『マインドフル・ワーク「瞑想の脳科学」があなたの働き方を変える』 デイヴィッド・ゲレス

【目次】

イントロダクション
第1章 マインドフルな瞬間
第2章 白鳥は舞い降りた
第3章 瞑想の科学
第4章 ストレスを軽減する
第5章 集中力を取り戻す
第6章 思いやりの心
第7章 企業の社会的責任
第8章 リーダーシップに活かす
第9章 マクマインドフルネス
第10章 マインドフルネスの未来
付録◎  マインドフルネス瞑想のやり方

ストレスを減らし、集中力を高め、思いやりの心を育む――今、ビジネスリーダーがこぞって取り組み、最新科学がその効果を後押しする「マインドフルネス革命」とは? 全米が大注目する心のエクササイズ=「マインドフルネス」が、多忙な情報社会を生きるあなたの働き方とビジネスを根本から変えていく!
(Amazon.co.jp 商品説明より)

【気になった箇所】

”カバット=ジンはマインドフルネスを「特定のやり方で、意図的に、この瞬間に何ら判断を加えることなく注意を向けること」だと言う。実践の仕方はこれがすべて。マインドフルネスの本質は、私たちが今経験していることをありのままに観察すること、心が興奮して暴走するのを許さないこと、それだけなのだ。それでも、「マインドフルネス」という言葉は複雑だ。いくつかの意味が層を成してお互いにつながっている。”

慈愛の瞑想、あるいは「メッタ(metta)」は、しばしば基本的なマインドフルネスとあわせて教えられる。一見難しそうに見えて実践するのは簡単で、効果は絶大だ。メッタで必要なのは、まず自分の幸福を願い、次に周囲の人々、そして生きとし生けるものすべての幸福を願う、それだけだ。実践では単に、静かにいくつかの文章を唱える。「私が幸せで、健康でありますように。災いに遭いませんように」。しばらくして次に、それを周りの人々にまで広げる。「この部屋にいるみなが幸福で、健康で、災いに遭いませんように」。最後にすべての生命の幸福を願う。「生きとし生ける存在がすべて幸福で、健康で、災いと無縁でありますように」。メッタにおいては、この願いが実際の出来事に具体的に影響を与えるという期待はまったくない。それは神に救いを求めて祈る行為ともまるで違う。メッタは思いやりの心や善意、気遣いの心が必要なときにそれを呼び起こす能力を高めてくれる。また、自我に対するこだわりを弱め、他者に対する関心を強めるのにも効果的だ。”

”別の言い方をするなら、マインドフルネスは利己的な目的で追求すべきではないということだ。それは私たちの仕事の能力を高め、より調和ある職場にし、より良いリーダーシップを発揮させ、収入さえも増やすかもしれないが、これらはあくまでトレーニングの幸運な副作用であり、目的ではないことを忘れてはいけない。マインドフルネスの本当の目的は、何一つ充分ではなかったと言わんばかりの終わりのない不満から自分を解き放ち、自分自身と他者への思いやりを育てることだ。「マインドフルネスの主要な機能は実際のところ、洞察です」とサルツバーグは語る。「マインドフルにお茶を飲む目的は、それをもっと楽しむためだけではありません。より良い一日を過ごすためだけでもありません。たとえその日が良い一日であったとしてもね。ある時点で人々は、マインドフルネスとは洞察なのだということに気づく必要があります。その結果、お茶だってより楽しめるようになるのです」”

【感想】

マインドフルネスに興味があって手に取った本です。

マインドフルネスの歴史、効用、具体的なマインドフルネス瞑想方法などが書かれています。

『サーチ・インサイド・ユアセルフ』ではグーグルのマインドフルネス実践法が書かれていますが、『マインドフル・ワーク』では一般的なマインドフルネスのことが書かれているので、本書はマインドフルネス入門書のように感じました。

マインドフルネス瞑想をしてみたいけれど方法がよく分からないといった、マインドフルネスのことを初めて知るという方にオススメの一冊です。

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