ヘルシンキの図書館で1939年に貸し出された本が返却されたそうです。

 ヘルシンキ中央図書館という公共の図書館で、1939年に貸し出されたコナン・ドイル「亡命者」のフィンランド版が先月に返却されたそうです。

 1939年12月の返却期限を80年以上超過しているとのこと。
 最初は、正直「世界の珍ニュース」的な話題と思っていたんですが、この本が返却されなかったのは1939年11月にソ連がフィンランドに侵攻したからではないかと書かれており、途端に歴史に翻弄される人々の姿が視界に入ってきてしまいました。
 1939年11月、ソ連はフィンランドに侵攻。フィンランド側は強く抵抗したものの、大きな領土をソ連に割譲することになりました(冬戦争)。この後フィンランドはナチスドイツに接近。独ソ戦が始まるとフィンランドもソ連と干戈を交えることとなり(継続戦争)、さらにソ連と講和すると一転して国内のドイツ軍と戦うことになりました(ラップランド戦争)。

 このように、多くの国と同様、フィンランドにとっても第二次世界大戦は困難な時代でした。この本を借りた人はこの時代をどのように過ごしたのでしょうか。歴史の中を生きた名も知らぬ誰かに思いを馳せるとともに、平和の尊さを噛みしめています。

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