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Design Column _ デザインコラム

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#デザイン

AIにより生み出された余剰で、次に君は何デザイナーになるのか?

Figmaの大型アップデートが発表されましたね。 AIによる作業効率化、汎用性の高いUIキット、スライド作成機能、Devモードなど、クリエイティブのハードルを下げ他職種との共創を支援する機能が目白押しでした。 これらの新機能は、間違いなく 既存のデザイナーの仕事を圧倒的に楽にする 他の職種がデザイナーの仕事を気軽に実行しやすくなる ことを示しています。 これらによって自分たちの仕事はより効率化される一方で、効率化されて浮いた時間やリソースをどこに投下するか?をまだ決め

「デザインシステム」って何?新人WEBデザイナーがインターネットの海を泳いでみた

はじめまして!株式会社Rabeeの新人デザイナーのakaneと申します。 元々はWEBメディアの編集者をやっていましたが、昨年の秋に未経験からWEBデザイナー(UIデザイナー)に転職しました。 デザイナー歴4ヶ月。日々新鮮な気持ちで働いています💪 はじめにこの記事は、かけだしデザイナーの目線で「デザインシステムって何?」の疑問に向き合った記録です。 ちょっぴり長い記事ですが、私と同じような新人デザイナーに楽しんでもらえたら嬉しいです!最後に参考記事も紹介しているので、ぜ

心がけておきたい、デザインの仕事と人格の関係

デザインの仕事で生き抜くためには、人格なんか変えてやる。40代、氷河期世代の私はそう思ってきました。 自信なくボソボソ話すから信頼されない。それを変えてきた若手時代。 冷静だけど淡々としていて面白くない。それを調整してきた中堅時代。 偉そうで皆に物を言わせない。そうならないように踏ん張る今の時代。 今回のテーマは、デザイナーの人格。成果のために人格を見つめてきた記録です。人格と言うとちょっと大げさですが、言ってみればキャラクター。仕事のキャラクターを調整しても、本来の

「とりあえずNoto Sans JP」、考え直してみませんか?

SOMPO Digital Labデザイナーの松葉( https://twitter.com/tiyou01 )です。 ウェブサイトやアプリのUIで使う書体、「とりあえずNoto Sans JPで…」と決めてしまった経験はないでしょうか?この記事はそんな「とりあえず」に心当たりのある皆さんに向けて書かれています。 Noto Sans JPという書体Noto Sans JPはAdobeとGoogleの共同開発による書体で、Adobeからは源ノ角ゴシック/Source Han

デザインと、価格と、キャリアの話

「デザイナー35歳定年説」というものがありました。 35歳になったらデザインをやめて別の仕事をするという話です。若い自分は恐ろしげに感じましたし、逆に「一生、手を動かしてものづくりをするんだ」と奮起したものでした。 似た話は今でも続いているらしく、業界の都市伝説としてひたひたと続いているようです。30代になったらライフステージや体力面から難しくなったり、感覚が市場と合わなくなる人が出てくるのは漠然とイメージできる。30代になったら、ディレクターやプロデューサーと言った川上

デザイナーはコストセンターか。 組織とキャリアから考える

デザイナーは、利益を生み出すプロフィットセンターなのか。もしくは、収益に貢献しないコストセンターなのか。 デザイナー個人にとっても、デザイン組織にとっても、重要な問いです。 プロフィットセンターとコストセンターデザイナーが売上や利益に対する責任を持ち、定量的な数字目標を掲げている。自身の評価にも数字が絡んでくる。これは、プロフィットセンターとしてデザイナーが活動しているケースです。 事業会社のデザイナーであれば、営業など他部署と同じ目線とリスク感覚で成長を目指しているよ

Humanity Centered Design? ドン・ノーマンの近著で語られる人類中心設計とは

今回は『Design for a Better World: Meaningful, Sustainable, Humanity Centered』という書籍を紹介してみます。 Human Centered → Humanity Centered著者のドン・ノーマンは、デザインやHCI(Human Computer Interaction)、認知科学の領域で有名な研究者/教育者です。彼の代表作『誰のためのデザイン?』(増補・改訂版、新曜社、2015年)は、デザインを学んだこ

ざっくりUIデザインの歴史をたどってみる

こんにちは。SOMPO Digital Labで駆け出しUIデザイナーをしているrine(https://twitter.com/HAYASHIRINE)と言います🤲 この間Spotifyのpodcastで聞いたreseize.fmで、UIデザインの歴史について詳しく言及されておりとても興味深かったので、お話されていたことを参考にしながらUIデザインの歴史をざっくり辿ってみることにしました。 🙆‍♀️ とりあえず抑えておくべきキーパーソン アラン・ケイ (Alan Curt

ヘルベチカはそんなこと言わない

「書体を使いこなすためには、その歴史や背景を知らなければならない」って、誰に言われたのか思い出せないけど、重みのあるアドバイスとして素直に受け止めてきた。実際、多くの人から愛されている書体にはそれなりの歩みがあり、造形の美しさもさることながら、物語としても楽しい。制作された経緯を知れば、使う際の参考にもなる。 学生の頃は純粋に文字を楽しむ人として、書体にまつわる物語に触れていたのだけど、デザイナーとして仕事をしていると、蓄えた知識が邪魔に思えることがある。いっそ何も知らずに

駆け出しプロダクトデザイナーが『誰のためのデザイン?』を噛み砕いてみる

デザイナーの必読書と言われている『誰のためのデザイン?』は人間中心設計のアプローチを提唱した認知科学者ドナルド・ノーマンの著書です。 4月から保険会社で駆け出しプロダクトデザイナーとして働いているのですが、入社時に職場の上司におすすめして頂いてから、ついに最近読み終えることができました(長かった〜)。読後の記録として、デザイナーのバイブル『誰のためのデザイン?』を自分なりに噛み砕いた内容をまとめたいと思います💪 インタラクションの基本原則発見可能性を得るための5つの要素

インタラクションを"感覚"から"言語"へ - インタラクションデザインシステム - 前編

こんにちはー!アクセンチュア ソングでインタラクションデザインのリードをしている佐々木です。 先日、アクセンチュア・イノベーション・ハブ東京にてFigma Japanさんの2周年記念イベントが開催されました。 改めまして、Figma Japanさん、2周年おめでとうございます! イベントのセッションでは、「インタラクションを”感覚”から”言語”へ」と言うテーマで、私たちアクセンチュア ソングのインタラクションデザイナーが開発した”atom Interaction”というシ

『オブジェクト指向 UI デザイン』 に書かれていないもの

私は普段、家の脱衣所で仕事をしているのだが、デスクの隣にある縦型洗濯機がちょうどいい高さということもあり、そこにいつも仕事中に参照する本を積んでいる。洗濯機の蓋もまさか、漬物石みたいに本が置かれることになるなんて思ってもみなかっただろう。それらの本は主に、その時々の仕事に関係するものとか、読みかけのものだったりするから、頻繁に入れ替わっていくのだけど、ずっと置いているお気に入りが、いくつかある。そのうちの一つが、OOUI 本こと『オブジェクト指向 UI デザイン 使いやすいソ

読みやすい文章は「デザイン」が優れている

 村上春樹さんや林真理子さん、糸井重里さん、『嫌われる勇気』の古賀史健さん。彼ら彼女らの文章は、スルスルと読める。とっても読みやすい。  その「読みやすさ」の正体ってなんだろう? と考えてみる。  読みやすい文章は、パッとその文章を見た瞬間に「読みやすそう!」と思える。これは「文章の中身」というよりも「デザイン」に近いのではないかと思う。  漢字とひらがなのバランス、改行の位置、「(会話文)」の割合などを計算し、「ビジュアルとして」読みやすくデザインされているのではない

テキストメッセージを「デザイン」すると、読み手に寄り添うコミュニケーションができるかもしれない話 | Design Journal Vol.22

この記事のサマリーSlack等でテキストメッセージを送る前に、デザインのプロセスを用いることで、読み手に寄り添ったコミュニケーションができ、「伝わらない」ストレスが減り、お互いがハッピーになるかも、という話です。 背景社会人になり約4年半ほど経ちますが、まだまだ難しいなぁと日々感じていることが、「テキストコミュニケーション」です。 ここ2年ほどでリモートワークの割合も加速し、テキストコミュニケーションが中心になってきているチームも多いのではないでしょうか。 そんな中で、