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日本人にも人気な、IPAの種類とレシピをアメリカの有名なクラフトビール醸造所バラスポイントから紐解く①

近年、クラフトビールの醸造所が増加し、500を超える醸造所で今日もビールが造られている。そんな中でも人気が高いのは「IPA」と呼ばれるスタイルである。しかし一口にIPAと言ってもその種類やレシピは多岐にわたる。
そこで今回は酒税の申請を半日から30分まで減らす実績があり、50社以上と取引をしている醸造所の管理システムを作っているBest Beer Japanがアメリカはサンディエゴにあり、日本でも人気が高いBallast Point Breweryがホームブリュー用に公開しているレシピをもとに、その種類を紐解いていきたい。
今回参考にした元のレシピは以下URLから参照可能
https://ballastpoint.com/beer-recipes/

全3回に分けて15種類のIPAを紹介しているため
これから立ち上げを考えている新規醸造所の方やすでに醸造している方々まで、IPAに興味のある方はぜひ参考にしていただきたい。

⑥~⑩のIPAはこちら
⑪~⑮のIPAはこちら




1.Ballast Point Breweryについて

バラスト ポイント ブリュワリー(Ballast Point Brewery)は、ジャック ホワイト(Jack White)が、大学のルームメートのピート アハーン(Pete A’Hearn)と共に自分の好みの自家製ビールを作ろうとしたことから始まった。自分の好みのビールを作るにあたって、ジャックが望む材料や機材を入手しにくい事から、1992年に材料や機材を販売するホーム ブリュー マートをオープンさせた。
そして彼らは、アワードの受賞歴のあるユセフ チェーニー(Yuseff Cherney)と出会い、1996年にホーム ブリュー マートのバックルームでビール醸造を開始し、バラスト ポイント ブリューイングを創業した。
2004年、スクリップス ランチ(Scripps Ranch)に大きなブリュワリーを建設して醸造の拠点を移した。ホーム ブリュー マートはテイスティングルームとして残した。
2013年9月、サンディエゴのダウンタウン リトルイタリー地区にブリュワリー、テイスティングルーム、レストランを併設する店舗をオープン。ここでは「ラボ」として新たなるビールの開発を行っている。
バラスト ポイント ブリュワリーは需要拡大に対応するため、2014年にミラマーに107,000平方フィートの敷地にテイスティングバーとレストランを併設したブリュワリーを建設した。ミラマーのブリュワリーでは、見学ツアーが毎日行われている。
最近では日本の酒販店にも陳列されるようになり、その味にはかなり定評がある。

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2.15種類のIPAレシピ(①~⑤)

①アメリカンIPA
▼ファーメンテーブル(発酵性物質)
• 10 lb US ペール 2 row
• 1 lb ボンランダー ミュンヘン 10L
• 1 lb ホワイトウィートモルト
• 0.75 lb カラバイン

▼ホップ
• 60分後:1.25 oz マグナム (11% α酸)
• 30分後: 0.25 oz マグナム (11% α酸)
• 15分後: 0.5 oz マグナム (11% α酸)
• フレームアウト: 2 oz センテニアル (8.8% α酸)
         2 oz チヌーク (11.2% α酸)
•ドライホップ:6 oz モザイク (11.5% α酸)

▼酵母
• WLP 001: カリフォルニアエールイースト
└最適な発酵温度: 68-70F(20℃~21.8℃)

▼添加剤 (任意)
• 清澄剤:アイリッシュモス 小さじ1、またはWhirlfloc 1錠
• イースト栄養剤:White Labs 小さじ½ (1ガロンにつきビオチン 小さじ½)

▼目標数値
初期比重: 1.066
最終比重: 1.012
ABV: 7.1%
IBUs: 63

▼BJCP(Beer Judge Certification Program)に則ったスタイルガイドライン:
初期比重: 1.056 – 1.070 SG
最終比重: 1.008 – 1.014 SG
苦味  : 40 – 70 IBUs
ABV  : 5.5 – 7.5%

■全体的な印象:明らかなホップの香りと苦味のある、適度な強さのアメリカンペールエールで、現代のアメリカまたは南北米大陸のホップ種の個性が生かされています。バランスとしてはホップが強調されており、クリーンな発酵特性とややドライな後味をもち、クリーンなモルト投入によりホップの特性がクリエイティブな方法でうまく生かされています。


②ダブル IPA
▼ファーメンテーブル(発酵性物質)
• 15 lb US ペール 2-row
• 1 lb カラピルス
• 0.75 lb クリスタル 10L
• 0.75 lb クリスタル 20L

▼ホップ
•60分後: 1.5 oz ウォーリアー (14.7% α酸)
    1 oz シムコー (12.9% α酸)
• 15分後: 0.75 oz シムコー (12.9% α酸)
     0.75 oz アマリロ (8.2% α酸)
• フレームアウト: 0.75 oz アマリロ (8.2% α酸)
           0.25 oz シムコー (12.9% α酸)
• ドライホップ: 2 oz カスケード (5.7% α酸)
          2 oz クリスタル (4.7% α酸)


▼酵母
• 2 バイアル WLP 001:カリフォルニアエールイースト
最適発酵温度:華氏68-70度

▼添加剤 (任意)
• 清澄剤:アイリッシュモス 小さじ1杯、またはWhirlfloc 1錠
• イースト栄養剤:White Labs 小さじ ½杯 (1ガロン当たりビオチン 小さじ ½杯)

▼目標数値
初期比重:1.088
最終比重:1.017
推定アルコール度数:9.5%
IBUs(国際苦味単位): 109

▼BJCP(Beer Judge Certification Program)に則ったスタイルガイドライン
初期比重: 1.065 – 1.085 SG
最終比重: 1.008 – 1.018 SG
苦味::60 – 120 IBUs
アルコール度数:7.5 – 10%

■全体的印象:強いホップの風味でかなり強いペールエール。アメリカのバーレーワインの強く、濃くて複雑なモルト感や甘さとボディはありません。ホップの風味が強いけれど、クリーンで、ドライできつさはありません。 飲みやすさは大切な特徴です。; 重くて、すすりながら飲むようなビールであってはならないのです。


※注記
ダブル IPAのような高比重のビールは、発酵過程中ずっとイーストの働きを持続させながら良い状態を保つために、高いピッチレート、酸素供給、イースト栄養剤が一段と必要になる。

③ジンジャーIPA
▼ファーメンテーブル(発酵性物質)
• 11 lb US ペール 2 row
• 0.5 lb カラピルス
• 0.5 lb クリスタル 40L


▼ホップ
• 60分後:2 oz スーパーガレナ(13% α酸)
• 15分後:0.5 oz センテニアル(8.8% α酸)
     0.5 oz チヌーク(11.2% α酸)
• フレームアウト:1.5 oz センテニアル(8.8% α酸)
         0.5 oz チヌーク (11.2% α酸)
• ドライホップ:2 oz センテニアル(8.8% α酸)
        1.5 oz チヌーク(11.2% α酸)


▼酵母
• WLP 001:カリフォルニアエールイースト
最適発酵温度:華氏68-70度

▼添加剤 (任意)
• 新鮮なショウガの根1個(4オンス)ダイスカット
• 清澄剤:アイリッシュモス 小さじ1杯、またはWhirlfloc 1錠
• イースト栄養剤:White Labs 小さじ ½杯 (1ガロン当たりビオチン 小さじ ½杯)

▼目標数値
初期比重:1.068
最終比重:1.013
推定アルコール度数:7.3%
IBUs(国際苦味単位): 52

▼BJCP(Beer Judge Certification Program)に則ったスタイルガイドライン
初期比重: 1.056 – 1.070 SG
最終比重: 1.008 – 1.014 SG
苦味::40 – 70 IBUs
アルコール度数:5.5 – 7.5%

■全体的印象:明らかなホップの香りと苦味のある、適度な強さのアメリカンペールエールで、現代のアメリカまたは南北米大陸のホップ種の個性が生かされています。バランスとしてはホップが強調されており、クリーンな発酵特性とややドライな後味をもち、クリーンなモルト投入によりホップの特性がクリエイティブな方法でうまく生かされています。


④HBM IPA
▼ファーメンテーブル(発酵性物質)
• 12 lb US ペール 2 row
• 1 lb クリスタル 20L
• 0.5 lb カラピルス


▼スティーピンググレイン
• 0.5 lb クリスタル 10L
• 0.25 lb カラピルス 20L

▼ホップ
• 60 分後: 1 oz スーパーガレナ (13% α酸)
• 15 分後: 0.5 oz カスケード (5.7% α酸)
      0.5 oz チヌーク (11.2% α酸)
• フレームアウト: 0.5 oz カスケード (5.7% α酸)
         0.5 oz チヌーク (11.2% α酸)
• ドライホップ: 2 oz カスケード (5.7% α酸)
        2 oz チヌーク (11.2% α酸)


▼酵母
• 2 バイアル WLP 001:カリフォルニアエールイースト
最適発酵温度:華氏68-70度

▼添加剤 (任意)
• 清澄剤:アイリッシュモス 小さじ1杯、またはWhirlfloc 1錠
• イースト栄養剤:White Labs 小さじ ½杯 (1ガロン当たりビオチン 小さじ ½杯)

▼目標数値
初期比重:1.068
最終比重:1.013
推定アルコール度数:7.3%
IBUs(国際苦味単位): 52

▼BJCP(Beer Judge Certification Program)に則ったスタイルガイドライン
初期比重: 1.056 – 1.070 SG
最終比重: 1.008 – 1.014x SG
苦味::40 – 70 IBUs
アルコール度数:5.5 – 7.5%

■全体的印象:明らかなホップの香りと苦味のある、適度な強さのアメリカンペールエールで、現代のアメリカまたは南北米大陸のホップ種の個性が生かされています。バランスとしてはホップが強調されており、クリーンな発酵特性とややドライな後味をもち、クリーンなモルト投入によりホップの特性がクリエイティブな方法でうまく生かされています。

⑤ベルジャンスタイルダブルIPA
▼ファーメンテーブル(発酵性物質)
• 12 lb US ペール 2 row
• 1.5 lb フレーク状ウィート (粉砕しない)
• 1 lb ボンランダーミュンヘン 10L
• 0.75 lb クリスタル 20L
• 0.5 lb ハニーモルト
• 0.12 lb (2 oz) 酸味を付けたモルト
• 10 oz ベルジャンキャンディシュガー (0-5L) (フレームアウト時に投入)


▼ホップ
• マッシュ時: 0.70 oz マウントフッド (5% α酸)
• 60 分後: 1. 5 oz スーパーガレナ (13% α酸)
      1 oz ナゲット (16% α酸)
• 30 分後: 0.5 oz チヌーク (11.2% α酸)
• フレームアウト: 0.5 oz ウィラメット (5.9% α酸)
• ドライホップ: 3.8 oz クリスタル (4.7%α酸)
        2 oz エルドラド (14.5% α酸)
       1.5 oz ウィラメット (5.9% α酸)


▼酵母
• 2 バイアル WLP 550:ベルジャンエールイースト
最適発酵温度:華氏62-68度

▼添加剤 (任意)
• 清澄剤:アイリッシュモス 小さじ1杯、またはWhirlfloc 1錠
• イースト栄養剤:White Labs 小さじ ½杯 (1ガロン当たりビオチン 小さじ ½杯)

▼目標数値
初期比重:1.086
最終比重:1.016
推定アルコール度数:9.0%
IBUs(国際苦味単位): 107

▼BJCP(Beer Judge Certification Program)に則ったスタイルガイドライン
初期比重: 1.065 – 1.085 SG
最終比重: 1.008 – 1.018 SG
苦味::60 – 120 IBUs
アルコール度数:7.5 – 10%

■全体的印象:強いホップの風味でかなり強いペールエール。アメリカのバーレーワインの強く、濃くて複雑なモルト感や甘さとボディはありません。ホップの風味が強いけれど、クリーンで、ドライできつさはありません。 飲みやすさは大切な特徴です。; 重くて、すすりながら飲むようなビールであってはならないのです。


3.Best Beer Japan 株式会社について

Best Beer Japan株式会社は
バックオフィス業務を自動化できる醸造所管理システム
新しい販路に繋がるクラフトビールECプラットフォーム
物流コストを半分にできる樽シェアリングサービス
を運営しております。
また、100社以上の醸造所と取引があり、酒税の申請を半日から30分まで減らす実績があります。
ご興味がある場合は下記からデモのスケジュール調整ができます。
https://www.bestbeerjapan.com/#contact_anchorできます。
スケジュール調整表

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