプレーをかけても、「ばーか」と言わんばかりにのんびり逃げていく。瓜葉虫と書くのでしょう。ヘチマやゴーヤはやられたことはありません。胡瓜が大好きなようです。ウリハムシの一番良い駆逐方法は、ペットボトルに捕獲することです。とろいから、私でも捕まえられます。それでも、ゆっくり逃げていって、結局逃げ切るのも多いので、効率が悪いです。今年は、胡瓜を作って食べようという野望は捨てて、白いゴーヤにしました。

黄金虫の幼虫をすっかり放り投げてから、大きなプランターに、買ってきた白ゴーヤの苗を植えてから数日後、ふと見ると、お客人が現れていました。


①白ゴーヤ
②ヘチマ
③フウセンカズラ
④ミニトマト

一番元気にのさばるのが、絶対フウセンカズラで、ミニトマトは水を嫌うので、移植が必要。ミニトマトは今年はやらないつもりでいたけれど、こうなったら何かのご縁なので、今年知った、「脇芽を取らない一本立て・どんどん支柱に全部の枝を結びつける方法」を、洗濯物干し台に設備をしてやってみようと思います。

しかし、いくらもともと、ミニトマトのプランターだったとはいえ、こぼれた実もなかったし、たった1週間ほどで、よくまあここまで大きくなったよ根、ミニトマト。感心てしまいました。

やらないつもりでいましたが、いろいろ発芽発根してきたので、これ以上増やさないように気をつけながら、ちまちまやっていこうと思います。


植え替えに失敗して発根しないローズマリー。
なんとなく飾りながら、乾燥してみます。


生協のりんごのタネは素晴らしいです。
すぐ発根発芽して、小さい盆栽ぐらいになります。
チビのくせに、ちゃんと葉っぱもギザギザで可愛いです。


サポートしていただけたら、踊りながら喜びます。どうぞよろしくお願いいたします。