居酒屋「少女文学倶楽部」
「少女文学 第一号」COMITIA128 会場特典・アップロード用再編集
──ここは居酒屋「少女文学倶楽部」。夜な夜な少女文学の愛好家が集まる店だといふ。ここで見聞きしたことは、決して他言無用のこと。今日も、あちらのテーブルではなにやら、打ち上げらしき会合が行われているようで……
軽い自己紹介だけしておきましょうね
栗原ちひろ(以下栗原):すいませーん、軟骨の唐揚げくださーい!(レモンサワー片手に)
紅玉いづき(以下紅玉):あ、トールサイズアイスコーヒーエクストラホイップマグカップで。氷は多めでいいです。
小野上明夜(以下小野上):梅酒ソーダ割で。
神尾あるみ(以下神尾):檸檬チューハイ濃いめで~。
栗原:ねえ、なんでみんなトールサイズのコーヒー無視した???
小野上:放置が一番効くかなって。
栗原:小野上さんが軽やかに地獄を設置する。まあいいんですよ、コーヒーでも乾杯できれば。
紅玉:地獄の扱いに慣れてるね。ほら一応、仕切りだから……音頭とりだから……いいよみんなは……飲んでて……。んではとりあえず乾杯から。入稿おめでとうございま~す。(乾杯
小野上:かんぱーい! お疲れ様でした!
神尾:かんぱーい!!!
栗原:おめでとうございま〜す! みんな不備なしでしょ? 偉すぎでは。
小野上:不備……ないと思う……まだ連絡はない……
紅玉:あ、一応知らないひともいるかもしれないんで、軽い自己紹介だけしておきましょうね。
栗原:そしたら編集長から?
紅玉:紅玉いづきです。「少女文学館」では一応、合同誌編集長としてお仕事させていただきました。主にいろんなひととやりとりをするのがお仕事です。職業は作家ですが今年はもうそんな働かないので四月五月に出たものを買って下さい! 以上です。
栗原:知らない人にとってあんま情報が増えてない。漢気。
小野上:強気。
紅玉:いいんですこの対談が読めればそれでいいので……!!
神尾:紅玉さんはいいへんしゅうちょうです。生クリームが大好きです。
紅玉:わたしはコーヒーの上のクリームなめてるんでみんなもはやく
小野上:小野上明夜と申します。「少女文学館」では入稿担当です。「死神姫の再婚」にてビーズログ文庫でデビューし、少女向けエンタメをなんだかんだと数十冊ぐらい書いてます。最近は一般向けもぼちぼちと。
紅玉:別館さまの話は? このサークルでの役割をいれてください。
小野上:隔離、いえ、「少女文学館別館」のほうを一応担当しています……でいいのか?
紅玉:あとで「別館とはなんだったのか」問題やりましょうね。ほいつぎ。
小野上:別館はただの別館ですよぉ 本館とのただの区分だよぉ やだなぁ
栗原:栗原ちひろです。紅玉さんとなんで仲がいいのかよくわかりません。でも多分仲がいい。のか……? ある日いきなりホテルに呼び出されて「少女文学」をやることになりました。普段は少女、女性向け界隈で小説を書いています。内容はニュートラル気味。酒を飲みます。あとは硬めのハイファンタジー担当です。
紅玉:今思い出した、ホテルだったわ。そうだったわ。よくホテルに呼び出します
栗原:響きが卑猥。
小野上:人妻作家同士がホテルで会合か、なるほどな
栗原:ホテル、缶つま買って行きました。
紅玉:つまだけに
栗原:ハハッ
紅玉:流された。神尾さんどうぞ。
神尾:神尾あるみです。頼れる先輩たちの頼れない舎弟です。「少女文学館」では当日売り子をがんばります。できる売り子の予定です。神尾アルミというペンネームで少女小説を書いていましたが、このたび神尾あるみとして富士見L文庫さんからリデビューします。
紅玉:リデビューおめでとうね。色々あったけどよかったよね。ちなみに神尾さんは小間使いかなにかですここでは。誰かが箸を落としたらかえてきてくれます。そういう役割です。
神尾:一番落としそうなの紅玉さんですよね。いくらでも取り替えてきます!
紅玉:すでに生クリームあふれすぎてべたべたしてるのでちょっとおしぼりもらってきてください
神尾:よろこんで!(おしぼりダッシュ)
栗原:おっ、軟骨来たわ。
次は「残穢」かな
紅玉:てかさ~~一言いいたいんですけど!!(マグカップどん)
栗原:柔らかいものも欲しい。だし巻き卵ひとつー!
小野上:たこわさうめえな
紅玉:聞いてよお! なんか、ものすごい「呪怨」みたいな著者紹介になってませんでした?? 大丈夫??
栗原:塩辛よりたこわさだなー。
小野上:(なすのチーズ挟み追加)
栗原:おっ、青い瓶の日本酒があるぞ。これにしようね。
神尾:著者紹介のページ、タイトル「呪怨」でいいんじゃないかってくらい、なんかこう、よかったです。
小野上:次は「残穢」かな
栗原:いいね、残穢!!!
紅玉:そういう裏テーマつくるのやめてくれる???
小野上:となると、その次は伽椰子vs貞子か
紅玉:次の巻頭もう栗原さんで決まってんだからね!!!!(収録時平成最終盤現在)あと別館さまお黙り下さい
栗原:私の巻頭、残穢でいいと思うよ、次回少女文学では、魔剣に飲み込まれた男が生前主人公のこと好きだったって話を延々とします。
長年の作家のカンあてにならんな
栗原:次書くのちょー楽しみなんだーー、取り返しがつかない話だいすきなの。
小野上:取り返しの付かないものを失う話楽しいよね!!!!!!!!
栗原:滅びに向かうひとのきらめきさいこーーーーだよね!!
小野上:私もあの話が陽の目を見られるきっかけを作ってもらえて嬉しかったですね。いやー、やっとどっかに行ってくれたわ。
栗原:自作を背後霊みたいに言わない。
神尾:小野上さんはまだたくさん背後霊しょってるはず。
紅玉:別館さまの話あとでまた改めてするからな。栗原さんはほんとゴリゴリできましたよね。やっぱりこの話はもうちょっとがんばって一巻分、やってくれるんですよね
栗原:栗原さんはこれが一巻で終わるのかなーという現実と向き合ってるとこですね。
小野上:ゴールをドコに設定するのかによって巻数は変わりそうですなぁ。やっぱりね、キャラは登場と退場が最高の花道だからね
紅玉:まあ今回個人誌がまず2冊ですもんね栗原さん。
栗原:2冊ね。だって元原稿が20万字あったんだもん。
紅玉:でも実はここにいるメンバー全員2冊分の原稿もってるんですよね。ちょっとしたトリックでね。
小野上:みんなね。いろいろ抱えているからね。
神尾:トリック……トリック……そうですね。
栗原:過去のある女なのよ。
紅玉:ぜひ最後まで書けるように頑張って下さい。できるだけ「号」が続くようがんばりま……あれ、1冊分は何話っすか? 何号までとりあえずやればいいの? 長年の作家の勘で言ってください
栗原:笑 3話1冊の分量です。とりあえず3号まで出してね! あとは書き下ろします。
小野上:本当に三話で収まるの????
栗原:自信ない!! 日本酒美味え。
小野上:長年の作家のカンで言うけど延びると思うわ
栗原:長年の作家のカンで言うなら、やっぱ3冊かなって。
紅玉:長年の作家のカンあてにならんな
小野上:神尾さんも今回の作品は続くのですか
神尾:いや、どうだろう……続くのもいいなあっと、終わってから思ったんですよね。最後のところ書いたら、その先が見えたんで。
紅玉:いい話のように言ってるけど、神尾さん、とりあえず終わってよかったよね。
神尾:そう……ですね……ほんと、はい。その節は……
栗原:ウッウッ。流れ無視してお造り五点盛り頼む。
紅玉:神尾さんにはわたしの「もっと真面目にやれ!!!!!! 仕事じゃねぇんだぞ!!!」が炸裂してたからね。いつも遊ぶときそう言ってますけど。
小野上:心に残りすぎる名言だ
神尾:はい……はい……(生クリーム渡しながら)
栗原:神尾さんはさあ……
神尾:うっ、なんですか……
栗原:いつまで神尾さんなの?
紅玉:(生クリームをいただいたのでおとなしくなった)
神尾:えっ、法律的な?? 魂的な??
栗原:そんなプライベートな話はしとらんわ!! いつになったら弟分卒業するのかなって思った! だけ!!
神尾:今年……今年卒業が目標ですね!!
紅玉:われらが長子やってるうちは無理なのでは
小野上:永遠の末っ子
紅玉:上の誰かがぼけたらちゃんとお世話してくれるとおもいます
栗原:老人ホーム作ってくれ
神尾:あー、でも、いや、卒業できるんですかね。この三人になんか言われたら、わたし80歳になっても「はい! よろこんで!」ってやってそうなんですけど。
小野上:少女老人ホームか
紅玉:地獄すぎるだろ<少女老人ホーム
小野上:まだまだ新しい地獄はあるな
紅玉:んじゃ神尾さんについては「神尾さんの成長を見守るRPG」だと思ってみなさん読んでくださいねってことで、そろそろ別館さまの話にうつってもいいですか?
神尾:どうぞどうぞ
小野上:もうやるの???
神尾:いまやらないでいつやるんですか。
栗原:むしろ他はもう済んだだろ。
紅玉:一応ここ、閉店時間があるんでね
栗原:小野上さん作品面白かったと評判だったよね。
小野上:別館はメンバーが自由に個人誌を出すスペースでぇす
紅玉:まだ読んでないけどあなた個人誌の方が穏やかでしょうが今回!!!!!!
小野上:本館も穏やかだもん! 優しくて気遣いにあふれた人しか出ないもん!
栗原:小野上さんの闇は、なんか、拷問とか人が死ぬとかじゃねえんだ
小野上:拷問とか人が死ぬとかは遠慮しました。みんな長生き!
紅玉:十年こんな闇を蛍光ピンクで包んで生きてたわけ?
神尾:蛍光ピンクって偉大だな……
栗原:小野上ホラー文庫。
紅玉:まだ読んでない人にはネタバレはしませんけども……小野上さん私達の間で(色々あって)「鬼さん」っていわれてるんですがまさに鬼子みたいなお話をいただきまして……。わたし5回くらいお帰りはあちら→ホラー文庫 っていいましたよね
栗原:なんか、女性向けホラーの中でも、実話系の怖さに近い。
紅玉:嫌ミスとかの。
小野上:ラブコメで包むと、みんな笑顔で食べてくれるんだよなって十年で学んだ
紅玉:しかもこの地獄、まだあるんでしょう。
小野上:ホラーじゃないもん! と言いたいところだけど、最近のホラーは人間が怖い系だと聞いてそっかーと思った。私おばけとか出るやつは苦手なんだよね、怖いから
栗原:私はヒロイックホラーなんすよ。ホラー系でも。悪魔対エクソシスト、そういうやつ。小野上さんのはなぁ。
紅玉:というわけで「別館」というのは「離れ」であり「隔離」なので、皆さんここはひとつ……ちょっと面白かったら一報欲しいところですよね。そういう声が多かったら、「別館文庫」つくるんで。
神尾:黒背表紙ですよね。
栗原:なかなかびっくりしたけど面白かったです。間違いない。
神尾:別館つくっといてよかったですね。
小野上:隔離文庫じゃねーか!
紅玉:お前がそうしてんだよ!!!「とりあえず挨拶代わりに」ってnoteに百枚の地獄をもってきたときはサイコパスかと思ったわ!!
小野上:別巻文庫作るならみんなで書こうよ。みんな道連れだよ。おかわりもあるよ。
紅玉:わたしの地獄は常に救いがあるんで……
栗原:ホラー自体は書きたいけど、ホラーじゃなくて地獄文庫なんでしょ?
紅玉:そのうち怪談はまた別にやりたいですね~~。地獄じゃないやつ
栗原:夏コミ出るなら怪談やろう。ただし私は売り子できる気がしない。
紅玉:そう、参加がね~。
神尾:そこはわたしが!
紅玉:まあ来年の夏はちょっと考えてもいいですね
小野上:いや、でも、これで逆にハードルが上がってしまうと申し訳ないんですよね。その筋の愛好家の方には大したことない話だと思うんで……
栗原:その筋の人は読まねえよこの本
小野上:せやな
紅玉:てかどうなの? 小野上さん、「この筋」の仕事きたらやってみる人なの? 一応今回、編集長的に、「お仕事につながりますように」みたいな本作りもしているですけど
小野上:……なんでも書くんだなこいつ! と思ってもらえれば幸い。
紅玉:まあ何書いても上手いですからね。小野上さん。あとあんまり書けないって悩まないよね。悩んでもいわないというか。わたし含めて他メンバーは書いてるとわりと路頭に迷いがちだけど笑
神尾:コンスタントに書かれてるのすごいなあって毎度思う。
小野上:悩むことはあるけど、結局自分でどうにかしないとな~って思ってるから、あんまり言わないだけかな
紅玉:妖怪オモンナイ来ないんですか? 正気でこんな話(掲載作指し)最後までかける?
小野上:正気を疑わないでください! 私は常に正気だよ!!!!!!
栗原:常に正気って言い切るひとはややヤベエですね。基本的に。
神尾:正気が黒背表紙なんですよね。理性で蛍光ピンク。
小野上:理性が蛍光ピンクのほうがやばない??
紅玉:ちょっとえっちですね
神尾:えっちか。
紅玉:正気が黒背表紙で台無しだけど……
小野上:いや~でも、べにたま先生の話もだいぶ地獄みあったじゃん。友達同士の、ケンカにまでは発展しないギスギス胃に来るわ。
栗原:偏差値たかそうなギスギスだったね。
紅玉:え、わたしの話、今回そんなギスってないですよ。めがくもっているのでは……?
小野上:ちょっきゅうの わるぐち いくない
神尾:酸素の薄い感じでしたね。
紅玉:酸素薄い学生生活をおくってきたんで……。いや~~でも正直今女子中学生!! 書けるかすごい不安でした。正解だったかどうかはわからんですね。間違っていたかも。まあ気持ちよく書けたんでいいかなと。ファンタジー世界の女子高生なら書けるだろうけど現代女子中学生は難しいなぁと。離れすぎたなもう。でもまだまだ書きますけど。
栗原:ああ〜。なんか私は自分の個人誌改稿してて、結構ひどいなあと思ったなあ。でもあれは私は平気な地獄。
小野上:私は経過を綿密に書く系のスプラッタがだめなんだよね。肉体のダメージは割と弱い。精神が刻まれる系は割となんでも平気。
紅玉:わたしは地獄はなんでもいやですよ!!!!! クリエイティブ地獄だけでいいです
小野上:noteにのっけたクリエイティブ地獄のほうが物書きさんにはつらいかな~と思ってた。でもあれは救いがあったもんな。
紅玉:あのクリエイティブ地獄、もっと地獄にできたでしょ。
小野上:まあ、あれは投稿作だから、ちゃんと救いを作ったよね。
紅玉:小野上さん、ここも投稿作だと思ってください!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!! 思わずエクスクラメーションふりかざしたやんけ
神尾:紅玉さんはよく小野上さんにエクスクラメーション乱舞してる気がする。
紅玉:この間ついに「小野上ィ!!!」って呼んだしね。実績解除ですわ
小野上:前はねえさんって慕ってくれていたのにおかしいな
栗原:紅玉さん、そもそもひとの心を傷つける系の作風なのに地獄嫌いなの面白いなあ。
小野上:人に刺されるのは嫌いなのでは。私も人の作品はどこでギロチンが落ちてくるか分からんから怖いもん。
紅玉:「地獄です」って書いてあれば「今日は地獄でもたしなむか」って気持ちに結構なれるんですけどね。小野上さん「地獄じゃないです」ってツラでだしてくんだもん。背表紙黒くしてきてよ……。
神尾:わたしはわりと地獄でも大丈夫。読んでてキリキリするけど。映画もスプラッタもべつに大丈夫。
紅玉:まあ、たまに地獄もあるよ、くらいで読んでくれるといいですね……。
小野上:非商業は自分でも二度と読み返せないような限界地獄にチャレンジしてみたい気持ちちょっとありますね。
紅玉:えっうちでですか?(ドン引き
小野上:一応私の中にも聖域はあるんだけど、その聖域を踏みにじってみたい的な。
紅玉:うちでですか?(再問
栗原:激辛に挑戦する人みたいだなあ。
小野上:編集長だいしゅき❤
紅玉:うちで……?(震)没はないけど編集長権限で別売りはありますよ 言っておきますが
神尾:別館あってよかったね(n度目)
栗原:隔離文庫(n度目)
紅玉:別館さま 別館さま しずまりたまえ(手をすりあわせ)
小野上:ここのうちの子です! 入れて! いーれーてー! もうホラーじゃねーかこれ
栗原:大丈夫だよ、別館だって立派な家だ。犬小屋なんかじゃない。
神尾:こわい。でも吸血鬼も家主が招き入れたら入れちゃうから。。。 紅玉さん、招いちゃったから……
紅玉:の、のもう!!!!! のみましょう!!!!! 少女文学の発展を祈って!!
小野上:かんぱーい!
栗原:かんぱーーーい!!
紅玉:かんぱーーーーい!!!
神尾:かんぱーーーーーーい!!!!!
こうして、今日も「少女文学倶楽部」の夜は更けていく──
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