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『Beep21』 ササキトモコ 特別インタビュー サウンドで新しい風を吹き込んだクリエイター 〜クリエイター・リユニオン・ファイル Vol.6〜


過去のセガハードで多くのファンを
魅了した数々の名作、そしてそれらを
生み出してきたクリエイターのルーツと
初公開の足跡をリレーインタビュー形式で
お届けしている『Beep21』特別企画
「リユニオン・ファイルズ」

あの名作を生み出したクリエイターの
子供の頃の話やゲーム業界を志した経緯
なども含めた各インタビューは、ある意味
その人の「伝記」的な内容にもなっています。

セガハードヒストリアのレジェンド
クリエイターインタビューは『Beep21』で
そのコンプリート版を順次掲載していますが
それらと一緒に並べて読んでいくと
読み応えも増していくと思います。

▼Vol.1〜Vol.5  過去のインタビューシリーズはこちらから

6回目の今回はセガサターンの名作
NiGHTS into dreams…の楽曲や
ルーマニア#203セラニポージ
などを生み出してきた
ササキトモコさんが登場します!

なんと小学校1年から作曲の才能を発揮
数々の名作に新しい風を吹き込んだ足跡を
見ていきますが、今回は初公開の写真や
エピソードの数々
が満載で必見です。

現在は妹(ワカバ)さんとのユニット
東京ハイジとして活躍し、さまざまな
有名企業とコラボをするなど
現役でその才能を発揮している
ササキトモコさん。

今回はその幼少期から、ゲームと
関わりを持つまでの話、
そしてその後の活動に至る経緯を
貴重な写真を交えつつお届けします。

インタビューの最後には
ササキトモコさんのイラスト&
サイン入りCDのプレゼントも用意
しました!
※プレゼントCDの当選者は決定しました。(2023/12/31)

ササキトモコさんの関わった思い出深いメガドライブの作品「リスター・ザ・シューティングスター」の楽曲も収録されたCDアルバム『Mega Drive ~LAST ACTION HEROES~』。こちらにかわいい直筆イラスト&サインを入れていただきました! プレゼントは3名様に(※応募方法は記事の最後にあります)。(CD提供:株式会社ウェーブマスター

ぜひみなさん、最後までご覧ください!

※本記事はこちらから読むことができます(※下の「2023年間購読版」もかなりお得でオススメです)

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【ササキトモコ】1992年4月にセガに入社し、メガドライブ、セガサターン、ドリームキャストで活躍。現在ソニックシリーズのプロデューサーをしている飯塚隆氏とは同期入社。メガドライブで「アイラブ ミッキー&ドナルド ふしぎなマジックボックス(1992年)」「SWITCH(1993年)」「リスター・ザ・シューティングスター(1995年)」に参加した後、セガサターン「NiGHTS into dreams…(1996年)」で頭角を現し、「ChristmasNiGHTS(クリスマスナイツ) 冬季限定版(1996年)」「バーニングレンジャー(1998年)」を経た後、ドリームキャスト「ROOMMANIA(ルーマニア)#203(2000年)」では原案者として企画を立ち上げ、ゲーム内の架空のアーティスト”セラニポージ”も担当して話題に。2004年にセガ退職後は妹のワカバさんと東京ハイジとして活躍中。久しぶりとなる今回のインタビューではササキトモコさんの子供の頃の話から各タイトルの当時の秘話、最近の活動に至るまでたっぷりお伺いしました!

さまざまな形で活躍中のササキトモコさんの近況

──ササキトモコさんは、雑誌に初掲載された最初の取材の時以来、「ナイツ(NiGHTS into dreams…)(1996年)」や「バーニングレンジャー(1998年)」「ルーマニア#203(2000年)」など、たくさんの作品でお話を聞かせてもらい、連載記事なども毎回楽しませていただきました。

『セガサターンマガジン』1997年 3月28日号 Vol.9「セガプレス」のコーナー内に掲載された最初の連載コラム(※クリックすると拡大して見ることができます)。何気にここまでにササキトモコさんが手がけてきたメガドライブの作品についての経歴が語られていますが、その後の連載の中ではいろいろリアルな苦労話も明かされて、衝撃的な印象を植え付けられた読者の方がいたかもしれません。

──あの頃から20年以上つので、本当にご無沙汰ぶさたしておりましたが、最近も多彩な活動をされていて驚かされました。特に東京ハイジの活動では、いろんな企業タイアップ動画も手がけられていますよね?

ササキ 『東京ハイジ』ではサーティワンさんの日本上陸50周年を記念してB-Rサーティワンアイスクリーム株式会社とのコラボ動画を配信して、最近YouTubeに映像・楽曲を配信しました。

──東京ハイジは動画"総再生回数"が累計で3億回超えと聞きましたが、ものすごいですね。

ササキ ありがとうございます。東京ハイジはYouTube動画の再生数が多いこともあって、広告代理店の方からタイアップのお話がきたり、企業さんからもお話がきたりしてまして、そのご縁でいろいろな動画映像を作っています。あとは、ゲーム関連では、個人で「ひなビタ♪」というプロジェクトに関わらせてもらってまして、先日10周年イベントに参加して、初めての、ステージでのトークショーも経験しました。

──今もとにかくご活躍の幅が広くて、本当に素晴らしいですね。さて、ササキさんは雑誌時代には関わっていたゲームタイトルのお話を取材で聞くことはあったのですが、そもそも幼少期はどういう過ごされ方をしていて、その後どういう経緯でゲーム業界を目指すことになったのか?あたりはあまり聞く機会がなかったと思います。今日はそうした”ササキさんのルーツ”も含めておうかがいしていければと思います。

オーディオマニアの高校英語教師の父親の元で

──ササキさんは、青森県生まれ、とのことですが子供の頃はどんなご家庭でした?

ササキ 私の父親が高校の英語教員で、いわゆるオーディオマニアで、音楽がいつもそばにある環境でした。

──オーディオマニアのお父様だったということは、音楽環境がいきなり抜群なご家庭だったという感じがしますね。家ではいつも音楽が流れているような感じですか?

ササキ 父親がエアチェックをマメにしていて、カセットテープが天井のたなにまでずらっと並んでいました。

──FMラジオなどで流れる曲をエアチェックして、カセットに録音する...そういう時代でしたね。

ササキ 子供部屋にはスピーカーが設置してあって、朝になるとそこからビバルディバッハが流れてきまして。でも、クラシック音楽だけではなく、マイケル・ジャクソンなどの洋楽も流れてました。

──さすがオーディオマニアなお父様という感じがしますが、流行はやりの曲も流すなんて、洒落しゃれ親御おやごさんですね。

ササキ 父は洋楽ではビートルズが特に好きだったみたいで、私がピアノで伴奏を弾いて父が英語で歌う、なんてこともありました。

幼稚園の頃から"ピアノ人間"だった

──ササキさん自身は何か音楽を?

ササキ 私は幼稚園の時からピアノが大好きなピアノ人間でした。習うきっかけも「ピアノを習わせてくれなきゃ幼稚園に行かない」と親をおどして、無理やり習わせてもらっていました。

──幼稚園の頃に自分からピアノを習いたいというのは、すごいですね。かなり小さい頃からピアノをいていらっしゃったんですね。

ササキ 親から言われて、やらされて……ではないところがポイントですね(笑)。家にはピアノがあったわけではなくて、友達の家にエレクトーンがありまして。それを少しさわってみたら「すごくいいな」と思って。「猫ふんじゃった」が完璧にけるようになりたかったんです。それでピアノを習いに行った記憶があります。

歌番組と歌謡曲

──ピアノ好きから音楽と接点が?

ササキ 音楽はピアノだけではなく、歌番組がとにかく大好きで。でも父親が厳しくてテレビを見せてくれなくて。父親がいない時にこっそりNHKの「レッツゴーヤング」を観ていました。

──「レッツゴーヤング」は当時流行ってましたよね。

ササキ 私にとって一年の中で一番素晴らしい日は大晦日おおみそかで。「レコード大賞」や「紅白歌合戦」は(父親からも)観せてもらえたので、とにかく歌謡曲が大好きでしたね。

──当時は民放だと「ザ・ベストテン」など、いろいろな歌番組も放映されていましたが、そちらは観ていましたか?

ササキ それは父が家にいる時間に放送していたので、観られなかったんですね。あとは本屋さんで『明星』というタレント誌を買ってました。この雑誌の付録には歌本が付いているんですね。(付録の)楽譜と歌詞を見て、知らない歌謡曲の楽譜を歌って「こういう曲なんだ、へー」って聴いたことがないものまでなんでも知りたかったんです。

音楽は聴くだけでなく小学1年生から作曲も

──音楽に囲まれた生活だったんですね。ピアノを習いに行ってその後は?
ササキ ピアノは4歳からで、『全音ピアノピース』という、有名な曲を1曲ずつ買えるシリーズがありまして、当時は1曲200円くらいで楽譜が買えたので、「エリーゼのために」や「乙女の祈り」を買ったりしました。少ないお小遣いで楽譜を買うのを繰り返して、たくさん集めて、自分で弾くのが趣味で、とにかく本当にピアノが大大大好きでした

──ピアノは最初の頃から買ってもらいましたか?

ササキ ピアノを買ってもらったのは小学校2年生の時です。それまでは小さいオルガンで。

あの坂本龍一に採用された「逆さ戦メリ」

──小さい頃から曲を聴くだけではなく、アウトプットも?

ササキ 時系列で言いますと、小学校1年生の時に作曲をするんですけど...。

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