bekko

🇳🇴オスロ大学交換留学

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最近の記事

「想像力」という言葉は、小さいときは未知の世界に対するimaginationだったのに、いつの間にか「忖度」と同義語になった。

    • 堕落さえできない

      近頃は夏休みで授業もアルバイトもなく、知り合いも続々と帰国し、何となく朝起きては適当な電車に乗って遠くに行ってみたり、コロッケを作ったり、大掃除をしたり、友人と通話したり、音楽を聴いたり、サウナに行ったり、いくつかエントリーシートを出してみたりして過ごしています。一年間かけて読もうと思って大変な思いをして日本から持ってきた本は全部読み切ってしまって、どうしようかなと思っていたときに青空文庫の存在を思いだして、坂口安吾『堕落論』を読みました。 何者かになるというのは、社会の中

      • 留学に持って行ったものがいいもの

        ノルウェーのオスロ大学に一年間の交換留学で滞在しています。1月にこちらに来てから半年が経ちました。 大体のものは現地で調達することが出来ますが、日本にしかないものもあったりこちらで購入できてもクオリティに満足がいかなかったり高価だったりするものも多いので、今回は持ってきたらよかったな・持ってきてよかったなというものをまとめました。 本・文具など日本の文具 日本の文具のクオリティの高さを実感する機会は非常に多いです。こちらの文具屋にも日本製品はたくさん売っていますが、やはり割

        • お見送り芸人

          こちらで出会った人がみんな帰国していく。6月に入ってからもう9人も空港に送りに行った。普通8月から秋春2セメスターの一年間か、1月からの春セメスターのみの半年間で留学する人がほとんどなので私のような1月から春秋で滞在する者は少なくとも知り合いにはいない。自分でもなぜこのスケジュールにしたのか謎である。学生寮もずいぶん静かになった。4人でシェアしていたはずのフラットには私のくしゃみが静かにこだまするのみとなった。 最近は専ら去ってゆく者たちから余った食材と生活用品を受け取り、

        「想像力」という言葉は、小さいときは未知の世界に対するimaginationだったのに、いつの間にか「忖度」と同義語になった。

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          12本

        記事

          詩か散文か

          母と祖母が私を訪ねてきた。私への差し入れが23kg制限ギリギリに詰まった大きなスーツケースを3つ、大阪からはるばる運んできてくれた。本当にありがたいことです。 私たちはオスロと大阪からそれぞれロンドンで待ち合わせをし、その後ベルゲンというノルウェー第二の都市でフィヨルド見学ツアーに参加、そして私の生活圏を見にオスロにやってくるという計画になっていた。ロンドンを訪れることは祖母のかねてからの夢で、彼女はエコノミークラスで13時間のフライトを経て朝6時にヒースローに到着したその

          詩か散文か

          サントリーニ島で自我が崩壊する

          大学に入ってからずっと行ってみたかったギリシャに先日初めて訪れることが出来た。アクロポリスなど古代の遺跡から骨董品が目白押しの蚤の市まで、アテネは食よし人よし海あり歴史ありで今まで訪れた外国で一番好きと言っても過言ではない素敵な場所であり、ここに住みたいとちょっと思うほどであった。 3日目からはハネムーン地として名高いサントリーニ島で過ごした。白い壁に青い屋根、エーゲ海を背景にした絶好のロケーション。典型的なリゾートの雰囲気である。島の中心地のフィラに宿を取り、荷物を置いて

          サントリーニ島で自我が崩壊する

          お料理楽しい、本読む

          今日は茄子のバター炒めをつくりました。茄子を輪切りにしてバターを乗せて蒸し焼きに、しんなりしてきたら塩こしょう、出汁醤油(日本から持参)をで味を整えて仕上げました。 お茄子に染み込んだ味わいが口の中で溢れ出てきて、あまりの美味しさに久しぶりにビールを頂いています。2か月アルコールを抜いた身体には缶ビール半分で少しほろ酔い気分で、酔っ払いついでに久しぶりにnoteを書きます。 一時は記事を書きたくて書きたくてしょうがなかったのですが、最近は、具体的には3月半ばから、何かと、

          お料理楽しい、本読む

          瞼縫ってます

          起 今日友人がイプセンの『人形の家』を女性の社会進出という観点から分析するという課題のために、ジェンダー論をやっている私に助けを請いに部屋に来た。私は本棚からミネルヴァ書房『よくわかるジェンダースタディーズ』を取り出して参考にしながら話をした。英語でアカデミックな概念を理解しなければならない今の生活において、本当にこの本が無かったらこの留学は今より相当苦しいものになっていたに違いないというほど今の生活に欠かせない、最早私のバイブルと言っても過言ではない一冊である(ミネルヴァ

          瞼縫ってます

          就活で使う

          先に断っておくが、私はこの文章の中で新卒一括採用という制度のことを批判するつもりは毛頭ない。むしろ(自分が今後それに乗るかどうかは別として)素晴らしいシステムだと思っている。何のスキルもないただの22歳かそこらの学生をポテンシャル採用という名目のもとに雇用し、それどころか研修コストをかけて社会人という身分を与えてくれる。本当に優しいシステムだと思う。当然さまざまな問題を孕んでいることは百も承知であるし個人的に思うこともないわけではないが、私のようなチェーンの飲食店に1時間を1

          就活で使う

          旅行行ったらなんか英語楽しなってきておもろい

          先週友達と旅行に行ってきましたヨ。トロムソという北極圏にある小さい街です。オーロラ見に行こうぜっていうて行ったのに、曇りで何にも見えへんくて何しに行ったんって感じやけど、でもこっちで出会って1か月半の友達ともう旅行に行けるなんて本当にありがたいことです。 この旅行で得られたのはただ楽しい思い出だけよりも英語である。香港人2人台湾人2人オランダ人ドイツ人私の7人の間の共通言語は言わずもがな英語で、3泊4日の旅程の間ずーっと英語で話す必要があった。食事してても英語、博物館行って

          旅行行ったらなんか英語楽しなってきておもろい

          何であいつらはいろんな言葉を話せるのにおれたちには日本語しかないのか。そしておれはどうすればいいのか。

          前回このnoteを投稿したからというもの、見違えるほど自信をもって会話が出来るようになった。ここ半年ほど面倒くさがっていろんなことを文字化していなかったが、やっぱり多少時間かけてでもちゃんと文章にして出力して客観視した方がいいなと改めて感じた。特にポジティブなことは。 よかったら読んでみてください。 このnoteを書いたタイミングで、日本の同じ大学から交換留学に来ている友人が一緒のテーマでエッセイを投稿していた。 テーマやタイミングが同じなのはたまたまではなく、きっと同じ

          何であいつらはいろんな言葉を話せるのにおれたちには日本語しかないのか。そしておれはどうすればいいのか。

          出川イングリッシュはすごい

          英語を使う環境に来て3週間弱経った。無事に友達もできて毎晩のようにだれかの部屋に集まって晩ごはんを食べたり映画を見たり話したりして過ごしている。友達は大体台湾人、香港人、ベトナム人、韓国人、オランダ人、ドイツ人などなど。知り合いに日本人があまりいないので、強制的に英語を使う環境に身を置いている。初めは何の話をしているのか分からないこともあったが、だんだんみんなが何を話しているのか分かるようになってきた。今まで大して英語を「使って」こなかった人間としては実践的な経験に新鮮な喜び

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          🇳🇴まず1週間目

          無事に布団を買い、とりあえず寝泊りする空間ができて一安心しています。あっという間に一週間が経ちました。 これまで太平洋側に行ったことは何回かありましたが、大陸側に飛ぶのは初めてでした。フライトマップを見るたびに、雲を隔てて今まで画面や教科書越しでしか知らない国や場所、土地や暮らしが足元にあると思うと不思議な気分がしました。 年明けから曇りの日々が続いていたようで、分厚い絨毯のような雲を突き破って着陸しました。ずっとこんなお天気だったらしんどいなと思っていましたが、到着の翌

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          語学研修の所感

          3年前の4月に入学してから2年半続いてきた大学生活の川から一旦上がってその流れから自由になって自分を省みた。知っている人がいない環境でゆっくり時間を使って生活したことで、裸になった自分をはじめて見た。 結果としては、未来に非常にポジティブになった。 人間関係新しい友人 素晴らしい友人に出会った。これだけで今回参加した意味があったと思う。 芯があって、強くて、向上心がある。彼女のようになりたい。心から尊敬できる人に出会うのはいつぶり? 私は他人を認めるのが苦手だ。プライ

          語学研修の所感