みつばちとスズメバチと私
気になっていることが一つある。オオスズメバチの取りすぎ、だ。オオスズメバチはとにかく私でも怖い。キイロスズメバチが可愛く見えてしまうほど、大きくて、威嚇してくるスズメバチは脅威だ。ただ、これ、本当かな、って思い始めた。
きっかけは、スズメバチが外を飛んでいるのを今年2、3回見かけたのだ。今まで見たことのない場所で、みつばちとは全く関係のない場所で。養蜂家になってから、多分動体視力が良くなっていて、瞬時にみつばちかスズメバチがの見分けがつけられるようになっている。そして、オオスズメはなおのことわかりやすいので、飛んでいたら必ず目がいく。街を歩いている時、家で洗濯物を干している時、車を運転している時、スズメバチが飛んでいた。要するに、普通にその辺に存在しているのだ。私が今まで気づかなかっただけなのだ。と、いうことは、気づいていないけど存在しているものということで、共存しているって言えないかな、と思った。
スズメバチは怖い。だけど、その辺に普通にいて、私たちと同じように暮らしているものだ。要するに、棲み分けが大事で、撲滅させてはいけない。みつばちを食べるのは自然の中の摂理なのだ、とずっと自分に言い聞かせている。オオスズメバチがみつばちの箱に入られて全滅させられたら困るけど、最初から存在を消すほどとってしまってはいけないのだ。
そして、新たな脅威として養蜂界では、対馬から入ってきたと言われる外来種ツマアカスズメバチというキイロスズメバチと同等レベルの肉食の蜂がみつばちを襲う被害が増えている。これは九州の方の話で、まだ本州では聞かない。これを捕食するのがオオスズメバチしかいないということになると、オオスズメバチの存在が重要であるということになってくる。そもそも、オオスズメバチが減るとキイロスズメバチが増えすぎるということも言われている。やはり、自然界のバランスを人間の都合で崩してしまわないことが大切なのだ。怖いけどね。
みつばち、スズメバチ、人間、それぞれの思惑があるけど、なんとか棲み分けていきたい。尊重しあって生きていくことはできないのだろうか。人間がみつばちを守りたいと思うことすらエゴなんだなぁって、時に苛まれる。そして、今日もスズメバチを取るしかない毎日だ。