トランプが大統領になったら中国人移民は激減するのか？潤（ルン）に関する海外報道への違和感

先日アメリカ大統領選挙とトランプ大統領に関する中国ネット民の関心についてを紹介しました。たくさんの人が読んでくれて、日本の皆さんの注目の高さにびっくりしました。

今回はその続編。トランプ大統領が再度登場して発言を繰り返すなかで、移民の問題について注目が集まっています。なかでも、最近よく海外メディアに取り上げられた”潤“現象（ルン＝英語のrun）について、その詳細を紹介したいと思います。

（中国からの脱出することで、中国ではこの現象を「潤（ルン）」と呼んでいる。中国語のピンインではRunと表記されて、英語の「逃げる」と同じだから）

日本や海外で潤（ルン）について解説されている記事をいくつか読みましたが、表面的なことや中国批判のバイアスがかかったものが多く誤解を与えるものが多いと感じています。ここでは改めてルンとはそもそも何なのか、中国の人がどう思っているかを説明します。一部センシティブな内容もあるので、ご理解のうえ読んでください。

⬛︎中国から海外に、アメリカに“Run”する人たちは激増。どんな人たちなのか

中国からアメリカへ行く移民の数がここ数年あまりにも多く、アメリカ人が対処しきれないほどだと度々報道されていますね。アメリカの移民局のデータによると、2023年の中国からの不法移民は3万7439人に達し、これは2022年から1000%の急増となりました。

そもそも不法入国ってそんな簡単にできるのか？という疑問がありますよね。不法入国するルートや入国後の生活についても調査や研究が行われていて、かなり興味深い内容でしたので、こちらは後半に。

ここからの内容を理解するには、まずはルンを誤解せず認識していただく必要があります。そもそも誰がルンにあたる人たちなのでしょうか。中国で議論されるときのルンは不法入国とは違ったニュアンスで考えられます。日本や海外の報道では、ここを誤解していたり、（故意なのか？）同一のくくりで扱っている報道などがありました。