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ここで芝居がしたい~海外でも俳優活動するようになったきっかけ〜

この劇場に立ちたい。
この俳優と一緒に芝居がしたい。
この監督の作品に出たい。

そう思うことがしばしばある。そしてそれらは私の原動力となっている。
この記事では、私がこの劇場に立ちたい。
ここで芝居がしたい。
と思った時のことを書こうと思う。

・The Arts Club Theatre へ


文化庁 新進芸術家海外研修制度 にてカナダに入国し隔離生活を終えてまず先に向かったのは、私の研修先であるThe Arts Club Theatre Company(以下アーツクラブ)

文化庁海外研修制度とは
美術,音楽,舞踊,演劇,映画,舞台美術等,メディア芸術など、芸術分野に関連する仕事をしている人たちが海外の芸術団体や劇場などに行って実践的な研修などをする。それにより日本の未来の文化芸術振興を担う人材を育成することを目的とし、研修等を行う際の渡航費・滞在費を支援する制度である。

この時点ではコロナ禍による州の規制により、劇場、ボックスオフィスなどは全て閉鎖されている。

劇場が閉まっているのはわかっていたが、ここに来るのがまず先だと思った。劇場の前に行き、
よろしくお願いします。と言って
そのまま街をぷらぷらした。
しばらくの間はオンラインで本読みなどに参加。

最初は劇場も閉鎖されていたこともあり、生活の基盤をゆっくりと整えることができた。どこのスーパーが安いかを探したり、新鮮な食材が売っているマーケットに足を運んだりもした。

マーケットで買ったゼンマイ
お浸し

・来シーズン上演作品のワークショップに参加(見学者として)


しばらくすると州の規制が緩和され、劇場での集まりが許可され、翌年度に上演予定の作品創作に向けたワークショップが劇場で行われるとの事で見学させてもらった。
作品ではアニメーションを使用するとの事で、映像と照明、そしてそこに俳優の肉体があった時にどのように見えるのか、いろいろな実験をして良い形を探していくことが今回の目的とのこと。

事前に劇場の方から、
犬アレルギーの人いる?と質問があり、
全員がアレルギーを持っていない。
と答えると、
劇場には犬がいた。連れてきている人もいた。
毎日色んな犬を見た。

日本で私は見たことがなかったので、カナダでは普通なんですか?と聞くと、こっちも場所による。でも、わんちゃんがいるとみんなギスギスしないでいいでしょ。と笑顔で話していたのが印象的だった。劇場スタッフ、キャスト、みんな優しく、休憩の時にYukiご飯行くか。と誘ってくれたりもして嬉しかった。

バンクーバーでラーメンは人気みたいです。

ワークショップには劇場のスポンサーたちが見に来たりしていたが、みんな退屈そうに見ていた。ワークショップと言っても、基本的には同じ映像をなんども流して、そこに音楽と照明を入れ、俳優が立つ。基本的には場当たりのような時間がずっと続いている。俳優も基本的には立っているか、段取りで動くのみ。
そしてその間、劇場はずっと薄暗い。

・来シーズン上演作品のワークショップに参加(俳優として)


そしてしばらくして、次はアニメーションや照明、テクニカルな部分ではなく、戯曲を掘り下げる為のワークショップをするとメールが届いた。最後までメールを読んでみると

I’d like to know if you are available / interested in participating — as an actor this time!!

今回は俳優として参加できるか、興味あるか知りたい。

と連絡をもらった。答えは決まっている。
次は見学者ではない。
そして俳優としての参加が決まった。

私がいただいた役は、主人公の相手役。
真っ直ぐで純粋で、そして日本語アクセントのある英語を話す青年の役。
とても魅力的な役をいただいた。

今回のワークショップの目的は上演に向けて戯曲のブラッシュアップ。
リーディングを行い、その後、作家、演出家などから質問がある。

台本上でわかりにくい部分はあるか?
xxxページのxxxxの部分は理解できたか?
この人物のキャラクター像はどう思うか?
など。

そして俳優からのフィードバックなどを参考に次の日のワークショップでは、
変更された台本が配布され、それを読む。意見交換。それの繰り返し。
朝10時から夕方6時まで。

見学でも学ぶことや刺激もあったが、やはり俳優として参加する事の方がとても楽しい。そして、同じ作品で見学→参加の流れは自分にとってはとても良い流れであった。作品を外から客観的かつ、『演技をする』という負荷がない状態で観察。これはリラックスをして考えることができる。その後、演技をするという負荷を得て、演じ手になった時はまた違った視点から作品を見る、感じることができた。

これらの体験、そしてアーツクラブの人たちとより関わったことにより
私はこの劇場に俳優として立ちたい、ここで芝居がしたい。
と思うようになっていた。こうして私はまた新たな原動力を得たのである。

最後に。
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私は、この企画わたしと演劇とその周辺に参加して初めてその様な機能がある事を知りました。
他にも色々な機能があります。
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私自身、以前からnoteで色々な記事を読んでいましたが、このような機能がある事を全く知りませんでした。もしかしたら読んでくださっている方の中にも同じような方がいるのではと思い、書いてみました。

この企画の目的の一つは
「だれもが創作をはじめ、続けられるようにする」
私もこの企画がこれからも継続し、より広がっていくことを願っています。
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祁答院雄貴の記事はこちらから。https://note.com/beyond_it_all/m/ma8d0b9a1a15c


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