見出し画像

山登先生が言っていること

 東田直樹さんと交流が深く、共著も出版している精神科医の山登敬之先生という方がいらっしゃいます。下記リンク先のPDFは、その山登先生の講演の文章です。

喋れなくても言葉はある,わからなくても心はある
―自閉症当事者とのコミュニケーション―

 東田さんの講演や山登先生によるインタビューが医学会総会で(東田さんが登壇を断ったために)中止となり、それに至るまでの理事会の行動を批判する内容となっています。(経緯がちょっとややこしい)

 私が読んだ限り、山登先生の主張の中心は、

・見れば本当だと分かるから本当だ。
・みんなも本当だと言っている。
・だから批判してはいけない。

 というものであるように見えます。

 これは非常によろしくありません。

 クレバー・ハンスハリー・フーディーニの例から学べるように、実際に見た『みんな』が「間違いなく本当だ」と言ったとしても、みんながそろって間違っていることだってよくあるのです。

 FCには、それが意識的にせよ無意識にせよ「トリック」があり、そのトリックは目には見えません

 山登先生は精神科医ではありますが、こういった知識はお持ちではないのでしょう。

 そして、前々回にも書きましたが、東田さんが検証を受けないというのは非常におかしなことです。どう考えても検証で証明された方が、他の自閉症者の利益になるからです。

 山登先生が検証を受けることを東田さんに勧めないのも、同じ理由から非常に不可思議なことに思います。

 さらにPDF文書の中には次のような一文があります。

東田氏はこれを見て登壇を断ってきたのだが,その本意は確認できていない。

 どうして確認できないのでしょうか。

 怒っていて口もききたくないから? それなら怒っていることだけでも山登先生には伝えられそうなものです。そもそもなぜ登壇を断ったのか? 事務局はプログラムを中止しないと決定したのですから、断らずに登壇することもできたはずです。

 なぜ断ったのか。なぜ沈黙するのか。

 私は単純に、トリックがバレるのを危惧したからだと考えます。

 前知識を持たずに見た場合には「わあ、凄い!」と思うだけのものも、「怪しいところがあるらしいぞ」と思って見ると、隠されたものが見えてしまう場合もあります。手品がまさにそれです。(まぁプロの方がやる手品は、疑って見ていてもほとんど分からないですが……)

 山登先生は東田直樹さんのためにも、彼を取り巻く環境の不自然さに気づいてあげてほしいものです。

 ……続きはまた。