見出し画像

【読書メモ】5G時代に入った中国モバイルインターネット。最新データの数々を紹介

最近出版された「中国モバイルインターネット発展報告2020」を入手しました。

画像1

分厚い情報ぎっしりな本なのですが、面白そうなレポートや情報通の皆さまが興味を持ちそうなデータがたくさん入ってますので、noteで読書メモとして共有しようと思います。

紹介によると、この本は「社会科学文献出版社」が毎年出版している中国のモバイルインターネットについてのレポート集で、これで9冊目です。研究チームは人民日報傘下の「人民網研究院」を中心に、政府機関やインターネット企業、大学、コンサルティング会社などが参加しています。

レポートはモバイルインターネット発展に伴っての文化産業、地域発展、法律規制などについての直近一年のまとめと将来の展望についてです。コア技術の発展や5G時代のモバイル端末、知能ロボット、ブロックチェーン、ショート動画、モバイルソーシャルメディア、モバイルインターネットにおける旅行、EC、ゲーム、医療などの発展について分析されています。

今日は1回目で総括編!アウトラインをまとめてます。それぞれの詳細は、面白いところを後日noteに書いていきますのでぜひフォローしてお待ち下さい。

その① 2019年中国モバイルインターネットの基本情報

■基盤インフラについて

2019年は中国の5G商用化が進んだ。5G+4K、5G+VRが放送に使われてる。5Gと手術ロボットによる遠隔整形外科手術が実現された。
工業と情報化部の「2019通信業統計公報」によると、2019年12月末までに、中国の4Gユーザー数が12.8億に達し、これは携帯電話ユーザーの80.1%。2020年3月末まで、19.8万の5G基地局が建設されていて、5Gプランのユーザー規模が5000万を超えた。(ニュースではすでに1.2億以上と報道されている)
2019年3月に、政府事業報告で初めて「工業インターネット」が言及され、「工業インターネットプラットフォームの構築と知能化の開拓」が今後の発展のテーマに。
車のインターネット利用は5G時代で重要な利用シーンの一つである。「車のインターネット知的財産白書」によると、2019年9月、中国の車のインターネットに関する特許申請が28647件で、世界(114587件)の25%を占めて、世界2位だった。

■ユーザー数について

2019年1月〜11月、中国の携帯電話ユーザー数が16億に達し、うち13億のユーザーがモバイルインターネットを利用している。
2020年3月末までに、中国のネットユーザー数が9.04億に達し、うち8.97億がモバイルインターネットユーザーである。
2019年、最もモバイルインターネットのパケットが使われたアプリはショート動画であり、tiktokやKwaiなどのショート動画アプリに使われたパケットが全体の3割を超えた。

■スマホ端末について

2019年中国の携帯電話の出荷数は累計3.89億台で前年比6.2%減、2014年以来の最小出荷数だった。トータル573機種を出荷し、4G対応の出荷数が3.59億台で全体の92.3%を占めた。5G対応の出荷数が35機種で合計1376.9万台でこれは全体の3.5%。
出荷数が減る一方、技術のグレードアップが注目されている。5G以外に、折り畳み可能の画面や、AIアルゴリズム、夜景撮影、高性能の手振れ補正アルゴリズム、ヒートシンクなどの技術が次々と新機種に登場。
スマートスピーカ、スマートスクリーン、スマート車載端末、ウェアラブル端末、スマートホームなどのスマート端末が急成長。
IDCのデータによると、2019年、中国国内のウェアラブルスマート端末の出荷数は37.1%増の9924万台に達し、Xiaomiが1位で2489万台を出荷(市場シェアの25.1%)。次いでHuaweiとアップル(XiaomiもHUAWEIも3000円未満の選択肢が多くて機能も普通に充実してるからだと思います。)
2019年中国スマートホーム市場規模が1530億元に達し、出荷数が合計8.4億台となる。うちに最も多いのは娯楽関係(3.47億台)、セキュリティー関係(1.64億台)で、スマートスピーカの出荷数が1.469億台となる。

■モバイルアプリ数とダウンロード数について

2019年12月末時点、中国市場にあるアプリ数は367万個で前年比で85万個減少した。うちゲーム類のアプリが最も多く90.9万個で全体の24.7%を占める。
2019年12月末までに、中国のアプリストアにあるアプリの合計ダウンロード数が9502億回に達し、そのうち音楽動画系のアプリのダウンロード数が最も多く1294億回。次にソーシャルメディア、ゲーム、日常ツール、システムツールとなる。また、生活サービス、情報閲読、電子商、金融類のアプリはそれぞれのジャンルでのダウンロード数が500億回を超えた。

■モバイルインターネット企業の投融資規模について

中国情報通信院のデータによると、2019年中国インターネット企業の、公開されたものの投融資規模は326.8億ドルで、前年比で53%減少。
投融資案件が1898件で前年比約3割減。
これほど減少した理由は、国内外の経済の不景気や、収益の見込みが少なくなることだと考えられる。
投融資全体が減少している中、企業サービス、電子商、インターネット金融、オンライン教育が最も注目される業界である。
2019年に新経済企業が新たなIPOブームを迎えた。149社の新経済企業が上場し、IPO企業全体の56%を占める。また、新経済企業が中国のA株市場や香港市場に戻る意欲が高まり、2019年に新たに2076億元の資金を集めた。アリババやキングソフト、新東方オンラインなど。

ここまでまとめただけでも相当な長さになってしまいました。ひとまず続きとしては

その② 2019年中国モバイルインターネットの発展特徴(2020年10月1日に更新しました)

その③ 今後のチャレンジと発展のトレンド(書いたらリンクを更新します)

を予定してます。

※この本の(中国語の)電子版は「皮书数据库」のデータベースでアクセスできます。(登録が必要、一部有料)


よろしければサポートをお願いします。Twitterも良かったらどうぞ! https://twitter.com/bijingbball