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パンプキンパイスパイス

秋になったら漂ってくるスパイスの香り、シナモン、ジンジャー、ナツメグとクローブたまにオールスパイスやメース、カルダモンが入ったブレンドスパイス。

パンプキンパイスパイス、名前にパンプキンが入っているがスパイスミックスにはパンプキンが入っていない。パイも入っていない。パンプキンの料理に使うスパイスかといえば、それだけではない。カフェラテやクッキー、ケーキなどに多用される。地域によっては様々な料理の深みを出すためにも使われる。どこかインドのガラムマサラやチャイミックスのようなブレンドでもある。シナモンの甘い香りをクローブやナツメグの深い香りが引き立ててくれている。

古くは14世紀ごろにヨーロッパの冒険家たちがスパイスアイランド(インドネシア)にたどり着き、そこでクローブやナツメグなどと出会ったのがパンプキンパイスパイスの始まりだと言われている。インドネシアの人々は3500年も前からクローブやナツメグは使っていたらしく、発掘された壺のようなものにはそれらのスパイスが付着していたそうである。

17世紀ごろにはスパイスの魅力に惹きつけられたヨーロッパの人々が争うように東南アジア、インドを目指した。ナツメグやクローブの名産地であり、そこでしか育てられないと思われていたスパイス達を独占したかったのであろう。当初はイギリスがインドネシアのバンダ諸島などナツメグやクローブの産地を支配していたが、オランダにニューワールド、アメリカのニューアムステルダムと交換したと言われている。ニューアムステルダムが名前を変え、今のニューヨークになっているとか。

オランダの人々によって持ち帰られたスパイス達は様々な料理で使われるようになった。それがイギリスに渡り、パイなどに使われるようになりアメリカではジャマイカで出会ったオールスパイスも仲間入りして秋の感謝祭のパンプキンパイに使われるようになり、ナツメグ、シナモン、ジンジャー、クローブを混ぜたスパイスミックスをパンプキンパイスパイスと呼ばれるようになった。使いやすかったのか、香りが秋を思わせるのか、パンプキンパイスパイスはそのほかの様々な料理やお菓子、飲み物にも使われるようになり、秋の香りの代名詞となっていった。

秋を告げるパンプキンパイスパイス。

季節を感じるスパイスミックスというのはなんか特別で素敵である。

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