専門店はちょっと怖いけどすごく優しい
その分野に詳しくない段階での専門店訪問は、もうその店に入ることからして怖い。そういえばバレエを始めた時も、乗馬を始めた時も、専門店訪問は、1度目は店の前まで行ったものの中に入る勇気が出ずに、「また今度にしよう」と引き返してしまったほど。
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来月、じゃなくてもう今月(てかもう9月ってどういうこと!?)半ばから始まるチェロの初心者コース。湿気も雨も多いロンドンの冬が目前、手元の(おそらくセットアップで付いてきたもうすぐ穴が開きそうな)ソフトケースじゃさすがに心許ないかなと、しばらくハードケースをオンラインで物色中だったのだけれど、チェロの、というか楽器のケースってすごく高いのね。お手頃価格のでも私の中古激安チェロの購入価格の倍はするという。
どうして私はこうも、強力な財力が必要なことに心惹かれてしまうのかしら。趣味から一時は仕事にしていた写真にしても、乗馬にしても然り。前世は貴族だったとか?笑
残念ながら現実は、老後の貯蓄どころか日々自転車操業の私は、とりあえず今あるソフトケースで良くない?という気分だったのだけれど、アマチュアオーケストラに所属している知人に相談してみたら、バス・地下鉄移動だと急ブレーキとか混雑とかを考えるとハードケースはいるよね、と。
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大きさが大きさなので、オンラインで買って気に入らなかった時に返品するのも大変だしなと、まずは実物を見てみようと、バレエレッスンの帰りに、とある住宅街にある弦楽器専門店に行って来ました。
見るからに敷居が高いその店構えに、そもそもこの日は自転車にスポーツウェアという出で立ちだったので、一瞬怯んだものの、逆にここまで場違いだったらそれはそれで逆にいいかもと、折り畳んだBromptonを片手に店に入り、チェロのケースを見せてもらいたいのですが、と伝えたのでした。
しばらくして担当の人がどこからかやってきて、こちらへどうぞと通されたのは、普通の家の中みたいな階段を昇った先にある、これまた普通の家の一室みたいなケース部屋でした。そこには750ポンドくらいの重さ2.5kgというど最軽量のものから、2,000ポンド近くするものまで。
担当してくれた女性には、私がチェロの初心者で今後ずっと続けられるかはまだわからないし、今持っているチェロはものすごく安いものなので高級なケースは必要ではないこと、背中に背負って自転車移動も考えていること、を伝えました。
隣にある別館にももう少しケースがあるからということで見せてもらったものの中に、私がオンラインで買うならこれかなと思っていた、Gawaのピュアというモデルもありました。それと同じ価格帯の別のものとで2つを候補に、違いを説明してもらったり、持たせてもらったり、中を見せてもらったり。
何もわからない上にたいした予算もない大人初心者なので、相手にされないのではないかと勝手に思い込んでいたのだけれど、実際はそんなことは全然なくて、むしろチェロの世界へようこそと言うかのように、とても親切に色々教えてくれて、本当のプロフェッショナルは素人にも優しいのね、なんて思いました。
とはいえこの店での値段は、別のオンラインショップ価格の+100ポンド。ここまで差があると私の財力ではさすがにオンライン購入に軍配が上がってしまいます。今日は自転車なので日を改めますと言い訳をすると、じゃ写真撮っていく?とどこまでも親切なお店の人。もしもチェロのアップグレードをする機会ができたら、まずはここに相談しようと思ったのでした。
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