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文系デザイナーです。UI デザインをしています。

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    最近の記事

    • 固定された記事

    モードレスデザイン

    はじめて iMacG3 を使った時、私はとても前向きな気持ちになった。説明書を読まなくても何をどうすればいいの分かったし、自分の思い描いた通りに動かすことができた。 道具は使う人の能力を拡張させると言うけれど、私はあの丸いマウスと一緒に、文章を書いたり、絵を描いたり、本当に何でも出来る気がしたのだ。 それは Mac だけではなかった。iPhone も、iPadも、Apple 製品はいつも私を高揚させた。なぜ私はこんなにも惹かれるのか。不思議に思いながらも、私は Apple

      • 新型コロナにおける子供からの家庭内感染 傾向と対策

        新型コロナに家族全員感染したので、知見をまとめます。何ぶん個人差の大きいものではありますが、これが地震や台風のような一つの災害の例として、家族で備えるための一助となればと思います。 経緯小学校低学年の子供が高熱、通っている学童で既に陽性者有(小学校で陽性があったと発熱の前日にお知らせが来たが、同じ学童の子だという事は熱を出して学童を休む連絡をした時に知った)。検査して陽性。 2 日後私が高熱、検査して陽性。 夫はその翌日微熱、濃厚接触者として保健所から検査を手配後。陽性確認

        • Truth Hits Everybody

          いくつになっても、自分の好きな作家の新刊が出るのは喜ばしく、胸が弾むものです。これは、そんな浮かれた私が思うままに書き連ねた、ただの妄想です。 銀の本先日、技術評論社から『 オブジェクト指向 UI デザイン - 使いやすいソフトウェアの原理 』という本が発売された。表紙にはタイトルの他に銀色の文字でこう刻まれている。  銀の弾丸、OOUI。 OOUI という言葉が、日本のソフトウェア業界に爆発的に広がったのは、 2018 年 10 月の WEB+DB PRESS 特集記

          • それを感じとる心

            マイスター・ゼクンドゥス・ミヌティウス・ホラはいった。 時計というのはね、人間ひとりひとりの胸のなかにあるものを、きわめて不完全ながらも まねて象ったものなのだ。 - 『 モモ 』ミヒャエル・エンデ ゼンマイやバネ、水晶振動子と歯車が組み合わさって時を刻む時計とは違い、人間の胸のなかにある時は、命が終わるまで片時も静止することなく変化し、反応する。それは形状を固定され、人工ルビーを配した歯車のような物質ではなく、動き続ける情報が胸のなかで形になったものだ。 だから物理

            UI トレースは何をトレースしているのか

            エレクトリックベースをはじめて買ったとき、まず練習したのは Mr.Big の To Be With You だった。Billy Sheehan のベースの中ではそこまで難易度が高くないバラードだし、寮で同じ部屋の先輩が、よく口ずさんでいたから。 楽器を手にした人が最初にやるのは、誰かの作った曲を奏でることだろう。たくさんの曲をコピーするうちに、だんだんと自分なりの弾き方が身についていく。 その練習方法について批判する人はあまりいない。しかし UI のデザインやイラストにな

            プロトタイプ

            暗闇に一筋の光が降ってくる。 それは会議中に、 インタビュー中に、 何かをじっと観察する際に、 歩いたり、走ったりするときに。 光は私にぶつかって弾け、破片が星屑のように明滅する。 私は両手をのばして、こぼれ落ちないようにそれを必死で掴もうとする。 脳のどこかが発火する、その火花をみているのだろうか。 言葉ではなく、イメージが、イメージが流星のように降ってくる。 いつも、いつも、そうなんだ。 私はそのイメージを言葉にできない。 言葉にしなければ伝えられないのに。 だから

            さようなら、ロスジェネの私

            今は売り手市場らしい。 会社の採用担当の人たちが言っていた。 「インターンで職場体験をしてもらって、会社の良さを知り、ぜひうちの会社を受けてもらいたい」 今どきの新卒は、無料で職業体験までできるのか、オープンキャンパスみたいだな、そんな風に思った後、少し胸がチクチクした。 羨ましかった。 内定して、入社式があって、研修があって、同期がいる。人事のカリキュラムに添って、丁寧に指導してもらい、経験を積んで、給料も上がっていく。そうやって私もステップアップしたら、今とは違う自

            インクルーシブデザインができること

            インクルーシブデザインとは、共に考えるデザインの方法だ。 障害者や高齢者など、これまでサービスや製品でメインターゲットから排除されていた極端なニーズをもった人々を、企画や開発の初期段階から巻き込み、内包し、最終的にビジネスとして成り立つものにしていく。 排除されてきた弱者にフォーカスするという、その慈善的な要素や、理想とする所の類似性から、ユニバーサルデザインとの違いついてよく言及されるが、インクルーシブデザインは明確な原則に沿うのではなく、初期段階から共に考えて作っていく

            デザイナーの手の内

            デザイナーに対して「とりあえず作ってください、見ないとわからないから」というのは、建築家に「とりあえず家建ててください、住まないと分からないから」というのと同じことだ。 そんな苦言を呈してしまうくらい、デザイナーは「とりあえず見た目を作って」というオーダーに疲弊している。なんだか簡単にできて、軽いものだと扱われてることに不満を感じるし、「とりあえず作るデザイン」に報酬が支払われないことも多いからだ。 しかし、「住まないと分からない」というのは全くその通りであろう。 紙で印

            大切なものは目に見えない

            病気というのはむしろ、遺伝的に受け継がれた個人の特質全体と、その個人のまわりの環境とのあいだの(変異と、その人物の状況と、生存や成功というその人物の目標とのあいだの)不調和によって引き起こされる特定の不具合として定義される。最終的に病気を引き起こすのは異変ではなく、ミスマッチなのだ。 これは、シッダールタ・ムカジー ( 訳: 田中 文 ) の著書『 遺伝子-親密なる人類史- 』にある文だが、なぜかとても印象に残った。最近、多様性について考えることが多いからかもしれない。

            整理と収納とデザインと

            ここ数年、お片付けブームが続いていて、雑誌も本も整理収納の特集であふれている。書店ではライフスタイルの本棚だけでなく、ビジネス書にも領域をのばし、育児書や心理学にまで進出している。整理収納とデザインは似ている、とかプログラミングでも重要だ、とかよく言われるようになった。 何でもかんでも「デザインだ」と言っておく、みたいな風潮に辟易する人もいるかもしれない。しかし、似ているどころか整理収納はデザインそのものだ。 散らかったデスクとキレイなデスク デスクが散らかっているか整頓

            処方箋としてのデザイン批評

            デザイナーは 30 代後半になると、プレイヤーとして採用されることが減ってくる。ずっとプレイヤーでいたくても、まわりはそれを許してくれない。私の同僚に、自分で手を動かしている 50 代の現役デザイナーなどいない。 センスが枯渇するから? 感覚が古くなるから? どうだろうか、ディック・ブルーナの引退は 84 歳。それに比べたら、40、50歳なんてまだヒヨッコ。新しい感覚についていけなかったとしても、デザイナーは常に若い人達に向けてデザインするわけではないし、むしろ会社として

            美の言語化

            デザインを言葉にするとき、私達はその意図であったり、効果であったり、その根拠となる統計を説明する。 言葉にする方法もある程度体系化されてきており、認識を共有しやすい。対象となるデザインが、構造的でロジカルであるほど、言葉にするのが容易だ。 しかし、美について言語化するのは難しい。 確かにデザインは単に見た目のことではなく、いかに機能するかだ。※ 1 けれど、またデザインは、見られることを避けて成立させるのが難しいものでもある。 この頃、デザインのその機能についてはよく語

            新しい道具と新しい思想

            ツールは所詮、道具、重要なのは何が作りたいか、だ。 なんて、よく言われるけれど。私は新しい道具が好きだ。 新しい道具を使うと、新しい考え方が自分にインストールされるから。 新しい道具が出てくると、いつも 「いずれなくなってしまうかもしれないのに、それを苦心してマスターするのは時間の無駄だ」とか 「今までのもので十分対応できるし、使い慣れたものの方がより早く作りたいものが作れる」とか 「道具に振り回されすぎだ。たくさん使えばいいってもんじゃない」とか 言われたりする

            美の軸を2つもつこと

            昔、仕事仲間と花火大会に行った帰り道のこと。他愛のない話をしながら皆で歩いていると、やけに無口な同僚が一人いた。 「眠いの?」なんて誰かがきいたら、彼はこう答えた。 「さっきの花火、パーティクルで再現するとしたら、どうすればいいかと思って」 彼は当時引く手あまたの Flash Developer で、プログラミングが得意だった。 美しい花火を観て、それをどうプログラムするかを思案するなんて、風情がない、という話ではない。もしデートなら顰蹙ものかもしれないが、決して彼の風情

            イメージを編む

            ミケランジェロの、彫刻にまつわる面白い話がある。 誰かがミケランジェロに尋ねた。 どうして、このように素晴らしいダビデ像を彫ることができたのですか? するとミケランジェロはこう答えた。 大理石の中には天使が見える、そして彼を自由にさせてあげるまで彫るのだ。 この話は、尋ねる人もシチュエーションも様々なパターンがあり、答え方も少しずつ違って興味深い。尋ねたのが王だったり、弟子だったり、大理石の中にいるのが女神だったり。 ミケランジェロは、こんな風に答えたという説もあると