Luna2022 30頁 猫の時代幸せ探し
「あははは、痛快、痛快」
ヒルダが手を叩いて喜ぶ。
「これ、ヒルダさま」
「だってぇ、ベル」
その夜、遅くシヴァの城へ帰ったのに、ヒルダとベルが起きて待っていた。
「胸騒ぎがして、寝床に入る気がしなかったんですよ」
ベルが甘いお茶を入れながら言う。
「ヒルダの描いてくれた魔方陣が完璧だったからさ」
「お役にたってよかったです」
ヒルダは、まだ笑いが収まらない。
「教会の礼拝堂へ出るつもりが、雪原に出てびっくりしたろうね、やつら」
「そうね、竜が寒そうにしているのを始め