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自ら起業した大企業を辞め、「社会的意義」を求めベター・プレイスに参画した話【COO古市・前編】

「ビジネスを通じて、子育て世代と子どもたちが希望を持てる社会をつくる。」という企業理念のもと、現在および将来にわたり、人々が「お金の心配なく」「自分らしく働ける」社会を目指す株式会社ベター・プレイス。医療、保育や介護など、人々の生命と社会生活を支える人たちの資産形成や福利厚生を支援するための「はぐくみ基金」の設立のほか、DXにより企業年金を刷新し、初心者の方でも手軽に老後の資産形成ができるような取り組みを行なっています。

今回はベター・プレイス代表取締役COOを務める古市成樹に話を聞きました。自ら起業し、グループ連結売り上げ355億円、スタッフ数550名に組織拡大するまで成長させた企業を辞めてまで、なぜベター・プレイスへの参画を決めたのか。「世の中の役に立つ仕事がしたい」と考えるようになった過程とは。かつては縁がなかった福祉業界に携わり見えてきた、旧来自分がいたビジネス環境との違いも熱く語ってもらいました。

独立・起業を経て、「社会的意義のある仕事」を求めベター・プレイスへ

—ベター・プレイスCOOに就任する前の経歴を教えていただけますか?

もともとは通信業界で働いていました。営業が得意だったので、独立したらもっと稼げるかもしれないという単純な考えで、もうひとりのパートナーと共同創業し、副社長および管理側の本部長を14年ほど務め、その事業を350億円規模まで成長させたのち、ベター・プレイスに参画しました。
 
—14年間はかなり長い期間ですが印象に残っていることはありますか?
 
ふたりとも起業経験は初めてで、最初は営業しかできなかった。お金の工面から人材の採用、マネジメントなど、経営にまつわる全てが日々手探りでした。従業員は4人いたのですが1年目の売上は800万。1年間役員報酬は取れず、眠れない日が続きました。
 
—ふたりでやればもっと稼げると思って独立してみたら、目論見とは違った感じですか?
 
当初思い描いていたようには売上が上がりませんでした。訪問営業をしていたのですが手詰まり感があったので、インターネットでの集客に乗り出しました。
 
そうすると、会社が一気に成長して、6年目には売上100億を突破。インターネット上ではナンバー1の代理店になって、それからは実質8年連続トップを維持。ふたりで立ち上げた会社がどんどん大きくなり、戦略を打てば打つほど売上が上がっていく、ゲームみたいな面白さがありましたね。
 
—ゲーム感覚と言うと中毒性みたいなところもありそうですが、もうこれくらいでいいなと思ったきっかけはあったのでしょうか?
 
売上が100億を突破した頃から会社の上場を考え始めました。ただそこから業界の力関係に苦しむようになりました。NTTにしろソフトバンクにしろ、ブロードバンドの普及率が高まってくれば代理店の手数料も下がってくる。結局、自社サービスがないと安定した収益確保は難しいわけです。
 
しかし自社サービスの開発ともなると、開発費も広告宣伝費も桁違いの大手と競うのはほぼ不可能です。ゲーム性の限界を感じました。
 
それに、乗り換えたら何か貰えるとかキャッシュバック等で集客するような営業ばかりで面白さを感じなくなった。それこそ、「社会的意義」を感じなくなったんです。
 
その頃、結婚して子どもが生まれました。さらに父親がアルツハイマーを患ったこともあり、介護や保育の世界を目の当たりにするようになった。これがひとつの転換期でした。
 
—事業に関する違和感に加えて、プライベートでも色々と変化がおありだったのですね。
 
保育や介護といった福祉業界は、当時、僕が携わっていた事業とは真逆の世界です。
 
介護業界は決して給与水準は高くないですが、厳しい環境の中で、家族にもできないような温かみのある介護をしてくださる。
 
親身になって父の世話をしてくださる姿を見ているうちに、もっと世の中の役に立つことがしたいと真剣に考えるようになりました。
 
そんな時に森本から今の仕事の誘いを受けました。「はぐくみ基金」の話を聞いて、社会貢献性も高く、価値がある仕事だと思い参画を決断しました。

事業そのものが社会貢献につながる「はぐくみ基金」のビジネスモデル

—ベター・プレイスでの古市さんの役割について教えて下さい。
 
代表取締役COOとして、予算を作成し業務が迅速・適切に執行されているかを見ています。バックオフィスの運営を行いつつ、社長の森本と一緒に戦略を練る役割も担っています。具体的には、森本が長期的な戦略を、僕が短期的な戦略をたてています。
 
—プライベートの変化から、ベター・プレイスの事業に思いがあって入られたわけですが、実際に入られてどのように感じましたか?
 
ベター・プレイスの仕事は「はぐくみ基金」の会員数を増やすこと自体が、ダイレクトに社会貢献になり、売り上げもあげることができる。
 
前の仕事では、本来はこのお客様には違うサービスを紹介したいと思っても、自身の思いを押さえて自社サービスを販売しなくてはならないことがありました。今では、そういう葛藤がありません。契約をとればとるほど、幸せな人が増えるのですから、なんの迷いもなく、加入者を増やすことに邁進できます。
 
—事業そのものがダイレクトに社会貢献になるビジネスというのは、素晴らしいですね。
 
はい。エッセンシャルワーカーの公的な退職金がなくなっている今、「はぐくみ基金」はその受け皿になれます。さらに、老後の資産形成、日々の生活費の捻出にも役立てることができます。
 
—古市さんはご自身も経営者でしたが、福祉業界の経営となるとかなり感覚が違いますか?
 
僕はコストを投下して回収する、という経営をしてきました。でも、福祉業界は、経済的な合理性の追求だけでは説明できません。
 
たとえば赤字であっても世の中に必要だからと、自腹を切って保育園を運営している経営者も少なからずいます。
 
経営者としては、雇用を増やして、たくさん稼いで納税の義務を果たすことが当たり前だと思っていました。しかし、経済的合理性だけではない部分も、非常に大切にしている。それが福祉の世界です。
 
今は、そういう方々の思いをサポートしたい、そのためのツールとして「はぐくみ基金」を活用していただきたいと思っています。
 

金融リテラシーの有無に関わらず、多くの人に世界経済成長の恩恵を


—思いとお金の両立は個人の生活でもビジネスでも大切かと思うのですが、古市さんはどのようにお考えでしょうか?

SDGsが叫ばれている中で、ビジネスの価値観がかなり変わってきています。経済的合理性や利便性だけを追求していると、地球が持たない。この価値観は5年くらいで急激に高まり、劇的に変わりました。

僕自身、心のどこかで、経済的合理性だけを追求するのではない、こういう事業をしたかったんだとベター・プレイスに入ってより一層思うようになりました。

―「はぐくみ基金」以外の事業についても少しお伺いしたいと思います。

「はぐくみ基金」は福祉業界に徹底的に寄り添った制度です。世の中のエッセンシャルワーカーは福祉業界だけではないので、その方々のニーズを満たすために企業型DC(企業型確定拠出年金、以下DC)事業を両輪で回しています 

世界的な経済成長の恩恵を受けられる人は金融リテラシーの高い一部の人のみという傾向があります。しかし金融リテラシーのあるないに関わらず、世界的な経済の恩恵を受けられる仕組みが必要であり、その一つの解決策がベター・プレイスのDC/DB(確定給付企業年金)です。

難しく考えなくても利用できるようなシステム作りをしていますから、ぜひ多くの企業に活用して頂き、世界経済の恩恵を受けられる人を増やしていきたいですね。

後編:
経済的な価値だけを追い求めない「真のSDGs企業」でありたい。ベター・プレイスが目指す、新たな資本主義。【COO古市・後編】
https://note.com/betterplace/n/ne55797274547

 


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