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じゃがいも、ほうれん草、ネギ、セロリ、トマト、人参・・・野菜がタイトルに含まれているビッグバンド曲を集めてみた

はい、ビッグバンドファンです。今日はタイトルに野菜が含まれているビッグバンド曲を集めてみました。こういう括りで探すと思わぬ出会いがあったりするものです。案の定、今回も見事に知らない曲が沢山引っかかりましたので紹介します。

じゃがいも

まずはやっぱり「じゃがいも」でしょう。英語は勿論「Potato」、そしてサッチモの「Potato Head Blues」です。

1927年の演奏ですが、こうしてレコードに残っているというのが素晴らしいです。そして、これを現代の名手が演奏している動画もあります。

ビッグバンドの原点、ディキシーサウンド全開。このベースがチューバでね、独特のウォーキングがたまらない。バンジョーのちょっと間の抜けた音、そこに自由を謳歌するようにトランペットがフレーズを重ねていき、聞いているだけで足が動く。これがやがてスウィングという発明に繋がっていくんだろうと思うと、すげぇなと思いますね。

ほうれん草

続いては「ポパイ」とかもあるし、ということで「ほうれん草」にしました。ちなみにほうれん草の英語は「Spinach」です。で、見つけたのがこれ。

曲名は「Hooray For Spinach」。意味はよく分からないですが、それもそのはずで、wikiにこのように書かれています。

ジョニー・マーサーが新たに組んだ作曲家のハリー・ウォーレン (Harry Warren) と『Jeepers Creepers』を作り、ルイ・アームストロングが歌ったこの曲はオスカー入選した。ウォーレンとは1938年の『You Must Have Been a Beautiful Baby』もヒット。二人のコミック・ソング "Hooray For Spinach" は映画 Naughty But Nice(1939)に提供。

コミック・ソングとして作られたものだそうで、タイトルは何となくのノリでしょうかね?ジョニー・マーサーが1939年に作曲家のハリー・ウォーレンとのタッグで映画「Naughty But Nice」の為に制作、提供された楽曲のようです。

また演奏しているスキニー・エニスですが、wikiを見る限りこの演奏は自分のバンド結成間もない頃のようです。

In 1938, Ennis put together his own band,[5] which became a popular ensemble in Hollywood films. "Got a Date With an Angel" was his theme song. During this time Gil Evans was one of his arrangers.

上記の通りエニスのビッグバンドはハリウッド映画の仕事が多かったようです。なので、恐らくですがこの曲も映画の為に作られた曲であることから、映画音楽として演奏されたものと思われます。またこの頃にギル・エヴァンスがエニスのバンドのアレンジャーの1人であったというのも面白いですね。若かりし鬼才がこうしたところから巣立っていった、という時代背景に想いを寄せながら聞いて頂くのも面白いかと思います。

1938年はベニー・グッドマンがカーネギーホールでビッグバンドによる初公演を成功させた年でもあり、まさにビッグバンドが群雄割拠、黄金時代の演奏となります。

セロリ

さて、続いてはセロリ。英語にしても「Celery」です。調べてみるとこんな曲が引っかかってきました。

これも初めてですが、どうやら1940年の録音ということで先程のほうれん草と同じビッグバンド黄金期の演奏になります。演奏しているのはWill Bradleyのビッグバンドで、どうやらこの曲自体は当初B面に収録されていたものだったようで、A面タイトルの「Down the Road a Piece」はビルボードのトップ10にも入る程人気だったようです。またWill Bradleyはブギウギの名手だったようで「Down the Road a Piece」もそんなブラッドリーのブギウギを堪能出来る曲となっています。

ネギ

お次の野菜はネギ。英語にすると「Green Onions」ですが、こちらはそのまま出てきました。

有名な曲ですが、ビッグバンドではカウント・ベイシーが1967年に演奏していたようです。原曲は1962年、Booker T & the mg'sのデビュー・シングルです。ビルボード・Hot 100で3位を記録した他、同じくビルボードのHot R&B Singlesチャートで1位、キャッシュボックスで3位を記録しゴールドディスクにも輝き、最近でもローリング・ストーンの選ぶオールタイム・グレイテスト・ソング500(2010年版)で183位にランクされているという曲です。

トマト

微妙に野菜と言っていいのか分かりませんが、まぁ果物でもないだろうということで。これはあの人気バンドの演奏で有名なあの曲になります。

ちなみにこの曲、一部熱狂的マニアが大興奮というスーパーB級映画、映画評論家の中ではB級映画をも下回る「Z級映画」「不朽の駄作」とも評される映画作品のオマージュ?のようです。とりあえず原作の映画に関してはwikiに詳しく書いてありますので、読んで頂けたらと思います。

1978年に公開されたものだそうですが、日本では当然未公開。ところが一部のマニアの熱狂に押される形で25周年の際にDVD化されました。こちらはAmazonで購入出来るようです。

そしてこのDVDの音楽担当にゴードン・グッドウィンの名前が。仕事で請けたとは思えないんだが・・・やっぱり好きなのか?映画のお馬鹿さ同様楽曲のあまりの馬鹿げた展開に聞いてて唖然としてきますが、この「お馬鹿なことを実力ある人達が大真面目にやる」これが最高に面白いわけで、はい控えめに言って大好きです。

人参

野菜シリーズ(?)最後は人参。これは最新のサウンドで楽しみましょう。

Jacob Mann Big Bandで「Baby Carrots」。Jacob Mannはシンセサイザーを駆使して様々な楽曲をリリースしている方で、シンセ好きにはたまらない作品も結構出してます。例えば、名機JUNO-106だけで制作したアルバムとか。

ビッグバンドにおいてもこの特徴は存分に生かされていて、複雑なコード進行と展開に軽妙で浮遊感のある楽曲、そこに非常にタイトなブラスが重なりつつ生々しくも面白く演奏してしまう、要注目です。

というわけで、いかがでしたでしょうか?冒頭にも書きましたが、こうやって音楽とちょっと関係なさそうな括りで調べてみると、思わぬ音楽との出会いがあって時々意識してやってます。是非皆さんも普段聞いているものから離れてみたい時、試してもらえたらと思います。以上、ビッグバンドファンでした~、ばいばい~


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