『塗られた本』松本清張著の読後感【読書日記】
『塗られた本』(ぬられたほん)は、松本清張の長編小説。『婦人倶楽部』(1962年1月号 - 1963年5月号)に連載され、1984年5月に講談社ノベルスから刊行された。後に電子書籍版も発売されている。 出典元:フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
「塗られた本」は読みごたえがあり、気恥ずかしくなるほど、ロマンチックな気分に浸ることができる小説でした。しっかりした構成で描かれた小説を読んでいると、頭の中に物語が映像として浮かんできて、それが鮮明な印象を与え、面白く感じられるのですね。
「小さな出版社ですって?」 「うん」 「忙しいのに、よくそんなことがお出来になりますわね?」 「僕の道楽だな。少しは変わったところから出してみたいという気持ちもあったんだ」 「ああ、分かった」と、房子は大きくうなずいた。~省略 「大きな出版社だと宣伝も派手にやってくれるし、売り方も強いけれど、小さな出版社だって先生の小説は売れるということを、ご自分で実験なさるんじゃないですか?」 「よく知っているね」 青沼は笑った。
文中で印象に残った台詞を引用したいと思います。(「塗られた本」240ページ: 一部引用)
本の洪水の中で良書の選択はますます難しくなり、出版社の無理な点数ぞろえのために相対的に本の質が低下して、悪書が良書を駆逐するという悪循環が生じている。国産推理小説の新刊判戦争において、この傾向はいっそう著しいようである。
解説文の引用です。(「塗られた本」371ページ: 一部引用)
「塗られた本」は、おススメの一冊です。
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