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映画館で見る映画の凄み〜風の谷のナウシカを映画館で観てきました〜

私は1985年生まれだ。そしてナウシカは1984年公開。

小さい時から金曜ロードショーで何度も何度も観てきた映画。大人になって自分が生まれるよりも前に公開されていたことを知り驚いた。舞台が現代ではないこともあるが、古いと感じたことが一度もなかった。

先日のニュースでTOHOシネマズでジブリの4作品が上映されると聞き、絶対に見に行こうと思った。

もののけ姫は小学生の頃に、両親に連れて行ってもらって劇場で見たのを覚えている。それ以降のジブリ作品は基本的に全部劇場に足を運んでいる気がする。何度も見ているが、金曜ロードショーで放送されるたびに見ている。飽きるくらい見ているはずだ。でも飽きない。何度でも見たいと思う。不思議だ。

見るたびにどの作品でもハッとする発見がある。トトロでは雨のバス停で雨の中で父を待つサツキとメイの横で黒い傘を刺すトトロの耳が、傘を少し押し上げている。可愛い。ラピュタなら、ドーラの船に乗っているときに、雲に虹が写っている様子。そんな些細な表現がたくさん描かれている。子供の頃には気付けなかったことが大人になって気付けるようになること。もしかしたら、もう私では気付けない、子供にしかわからない仕掛けもあるかもしれない。

先日、ナウシカを見てきた。何度も見ているが、大きなスクリーンで見るのは初めてだ。初めてだし、そんなチャンスは来ないと思っていた。それが、ジブリとTOHOのお陰でこんなチャンスを得ることができた。すごく嬉しい。

19時スタートのTOHO梅田。一つおきに設定された席はほとんど埋まっていた。前から3列目の1番壁際の席に座り上映開始を待つ。

新しい映画の予告に続き、青い画面にトトロのイラストが映し出される。始まるのだ。

何度も何度も見た映画で全部知っているはずなのに、それでもドキドキした。約2時間が本当にあっという間だった。いつだってナウシカとユパ様はかっこいいし、風の谷の人々は愛しい。トルメキアは心底、何言ってんだコイツら、と思うくらい無茶苦茶な言い分で腹が立つし、ペジテの男達にも何やってんだコイツら、って思う。私もこの世界に生きていたら絶対に風の谷が良い。

しかし、虫に襲われて燃えてしまったペジテはどんな街なんだろうと考える。アステルが最期にナウシカに荷物を燃やしてと伝える位には世界のことを知っていた。クシャナですら自由にできないトルメキアの国政が気になる。

セリフを覚えているから知っているはずなのに、観ながらこんなにも荒廃していただろうかと思うシーンがいくつもあった。その中でも1番グッと来たのは序盤で、トルメキアの船が風の谷に堕ちるシーン。

船の中のラステルがナウシカに向かって何かを伝えているシーン。すれ違う瞬間に、BGMが途絶え、一瞬だが無音になる。本当に一瞬のその音のない瞬間に、物語に完全に取り込まった気がした。あのシーンだってテレビで何度も見ている。あの演出だって知っている。それでも、あの無音を感じる臨場感は、劇場で観れたからこそだと思えた。

ジブリ、というか宮崎駿さんの作品はセリフで物語を進めていくのが本当にうまい。ナウシカは優しく上品だが、城おじであるミト達に指示を出す時は的確で強い。言いたい。私もナウシカのセリフ言いたい。まぁ、それはいいとして本当に余計な説明や物語を進めるためだけのシーンがないんだなと感じる。テトの名付けシーンとかありそうだけどない。ユパ様から譲り受けて、きづいたら名前がついていて、自然とこのキツネリスはテトという名前なんだと入ってきている。

ラピュタでも同様にセリフのうまさを感じたシーンがある。序盤でパズーが発する「ぼくの頭は親方のゲンコツより固い」「親方のとこのチビのマッジが」というセリフ。最初に親方は出てきていたが、この2つのセリフで、パズーとシータがドーラ一家から親方の家に逃げ込んだときに、細かい説明されていないのにスッと入ってくる。大人になって宮崎駿さんのアニメがすごいと感じるようになったのはこういう細かい物語運びだ。ストーリーが素敵なのは言うまでもないが、それを滞りなく進める力がすごいのだ。勿論、それ以外にも有名なドーラの「40秒で支度しな」というセリフのように言い回しがとにかく心に残るものもたくさんある。それでも、なんでもないようなちょっとしたセリフが本当に感動的だ。

今回、何となく1番笑いそうになってしまったセリフがある。ナウシカがクシャナ達トルメキアの人質になってペジテに向かう飛行中にアスベルに襲撃されるシーン。あまりに呆気なく落とされるトルメキアの船を見て「いや、どんな船…」と思った瞬間、画面の中でミトが言った。「なんて脆い船じゃ!!!」細かい言い回しは間違っているかもしれないが、確実に言った。私が言いたいことを言ってくれた。ナウシカの世界の人でも船が脆過ぎると」思うんだな。ちなみにミトの声は今はなき声優の永井一郎さんだ。先代の波平さん(サザエさんのね)だ。懐かしくて震えるくらい嬉しい。

私の周りにはちょこちょことナウシカを最初から最後まできちんと見たことないという人がいる。そんな話を聞くたびに、今までたくさんチャンスはあっただろうに…!と悔しくなる。まぁそれは個人の好みの違いだから仕方ないのもわかる(私だってサッカーを最初から最後まできちんと見たことがない)。そんな方こそ、是非このチャンスに劇場でナウシカを見て欲しい。映画館で初めて見るナウシカはきっと衝撃だと思う。

また後日書くが、もののけ姫も見てきた。こちらも、大きなスクリーンで見て良かったと心から思う作品でした。

こんなにマジメに書いた記事の最後に、なんでもないユパ様ごっこの記事を是非、ご覧ください。

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