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noteは小説より奇なり

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時々、思いついたら書いている小説集です。 連続短編小説「短い時間の長い瞬間」「Stairway to Heaven」「不幸中にしか幸せはないのか...」など
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#短い時間の長い瞬間

短い時間の長い瞬間 (最終話)

短い時間の長い瞬間 27[短い時間の長い瞬間(最終話)] ツツジの枝の隙間から相変わらず青…

イトカズ
2年前
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否応なしに動き出す3人の時間

短い時間の長い瞬間 26[否応なしに動き出す3人の時間] 美涼は、居酒屋の店長のところから…

イトカズ
2年前
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ひとときのありふれた日常、愛おしく輝き

短い時間の長い瞬間 25[ひとときのありふれた日常、愛おしく輝き] 朝食の準備は剣志と綾乃…

イトカズ
2年前
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日常の片隅にある、迷いの世界で

短い時間の長い瞬間 23[日常の片隅にある、迷いの世界で] 朝食には手をつけないまま、菜津…

イトカズ
2年前
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さまよう手、春の終わりに。

短い時間の長い瞬間 22話[さまよう手、春の終わりに。] 美涼はバッグの中に手を突っ込み、…

イトカズ
2年前
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進む時間と停滞する時間の交差点

短い時間の長い瞬間 21話[進む時間と停滞する時間の交差点] 剣志は美佳と綾乃との生活をし…

イトカズ
2年前
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うわべだけのパラドクス

短い時間の長い瞬間 20話[うわべだけのパラドクス] 7階の窓から見る東京の街は、高いビルや低いビルが遠いところまで余すところなくひしめきあって、大勢の人々が行き交い、車やバイクがひっきりなしに走り、デリバリーの自転車もぶつかりそうになりながら目的地へ急いでいる。やはり東京は日本の中心なのだなと菜津は思う。 生まれてから33年間ずっと東京に住んでいるが、朝昼晩じっくりと東京の街を眺めて過ごしたことはなかった。 旅好きで何度も飛行機やセスナには乗っていたが、空の上から見る街と

愛のかけらもない、逃避行

短い時間の長い瞬間 19話[愛のかけらもない、逃避行] 美涼は東京行きの新幹線に乗っていた…

イトカズ
2年前
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散ると知りながら咲くことを恐れない

短い時間の長い瞬間 18話[散ると知りながら咲くことを恐れない] 4月に入り、剣志の周りは…

イトカズ
2年前
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曇天の空の下、きっとここが分かれ道

短い時間の長い瞬間 17話[曇天の空の下、きっとここが分かれ道] 日曜日の午後、菜津は明日…

イトカズ
2年前
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失われた世界への悲しみがとまらない

短い時間の長い瞬間 16話[失われた世界への悲しみがとまらない] 剣志が帰ったあと、目を覚…

イトカズ
2年前
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再会の合図は不確かな事情により

短い時間の長い瞬間 15話[再会の合図は不確かな事情により] 菜津が勤める会社の休憩室では…

イトカズ
2年前
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あふれんばかりの奇妙でわがままな願望

短い時間の長い瞬間 14話[あふれんばかりの奇妙でわがままな願望] 綾乃は3時の休憩時間に剣…

イトカズ
2年前
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忍従せざるを得ない不機嫌な人生

短い時間の長い瞬間 13話[忍従せざるを得ない不機嫌な人生] 菜津は会社を2時半で早退して大学病院の相談室にやってきた。 上司に早退の理由を聞かれて「胃の検査で何かひっかかってしまって病院に呼び出されています」と、そのまま正直に伝えた。心配をかけるかなとも思ったが、相手は会社の上司であって家族とは違う。正確に物事を伝えることの方がいいに決まっている。でも両親にはこのことは言っていない。古い人間だから「検査でひっかかって...」などと言うともう余命宣告をされたかのように戸惑う