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七つのロータス 執筆中 一万年物語

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一万年物語の古代パート。青銅器時代を想定しています。 複数主人公の長大な作品で、完結を目指して頑張ります。 1章ごとに見せ場を作っていくことも目指しておりますので、よろしければご… もっと読む
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2019年6月の記事一覧

七つのロータス第7章 イッポ

 第1章から  朝日が昇り、前日の戦いの後始末がようやく終わったばかりの城内を照らし始め…

びぶ
5年前
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七つのロータス第6章 無名の兵士たち

 第1章から  第5章までのあらすじ  城壁の上から見下ろすと、まるで真っ黒な水をたたえ…

びぶ
5年前
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七つのロータス第5章 アルタスIII

 第1章から  第4章までのあらすじ  アルタスは身を潜めた丘の頂きから、サッラの様子を…

びぶ
5年前

七つのロータス第4章 カライ

 第1章から  第3章までのあらすじ  皇宮の広間は、サッラからの新たな知らせに色めき立…

びぶ
5年前
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七つのロータス第3章 ネム

 第1章から  第1・2章のあらすじ  薄い布を透して届く柔らかな光に目を覚ました。籐の…

びぶ
5年前
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七つのロータス第2章 アルタスII

 第1章から  第1章のあらすじ  大河のほとりに立つ大樹の根本に、ボロをまとった吟遊詩…

びぶ
5年前
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七つのロータス 第1章 アルタス

 七つのロータスと、第1章について(作者自身の解説が不要な方は直接本編をお読みください)  地平線まで小石と礫の転がる平らな大地が続いている。まばらに半ば枯れたような短い草が見える以外、生き物の気配は感じられない。いっとき、風が止んだ。今まで吹き流されていた汗の匂いが、アルタスの鼻腔にまで立ち昇ってきた。匂いの源は少年自身の体ばかりではない。 「白銀、休憩は終わりだ。そろそろ帰ろう」 少年の体の下で、短い草に唇を伸ばしていた芦毛が、まっすぐに首をもたげた。 「いい子だ」 少