七つのロータス 第1章 アルタス
七つのロータスと、第1章について(作者自身の解説が不要な方は直接本編をお読みください)
地平線まで小石と礫の転がる平らな大地が続いている。まばらに半ば枯れたような短い草が見える以外、生き物の気配は感じられない。いっとき、風が止んだ。今まで吹き流されていた汗の匂いが、アルタスの鼻腔にまで立ち昇ってきた。匂いの源は少年自身の体ばかりではない。
「白銀、休憩は終わりだ。そろそろ帰ろう」
少年の体の下で、短い草に唇を伸ばしていた芦毛が、まっすぐに首をもたげた。
「いい子だ」
少