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3つの優れた新作ボードゲーム(Three great new games)

本記事は、Anthony Faber氏が2024年2月26日にBGG上に投稿した「Three great new games」の翻訳である。

短い記事で、タイトルのとおり、Anthony氏が新作ゲームで感銘を受けたもの3つを紹介するものである。特に付記するところはないだろう。

元記事は以下のリンク先を参照されたい。ヘッダー画像はみんなのフォトギャラリー機能を利用させていただいた。

昨日は素晴らしい日だった。日曜日に新作ゲームを3つプレイすることが珍しい上に、その全てが素晴らしいというのは更に稀だ。1つ注意点があるとしたら、その2つはリメイク作で、あとの1つは私がプレイしたことがある他のゲームであるが、どんな由来かは関係なく、私は独自性をそこまで重視せずに、ゲームデザインの全体的な強さのほうを重視する。さあ、はじめよう。

Pirates of Maracaibo

クレジット: Wouter (Tabletopping)

白状しよう。2023年にこの作品の発売を聞いた際は、興味がなかっただけでなく、盛大に批判していた。このゲームは、金儲けのためだけのちんけな粗悪品のように思えた。"誰が「マラカイボ」のカードゲーム版を求めているんだ?"と思った。私はオリジナルの作品が結構好きだった。そして、カードから"ボード"を作るなんて手間がかかるし、魅力がないように思えた。

すまんな。このゲームは、「マラカイボ」の短めの代替となるゲームとなるにとどまらず、ちゃんと意思決定の空間を増加させつつも、ほとんど全ての面でゲームを改善している。こうした改良の中心は、私が見下していたカードマップである。各ラウンドでプレイヤーは、ロンデルを用いてカリブ海を一周するのではなく、カードのグリッドの範囲を移動し、毎手番3スペース(カード)を動くこととなる。これにより、プレイヤーは、ただ市場からカードを購入するのではなく、到着した場所のカードを購入することとなるので、タブロービルドゲームにおいて私が今まで見たことがない空間的な要素を作り出される。こうして、基本の「マラカイボ」のカードの購入にはなかった計画立ての要素が作り出される。この要素は、適切なタイミングで適切なカードが市場に現れるかという幸運により左右されるように思える。

こちらのゲームでは、他のプレイヤーより先んじてカードを手に入れるために文字どおりのレースをすることができる。純粋な運に左右されることが多かった船をアップグレードするためにシンボルを揃える必要はない。そうではなく、島を訪れるたびにアップグレードが起こる。島は、プレイヤーが到着できる別の種類のカードであり、購入可能な代わりにゲーム中に停泊することができる。オリジナルのゲームでは10個かそこらのアップグレードしかなかったが、今ではおおよそ30個のアップグレードがある。そして、どのアップグレードを選択するかはより一層やりがいのあるものとなっている。

クレジット: Anthony Faber

カードや解除されたアップグレードを用いて獲得する新しい戦闘アクションが多くあるので、戦闘は同様に面白さが増している。プレイヤーはコストなくダイスの振り直しができるし、3つのダイスのうち1つのダイスを使用することができるので、新しいダイスロールには公平感がある。プレイヤーに対して国家の影響力をもたらすのではなく、プレイヤーは宝を手に入れて、得点や他の報酬のために埋めることができる。

話を続けられるけど、かなり少ない時間で「Pirates of Maracaibo」がより満足感のある意思決定をもたらしてくれることを言うのには十分だ。それに、プレイヤーら入植者というよりも侵略者であるので、このゲームはテーマ的な問題が少なくなったようにも思われる。もし、リメイク作を自分のリストに入れるとして、2023年にこのゲームをプレイしていたとしたら、このゲームは昨年の私のベストゲームリストの上位付近に位置していただろうさ。

アクア/AQUA

クレジット: Daniel Skjold Pedersen

私は海をテーマにした美しい空間パズルが大好きで、この新作はまさしく私のために制作されたように思える。複数の六角形タイルからなるタイルの山があるので、多くの人は「アクロポリス」を思い起こす。今では一部の人はこのゲームを「アクアポリス」と呼ぶ人もいるほどだ。けど、私が既存のゲームとの類似性を嫌がらない人間だとしても、これらのゲームは非常に異なる感想を抱く。「アクロポリス」が長期的な戦略を適切に実行していくことに重きを置いている一方で、「アクア/AQUA」は、もっと戦術的で、この手番でプレイしなければならないタイルを最大限活用していく。そして、「アクア/AQUA」の厄介さは、全く異なった得点要素を一つにしているところにある。

私は、実のところ、今までにこのゲームの土台となる前提(its base premise)を一度も見かけたことがない。六角形のタイルが3つに区分されていて、海洋動物を生み出すために、プレイヤーは、各タイルの3分の1が同じ色となるように3つのタイルが交わるように置かなければならない。大きな海洋動物は、2個以上の小さな海洋動物が隣接した場合に、タイルの上に置くことができる。そして、岩礁(reefs)は、小さい海洋動物を形成しない連続した色によって生み出すことができる。最後に、極めて価値の高い4つ目の得点要素があり、これはプレイヤーが達成している他の全ての事項の組合せで決まる。

最も長期的な計画立てが必要となるのはこのゲームのひある大きな1つの海洋動物に向かって構築していくという点であるから、全ての要素に考えどころがある上に変なストレスはない(relaxed)と感じる。このゲームはすぐに終わる。そして、こうした大きな海洋動物は、その価値である得点が減っていき、完全に消えてしまうので、レース要素がある。視覚的な鮮やかさと色を交差させるユニークなパズルにおいて、他のタイル配置ゲームの横にコレクションとしてこのゲームを置く余地がある。また、私は、将来的に何度もプレイすると予測している。今まで見たことがある中で最も厚いタイルを準備してくれたSidekick Gamesを称賛する。

Wyrmspan

クレジット: Anthony Faber

ウイングスパン」は、喜んでプレイするけど、絶対にプレイしたいとリクエストしないゲームというポジションを占めるゲームの1つである。わくわくするというよりも、着心地の良いセーターに似ていて、あまり考えすぎることなく、鳥のアートを楽しみながらプレイできる心地の良いゲームである。「Wyrmspan」は少し多くのことをプレイヤーに求めてくる。ただ鳥を見て(ここではドラゴンで、どっちのテーマも私は楽しめるね。)し、"良い、悪い、状況による"と言うだけというわけにはもはやいかない。そうして、全ての生き物がその状況によるという分類にされてしまって、タブローの構築が更に考えどころがあって満足できるものとなっている。

これに加えて、前作に加えられた最大の改善点は、1ラウンド中に1回以上、自分のエンジンの1つの列だけを起動させた場合のペナルティの科し方である。前作でのペナルティでは、ゲーム終了時に何も考えずに行う卵の大量発生が起こってしまう。この作品では、卵はあらゆる場所から生ずる。そして、卵の列の代わりに、ドラゴンを配置する前の新しい中間的な段階となる洞窟の列がある。報酬のある新しい(※生態学的)ギルド(guild)トラックと同時に、新しいセットアップによってより楽しくなるタイミングの問題が作り出される。具体的には、巨大な新しいドラゴンのコストをきっちりと支払うためにギルドトラックから必要なものを手に入れるといったものだ。

このゲームの見た目は完璧ではない。ドラゴンのアートや水彩画のタッチは楽しめるけれど、カードに多くのことを詰め込んでることでかなり減殺していると思う。しかし、ゲームプレイは、あらゆる取り得る手段を尽くして改善しているように思える。コインという新しいリソースには言及してこなかった。このゲームでは、アクションマーカーの場所を取ることに加えて、他の方法で消費したり獲得したりする可能性がある。つまり、プレイヤーは、通常のリソースのほかに貴重なコインを消費する特に強力なドラゴンを連れてきた場合には、ラウンド中に行うアクションが少なくなるかもしれなくなる。

クレジット: spot het spel

そうでなければ、プレイヤーは、ギルドトラックかほかのどこかで多くのコインをかき集められるのであれば、一、二個の特別アクションを得ることとなるかもしれない。私は、追加アクションによって、誰かの延長したラウンドが終了するまで自分が永遠に待ち続けなければならないという「タペストリー ~文明の錦の御旗~」の問題につながることを心配したが、少なくとも初回プレイでは、この懸念は顕出されなかった。

「ウイングスパン」が嫌いな人であるならば、このゲームがその思考形式を変えることはないだろう。私みたいにオリジナルのゲームが好きでも嫌いでもない人であれば、このリメイク作は、重々しくてテンポが遅いなんてことにならずに、これ以上に脳を限界まで使うことになる。

はい、これが素晴らしかった日曜日のゲームとなる。読んでくれて感謝、そして、もしプレイしたことがあるのであれば、以下のコメント欄でこれらのゲームに関するみんなの意見を教えてくれい。

以上

※Anthony Faber氏の記事としては、ほかに以下のものがある。

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