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一度ついた評価や評判はすぐに下がる。一気に下がる。そして戻らない。

ゴールデンウィークが終わった。今年はアフターコロナの時勢もあって観光地や繁華街はとんでもない混みようだったらしい。我が家は家でのんびり過ごした。久しぶりにテレビをしっかり見る日々を過ごしていたのだが昔は毎週金曜から日曜まで夜9時から映画をやっていた。

個人的に欠かさず見ていたのが007シリーズ。そう、イギリスの超絶モテスパイ男ジェームズ・ボンドの映画だ。にやけながら女性を手あたり次第抱いて世界を救う物語に興奮していた。チャンネル構わずしょっちゅう放送していた気がする。

これぞ色男と呼ばずして誰を色男と呼ぼうか。

僕の中でボンドと言えばピアーズ・ブロスナン。今の(といっても最新作で引退したが)ダニエル・クレイグのひとつ前の役者で5代目のボンド役だ。渋さと甘さの共存したかなり高級なお顔でボンドのステレオタイプよろしくとにかくモテるしめっぽう強い。最高だ。令和にはもう絶滅したような平成のどこかにあったひとつの理想的な男性像がそこにある。

ちなみにダニエル・クレイグはちまちま悩んだりくよくよしたりするので好きじゃない。ボンドにセンチメントな感情なんていらないし、しかめっ面は似合わない。それでも『スカイフォール』は傑作で面白いんだけど。

ゴールデンウィークに何もすることがない人間がすること。アマゾンプライムとNetflixを手当たり次第右に左に見るでもなしにザッピングすること。もはや暇な人間の本能に染み付いてしまったのではないか。そしてアマゾンプライムで見つけたのが『ザ・ミスフィッツ』。主演はピアーズ・ブロスナン。役柄こそ違えどどことなくボンドと同じようなキャラつけがしていそうだ。アマプラの星つけも悪くなさそうだ。これはポテチを食べながらぬるい休日の午後を過ごすにはもってこいの映画ではないか。

若干このポスターも007的なニュアンスが見え隠れしている。

これがどうにも退屈な映画だった。ここまでつまらない映画は中々ないのではないか。内容はwikiからママ転すると「悪党だけを標的にする義賊的犯罪集団「ミスフィッツ」による、テロ組織の資金源強奪計画」なのだけど集団から計画から実行までよくわからないまま進む。モチベーションがわからない登場人物たちのダラダラした緊張感のない会話がひたすら続く。僕が書くよりずっと詳細なネタバレ記事があるので、是非とも一読して欲しい。何なら映画を読まずこの記事を読むだけでも面白い。

https://note.com/maro4716/n/nbfaf7948d878

https://eiga.com/movie/96137/review/02721341/

https://www.niwaka-movie.com/archives/15094

一度ついたイメージって難しい。良い意味でも悪い意味でも。何かの拍子で印象が悪くなると一気に評価が悪くなってしまう。同窓会で久しぶりに好きだった人と再会したらものの見事に中年になっていた・・的なことか。ピアーズ・ブロスナンの印象が一気に悪くなってしまった。もはや彼はボンドではなくリチャード・ペイス(ミスフィッツ内の役名)を演じた俳優として記憶に残ってしまう。

思えば、僕も前の勤め先がなまじ大きい会社だったため辞めたというと急に対応が変えてくる人がいる。中には僕がその会社を首になったと言ってくる人もいて閉口する。彼ら・彼女たちの中で僕の存在は「=会社名」でそれがなくなった今、評価がストップ安になったということなのだろう。仕方ないことなので責める気はさらさらない。大企業から何の実績もない会社に身を置くとここまで差があるのかと良い社会勉強をさせてもらっている。それだけに変わらずに付き合ってくれる仕事関係の人たちには感謝しかない。

ピアーズ・ブロスナン出演作で一番好きなのは『ゴールデンアイ』。この作品に出てくる悪役男女2人がハリウッド版『聖闘士星矢 The Beginning』に同時に出演している。ショーン・ビーンとファムケ・ヤンセン、奇跡の再共演。見ようかなと思って評判を調べてみたら・・どうやら見るのはやめたほうがよさそうだ。