ここで芝居がしたい~海外でも俳優活動するようになったきっかけ〜
・The Arts Club Theatre へ
文化庁 新進芸術家海外研修制度 にてカナダに入国し隔離生活を終えてまず先に向かったのは、私の研修先であるThe Arts Club Theatre Company(以下アーツクラブ)
劇場が閉まっているのはわかっていたが、ここに来るのがまず先だと思った。劇場の前に行き、
よろしくお願いします。と言って
そのまま街をぷらぷらした。
しばらくの間はオンラインで本読みなどに参加。
最初は劇場も閉鎖されていたこともあり、生活の基盤をゆっくりと整えることができた。どこのスーパーが安いかを探したり、新鮮な食材が売っているマーケットに足を運んだりもした。
・来シーズン上演作品のワークショップに参加(見学者として)
しばらくすると州の規制が緩和され、劇場での集まりが許可され、翌年度に上演予定の作品創作に向けたワークショップが劇場で行われるとの事で見学させてもらった。
作品ではアニメーションを使用するとの事で、映像と照明、そしてそこに俳優の肉体があった時にどのように見えるのか、いろいろな実験をして良い形を探していくことが今回の目的とのこと。
事前に劇場の方から、
犬アレルギーの人いる?と質問があり、
全員がアレルギーを持っていない。
と答えると、
劇場には犬がいた。連れてきている人もいた。
毎日色んな犬を見た。
日本で私は見たことがなかったので、カナダでは普通なんですか?と聞くと、こっちも場所による。でも、わんちゃんがいるとみんなギスギスしないでいいでしょ。と笑顔で話していたのが印象的だった。劇場スタッフ、キャスト、みんな優しく、休憩の時にYukiご飯行くか。と誘ってくれたりもして嬉しかった。
ワークショップには劇場のスポンサーたちが見に来たりしていたが、みんな退屈そうに見ていた。ワークショップと言っても、基本的には同じ映像をなんども流して、そこに音楽と照明を入れ、俳優が立つ。基本的には場当たりのような時間がずっと続いている。俳優も基本的には立っているか、段取りで動くのみ。
そしてその間、劇場はずっと薄暗い。
・来シーズン上演作品のワークショップに参加(俳優として)
そしてしばらくして、次はアニメーションや照明、テクニカルな部分ではなく、戯曲を掘り下げる為のワークショップをするとメールが届いた。最後までメールを読んでみると
I’d like to know if you are available / interested in participating — as an actor this time!!
と連絡をもらった。答えは決まっている。
次は見学者ではない。
そして俳優としての参加が決まった。
私がいただいた役は、主人公の相手役。
真っ直ぐで純粋で、そして日本語アクセントのある英語を話す青年の役。
とても魅力的な役をいただいた。
今回のワークショップの目的は上演に向けて戯曲のブラッシュアップ。
リーディングを行い、その後、作家、演出家などから質問がある。
台本上でわかりにくい部分はあるか?
xxxページのxxxxの部分は理解できたか?
この人物のキャラクター像はどう思うか?
など。
そして俳優からのフィードバックなどを参考に次の日のワークショップでは、
変更された台本が配布され、それを読む。意見交換。それの繰り返し。
朝10時から夕方6時まで。
見学でも学ぶことや刺激もあったが、やはり俳優として参加する事の方がとても楽しい。そして、同じ作品で見学→参加の流れは自分にとってはとても良い流れであった。作品を外から客観的かつ、『演技をする』という負荷がない状態で観察。これはリラックスをして考えることができる。その後、演技をするという負荷を得て、演じ手になった時はまた違った視点から作品を見る、感じることができた。
最後に。
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私自身、以前からnoteで色々な記事を読んでいましたが、このような機能がある事を全く知りませんでした。もしかしたら読んでくださっている方の中にも同じような方がいるのではと思い、書いてみました。
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祁答院雄貴の記事はこちらから。https://note.com/beyond_it_all/m/ma8d0b9a1a15c
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