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スタディーノート4−1ロヒンギャコミュニティを訪ねて

ミャンマー・ラカイン州シットウェにはロヒンギャ国内避難民キャンプが点在している(internally Displaced Persons:IDPs)。そこには2018年8月25日にバングラデシュに逃れた者とは別にシットウェで隔離されているロヒンギャが居住している。私のような観光客はもちろん、外国人の立ち入りは禁止されておりキャンプの前には大きく“POLICE”書かれた青いボックスの検問が置かれている。バングラデシュの広大な難民キャンプに比べ、国際社会の視界には写りにくい場所であることに間違いはない。

シットウェ滞在4日目である本日は、これまでと比べ晴れ間の多い日であった。歯を磨きに外へ出て好機であると確信した。ホテル前の食堂で朝食を済ませ、念のためにレインコートを購入して出発した。アラカン人のフロントマンには「ビーチへ行ってくるね」と言う。ロヒンギャ居住地域の位置は以前からある程度把握しており、ホテルから近い場所から虱潰しに向かうことにした。最初のキャンプに続く道へ出る。案の定、青いボックスが立っており中には人と無機質な筒状のシルエットが見える。横切ろうとした瞬間、怒号が飛ぶ。

“No!“。

彼らは街中で見る警官の表情とは一線を画すような鋭い眼光を私に向けた。筒状の機械で追い払うジェスチャーをした。それほど外国人がロヒンギャに触れることはタブーの地なのだ。他の場所も同様ならばもう諦めるしかないな、と落胆の念を抱きながらそのまま6キロも離れた場所へ向かうこととなった。

二車線ある国道を直進する。徐々に界隈の店の数は少なくなり、車種も旅行用のバンが増えてきている。ロヒンギャコミュニティを探しながらひたすら国道を直進する自分。1年と5ヶ月前、初めて彼らとの邂逅を果たすまでの道のりを思い出す。左側には軍の施設があり高い壁が連なっている。地図には国道を左折して直進したところにピンが刺さっている。ちょうど左折する地点に軍兵士が座っているのを見て思わず鼻から大きく息を吐いてしまう。どこか悔しかった。彼らの銃を持ちながら追い返す姿に私は完全に萎縮していた。30秒考えて出した答えが「バカな外国人」を装うことだった。眉毛を逆なでし、ボサボサにした状態で話しかける。進みたい方向を指差しながら「ミングラーバー まいふれんど いんさいど。あいむじゃぱにーずすちゅーでんと」。

あちらは笑顔のまま理解できないビルマ語で話しかけてくる。どうやら進んで良いらしい。成功と言えるのだろうか。検問所の兵士によっては明日は入れないかもしれない。目を細めて遠くを見るとイスラムワッチを被った人が見えた。どうやらたどり着いたようだ。

写真・コミュニティ内の学校。日曜日であるためお休みである。黒板には英文が書かれている。
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