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経済的な価値だけを追い求めない「真のSDGs企業」でありたい。ベター・プレイスが目指す、新たな資本主義。【COO古市・後編】

「ビジネスを通じて、子育て世代と子どもたちが希望を持てる社会をつくる。」という企業理念のもと、現在および将来にわたり、人々が「お金の心配なく」「自分らしく働ける」社会を目指す株式会社ベター・プレイス。医療、保育や介護など、人々の生命と社会生活を支える人たちの資産形成や福利厚生を支援するための「はぐくみ基金」の設立のほか、DXにより企業年金を刷新し、初心者の方でも手軽に老後の資産形成ができるような取り組みを行なっています。

前回に引き続き、ベター・プレイス代表取締役COOを務める古市成樹に話を聞きました。後編は二拠点ワーカーとして働くメリットやベター・プレイスのカルチャー、そしてベター・プレイスが上場を目指す理由について語ってもらいました。

CEO・COO共に、二拠点ワーカー

―古市さんは地方在住で平日は東京で仕事をする、いわゆる二拠点ワーカーですよね。
 
月曜はリモートワークで、火曜から金曜まで東京、そして週末は福井に戻る感じですね。代表の森本自身も福岡在住で、同じような働き方をしています。
 
―今でこそ二拠点ワーカーは増えつつありますが、古市さんが入社した2020年1月はパンデミックの影響もさほどなくて、当時としてはかなり先進的な働き方でしたよね。
 
当時は、テレワークがここまで普及するとは思っていませんでした。
 
ただ僕としては、漠然と東京で子育てするのは嫌だなと思っていて、とはいえ地方にいて刺激的な仕事ができるかといえば選択肢は少ない。いいとこ取りというか、両方を得たいという思いはありました。
 
実際に二拠点ワークはとても快適です。金曜日の夜、小松空港に着いた瞬間からオフモードに入る。気分の切り替えがとても簡単にできます。
 
―古市さんも森本さんも二拠点ワーカーをしていて、ベター・プレイスは働き方に関しても非常に自由度が高い印象があります。
 
そうですね、テレワークは7割くらいでしょうか。
 
そもそも東京に家を持つのは、大変さもあります。それなら地方でいい空気の中、おいしいものを食べて、そして最先端の仕事をしてもらう。そういう働き方がもっと増えてもいいと思います。
 
―なるほど、では社員への支援についてはいかがでしょうか。
 
ベンチャー企業としては、非常に子育て支援が充実しています。子ども手当はひとり15,000円が支給されます。
 
―ひとり15,000円ですか?一般的な子ども手当と比べてかなり充実していますね。
 
家族や子育てを大切にしてほしい、という思いからですね。そもそも企業理念が子育て世代の支援となっているので、まずは自分たちの会社がそうあるべきという考えがベースにあります。



経済的な価値だけを追求しない「真のSDGs企業」でありたい

―前職でも上場をめざしていたということですが、上場について思うことはありますか?

前職でめざしていた上場とは意味が違いますね。

ベター・プレイスが行っている事業はSDGs的な観点から意義があることだと思っています。経済的な価値だけを追い求めていない会社こそ、上場するのに値する企業であるというモデルケースを作りたいのです。

今やいろいろな企業がSDGsと言っていますが、「取ってつけた感」のある企業も多いです。

ベター・プレイスはまさにSDGsが本業となっています。そこは我々も胸を張っていけるところです。いつか「ベター・プレイスくらいから、企業のあり方が変わったよね」と言われるようになりたいですね。

―経済的な価値だけを追求しているのではなく、本業が社会に根ざしているのがベター・プレイスの特徴だとよくわかりました。では、御社で働いている人たちに対して感じることはありますか?

非常にビジョンマッチしているスタッフが多いですね。ベター・プレイスの事業が好きで働いているスタッフばかりです。

―ビジョンマッチしている社員が多いことによるメリットは?

社員教育をしなくていいのでコストがかかりません(笑)。それ以上に、一体感を感じられるのがいいなと思います。

業務に関しても、契約をとることがお客様の幸せに直接結びついていますから、言葉は悪いですが、騙すとか嘘をついてでも顧客を獲得するといった場面がまったくない。なんの矛盾もなく、躊躇なく、営業に関しても指示が出せます。その点はとてもやりやすいですね。

100年後「ベター・プレイスが上場してから日本社会が変わった」と言われたい

―ベター・プレイスはどんなカルチャーを持つ会社でしょうか。

社会貢献への思いは非常に強い会社です。なおかつ、企業としてきちんと売り上げもあげている。それから子育て中のスタッフも多く、仕事に実体験を反映させやすい。プライベートで感じた問題と、仕事を進行する上での問題がリンクしやすい面もあります。

—なるほど。では、どのような人がベター・プレイスに向いていると思われますか?

事業内容として金融の側面があるのでお金が好きということは必要です。お金に関心がなければ、金融の知識も覚えられませんから。

また、ベター・プレイスで働くこと自体が社会勉強になります。総じて、入社するとみんな社会保障や福祉に関して敏感に反応するようになります。

たとえば、日本の財政のうち、実は3割が福祉に使われていることを入社後に知るわけです。そこから日本の社会福祉制度はどうして手厚いのかと学んだり、他の国と何が違うのかと調べたりするようになる。結果として、日本に生まれたことが幸せだとわかるんですが、こうした社会的な学びを得て成長する人材が多いと感じます。

社員の話といえば、ちょっと話はずれますが、今、社内の行動規範を作っているんですよ。

普通、行動規範は経営者が作るものですが、ベター・プレイスでは今、スタッフに考えてもらっています。これがなかなかおもしろくて興味深いのです。

行動規範の1番目には「ソウゾウ者であれ、バンソウ者であれ」とあります。未来の子どもたちの笑顔を想像/創造し、子育て世代と伴走/伴奏しよう、つまり日本の未来や子どもたちのことを思って仕事をしようということですね。

3番目も僕はとても良いと思っていて、「愛を持って胸をはって儲けよう」です。これは二宮尊徳の言葉「道徳なき経済は犯罪であり、経済なき道徳は寝言である」にも通じるものがあります。

どちらかといえば、日本では「ずる賢いやつが稼ぐ」といったイメージがあって、まっとうな人や正義があると儲けられないみたいな価値観がありますが、もはやそういう時代ではありません。いいことをして、利益も得るというベター・プレイスの真髄をスタッフが言葉にしてくれました。

他にもいろいろあるのですが、この2つは特にベター・プレイスの価値観を反映した行動規範になっていると思います。

―社員自らが行動規範を作成するというのが素晴らしいですね。最後になりますが、今後の展望について教えてください。

いま、福祉と医療業界だけで労働従事者は800万人以上いらっしゃいます。「はぐくみ基金」に加入してもらうことはメリットしかありません。だから企業様を通じて、より多くの皆さんに加入して頂きたいと願っています。

それと、ベター・プレイスが今後の資本主義を変えるための旗頭でありたい。そのためにも上場は必要だと考えています。

本当に世の中のために持続可能なことをビジネスとしてやっている会社が、実際に儲かっていて、働いている人も楽しそうであること。それを見て、自分も稼いで社会貢献したいな、と思ってもらえるような会社にしたいですね。

10年、20年、もっとかかるかもしれません。でも100年後に「ベター・プレイスが上場してから日本社会が変わったよね」と言われるような、社会を変えた会社として名が残るようになれたらいいなと、そこを目指していきたいですね。

―なんだかとてもワクワクしてきました。今日は貴重なお話をありがとうございました。


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