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台湾新発見 第1回:台湾人は何語を話しているの?

小飛

こんにちは!台湾人の小飛です。
台湾人が何語を話しているか知っていますか?
「台湾だから台湾語でしょ?」と思ったあなた!
間違ってはいないけど、正解とも言えません。

そこで今回は『台湾で話されている言葉』を紹介したいと思います。
台湾人の話す言葉について深く理解できますよ!

台湾で話されている言葉

 実は、台湾で話されている言葉はひとつだけではありません。現在、台湾で使われる言葉は次のようなものがあります。

・國語(台湾華語、台湾中国語)
・台語(台湾閩南語)
・客家語
・原住民族語
・台湾に定着した日本語
・台湾國語

 それぞれの言葉の違いについて紹介していきますね。

▶國語[グォユゥ](台湾華語、台湾中国語)

 現在、台湾の標準語となっている言葉で、最も話者の多い言葉です。日本では”台湾華語”や”台湾中国語”と呼ばれていますね。
 「國語」が台湾の標準語として使用され始めたのは第二次世界大戦以降です。比較的最近のことですが、TV放送や学校教育で使用されているため、ほぼすべての台湾人が理解できます。
 「國語」と中国大陸で話されている中国語の間には、次にあげるような、若干の違いがあります。

・字体:   繁体字↔簡体字
・発音記号: 注音↔拼音
・発声:   台湾腔(台湾訛り)

 しかし、台湾“中国語”と呼ばれているように、基本的には中国大陸で話されている中国語と同じなので、中国人にも通じますよ。

▶台語[タイユゥ]

 400年ほど前に中国の福建省南部(閩南)から台湾に移住してきた人々がもたらした言葉で、”台湾閩南語”とも言われています。日本では「台湾語」と呼ばれることが多いですね。
 長い間にわたり台湾で話されてきましたが、「國語」が標準語になった影響もあり、特に台北など台湾北部の若者は「台語」を話せない人も多くなりました。現在は主に台湾中部以南で話されています。
 ちなみに、私は台湾南部の出身なので、家族や友人との会話には「台語」を使って話をしていますよ。

▶客家語[カァジャーユゥ]

 客家人の話す言葉です。彼らもまた中国大陸から台湾に移住してきた人たちであり、客家料理や客家花布で知られています
 「客家語」を話す人は「國語」や「台語」を話す人に比べて多くはありません。

 ですが、台湾の地下鉄では「國語」、「台語」に続いて「客家語」でアナウンスされています。

▶原住民族語[ユェンズゥミンズゥユゥ]

 中国大陸から人が移ってくる以前から、多くの民族が台湾の山間部で暮らしていました。
 現在、阿美(アミ)族や排灣(パイワン)族など、16の民族が政府によって認められており、それぞれ話す言葉も違います。
 原住民族によって話される言葉を総称して”原住民族語”と呼んでいます。

台湾における台湾語とは

 「台語」、「客家語」、「原住民族語」の3つは「國語」が標準語になる前から台湾で話されていました。
 日本では「台語」のことを「台湾語」と呼ぶことが多いと紹介しましたが、台湾ではこれら3つの言葉をまとめて「台湾語[タイワンユゥ]」と呼んでいます。
 これらの言葉はすべての人が話せるわけではありません。なので「台湾人は何語を話しているか?」という問いに対して、「台湾語!」という答えは「間違ってはいないけど、正解とも言えない」としたのでした。

台湾に定着した日本語

 実はいくつかの日本語は台湾に定着しています。
 日本統治時代(1895~1945年)、台湾では日本語の教育が行なわれました。その影響で、台湾に残っている日本語の語彙は少なくありません。例えば「おばさん」や「おじさん」、「休憩」、「タンス」、「気持ち」などの言葉は多くの台湾人が理解できます。

台湾國語(タイワングォユゥ)

「國語」と同じ扱いだったり、含まれるとされる言葉ですが、「台語」、「客家語」、「日本語」などに強い影響を受け、発音が変わった言葉のことをいいます。
 例えば「兒子(息子)」という言葉は、「國語」では[アァズ]と発音しますが、「台湾國語」では「台語」の影響を受け[オォズ]と発音されています。この現象は、特に年配の方や台湾中部以南でよく聞かれます。
 元総統の李登輝や陳水扁などは「台湾國語」の話者として知られています。台湾らしさが感じられる言葉です。

ーまとめー

台湾で話されている言葉について理解は深まりましたか?

  • 台湾の標準語は「國語」(台湾華語、台湾中国語)で最も多くの人が話している。

  • 昔から話されている「台語」(台湾閩南語)は、現在は台湾中部から南部で主に話されている。

  • 客家人の間では「客家語」が話されている。

  • 原住民族はそれぞれの言葉を話し、総称して「原住民族語」と呼ばれている。

  • 台湾では「台語」、「客家語」、「原住民族語」を総称して「台湾語」と呼ぶ。

  • おじさんやおばさんなどの日本語は台湾でも通じる。

  • 「國語」よりも台湾訛りのつよい「台湾國語」という言葉もある。

これらを知っていればかなりの台湾通ですよ!

記事を書いた人:小飛
台湾出身の台湾人。日本のマンガが好きだったことから日本に興味を持ち、大学生の時に日本語学を専攻。大学卒業後、日系メーカーの通訳の仕事に携わり、その後退職しオーストラリアにワーキングホリデーへ。そこで出会った日本人男性と結婚し、現在は日本で生活中。出産をきっかけに、夫と協力しYouTubeチャンネル『Xiaofei*小飛と台湾中国語』を開設。チャンネル登録者数は1.9万人(2021年11月時点)。
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