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生活のためじゃない仕事をしたいという夢がお金が余るほどなくても叶っていた

パンデミックのおかげで散々な目にあっていると思っていたのに、夢のまた夢みたいなことが実は叶ってることにふと気付いてしまったのでした。なんか色々すごい。

ロックダウンVer2.0が始まってから、メンタルの調子が安定しています。
まず、ロックダウン決定のニュースを聞いた時に、仕事がまた出来なくなるというダメージよりも、ほっとしている気持ちの方が大きいことに気付きました。「これで仕事をしていない日に罪悪感や自分の力不足を感じずに思う存分休める」「気持ちがしんどいのが私だけじゃなくなる」と思ったのでした。

最初のロックダウン時に言われていたことですが、鬱や不安症に苦しんでいる人たちの気分が少し良くなっているということ。それは、1日中家から出ずにいるのが自分だけではないこと、いつもは自分だけが止まっていたのに、世界が止まったこと、で孤独感が和らいだからだとかいう記事も目にしました。

私は1回目のロックダウン真っ只中よりは解除後に「ちょっとこのままだとマズイかも」とGPに助けを求めて、10月から、GSH(Guided Self-help)という認知行動療法(Cognitive Behavioural Therapy: CBT)をベースとした電話での週1のセッションをNHSのおかげで無料で提供してもらっています。ぶっちゃけこれが始まってから悪化した気がしないでもないのですが、それが好転反応だったのか、ただの偶然なのか、2回目のロックダウン発表からだんだん好転して、仕事がなくても朝にちゃんと着替えるようになったし、日中にベッドの上で過ごす時間もなくなりました。と同時に、数日前に記事にしたように、柄にもなく直接面識のないオンラインコミュニティのセラピスト対象に無料リラクゼーションセッションを提供したりもして。

そのコミュニティは、手技を主にしているセラピストがオンラインでセルフケアに関するカウンセリングと指導をビジネスとしていくためのコース参加者の集まりなので、私の提供したヨガをベースとしたセッションのコンテンツのいくつかは、自身のクライアントへも使えるということで、セッションの後で色々と質問が来て、それに丁寧に答えたりしてました。

それ以外でも、現行で継続してセッションをしているクライアントに、役立ちそうなエクササイズやストレッチ、セルフケアのヒントなどを紹介するメールを送ったり、ということもしていました。

どれもこれも、報酬を一切もらわずにやったことなのですが、とても満たされた気分になりました。普段は時間に余裕もないし、お金にならないことを丁寧に提供するというのは、金銭的にぎりでやっているフリーランサーとしては、時間と金銭面だけでなく、気持ち的にもそんな余裕はないわけです。

でも、今は対面の仕事がほぼ出来ない状況なので、時間はあります。そして、また国からのサポートが出るという発表もありました。収入に応じて支給額が変動する福祉手当もまだ受けられます。それはもちろん普通に働いている時よりもうんと少ない額の支給で、家賃と光熱費を払ったら、食費もうんと切り詰めないとあっという間になくなってしまうけれど、逆に言えば、最低限の生活費は収入がゼロでももらえるということ。だからこそ心置きなく無料でサービスを提供できるのです。

そして気が付きました。ある意味これってずっとこうなりたいと思っていた、理想の形に近いのです。私は自分の仕事がとてもとても好きです。でもビジネス・スキルが絶望的。さらにキャピタリズムにうんざり。だからなかなか稼げるセラピストになれません。そんな中、私の持っているスキルを、お金があるないに関係なく必要な人に提供出来たらどんなに良いだろうと思ってきました。お金のため、生活のためでない働き方ができたらどんなに良いだろうと。それが、意図していたわけでも、急に私がお金持ちになったわけでも宝くじに当たったわけでも資本主義が崩壊したわけでもないのに出来ている。そして、気づけば、心が満たされていて穏やかになっていました。

視点を少し変えてみると見える世界がガラリと変わるというのは、こういうことなのかもしれません。



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