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IT提案の年間アクション概要

4月から新年度となる企業が多い中で、
この時期に今一度IT提案における
年間アクションを見直しておく
ことが重要と思い、自身の経験も踏まえて、
一般的な概要を記載しました。
(ITに限らず他業界でも同様かとは思いますが)

まず、顧客側スケジュールを、
大きく2つに分ける事が出来ます。
①今年度の予算消化
②来年度予算の確保

筆者作成

Q1

3月決算のお客様と仮定し、4月から新年度が
開始されると、まず今年度使う予定の予算が
明確になります。

お客様側のその年度のIT投資予算は
おおよそ、上期/下期に分けて
管理されることも多いかと思います。

・情報収集と提案準備

Q1のタイミングで行うこととしては、
今年度の予算額
・どのようなプロジェクトが
 織り込まれているのか
・新たに提案が可能そうな見込みの
 あるトピックや先方の中での優先度

などの把握です。

その上で、今年度実施予定として
新たに提案が可能な領域があれば
提案活動を行っていきます。
ただし、金額の大きい投資であれば
前年度から見込んでいるケースが多く、
年始に提案して、その年度内で
大型案件を受注、ということは
数としては多くないかと思われます。

よって、主には来期向けの提案トピック
の精査と、提案の見極めを行っていきます。


また、昨年度から来期予算として
織り込んでもらっている案件があった場合、
問題なくプロジェクトを遂行してもらえるよう
Q1,Q2でフォローアップをしていく
必要があります。(成約、売上を上げるため)

Q2

様々な上期のプロジェクトが進行
されていく中で、場合によって、
予算超過などが発生します。
そのため、下期の予算の見直しや
修正といったことも行われます。

・プロジェクト遂行フォロー

昨年度から下期実施予定
として織り込んでもらっている案件が
あった場合、Q2,Q3で、上期同様、
ペンディング等にならず無事に実施頂けるよう、
フォローならびに確認が必要となってきます。

・来期プロジェクト化支援

また、大企業の多くは、Q2に入った
あたりから、来期予算の概算集計を始めます。

よって、これより前のQ1の段階から、
・予算申請、承認プロセス、所要期間
・来期向けの提案トピックの洗い出し
・お客様の中での優先度

などを把握しておく必要があります。

その上で、
来期の予算計上に向けた支援、
つまり概算金額の提示や、プロジェクト化
に向けた上申資料の作成などのアクション

必要となります。

Q3

・プロジェクト遂行フォロー

下期に入り、最終的に今年度使用できる
下期の予算が確定されます。ここで、先述の通り、
予定していたプロジェクトが
問題なく実施頂くよう、フォローを行う。

・来期プロジェクト化支援(本格化)

Q3になると、Q2での概算レベルの予算
を更に精査し、承認プロセスが走り出します。

よって、より精度の高い見積りの提示や
想定スケジュールに加え、承認を得るための
様々な情報の開示を求められます。
費用対効果や、現場向けデモの実施、
プロジェクトの支援体制、他社事例など。

提案先の部署、ならびに提案プロジェクトで
費用を負担する部署の予算申請状況や、
下期に行われる本格的な予算承認プロセス
を見守り、適宜情報収集をしながら
必要な支援を行っていきます。

Q4

・売上計上と余り予算向け提案

年度の最後までに、前年等から
提案して今期予算が確保されていた案件を、
きちんと執行して成約、売上を計上
していく必要があります。

また、予算の余りが出ることで、
追加で急ぎ投資をされるケースもあります。

よって、提案する立場としては、そのような
余り予算での提案のチャンスの有無を逃さず、
可能であれば提案を行うことも必要です。

・来年度予算化確定

Q3までの活動の結果、Q4までに、
提案している内容がプロジェクト化し、
来期予算として計上されたことを
確認する必要があります。

このQ3あたりからの予算申請、
計上のタイミングを逃すと、
どれだけ良い提案でも、来期に
実施されることは難しくなります。
(一般的に)

また、先方が大手企業の場合、
合意形成やプロジェクト化、予算承認
などで時間を要することもあり、
プロジェクト実施は来々期になる
ということも少なくありません。

その場合、このQ2以降のプロジェクト化
支援が長期にわたることになります。

大切な2つの軸

それは、
・短期
・長期

の2つの時間軸を常に頭に入れておくという
ことです。

短期の時間軸とは、
今日提出する見積り、
明日提出予定の提案書、
今月検収予定のプロジェクト
など、直近のタスクを把握し
遂行していく時間軸です。

一方、そればかりを追いかけて
忙しく過ごしていると、顧客側の
年間計画にあるような大きな流れを
見逃してしまう恐れがあります。
それはつまり、来期の案件が確保
されないというリスク
を意味します。

よって、長期的な軸で、
大きな年間の重要イベントを把握し、
定期的にそれらの状況を確認しながら
必要なアクションを短期の軸で
予定を立てていく
ことが大切です。

お勧めは、四半期もしくは月次で
長期の予定を今一度見直し、
必要なアクションとそれの進捗を
確認する時間を取ることです。

カレンダーに登録し、アラート設定
しておくと、忘れずにすみます。

また、これはIT提案のみならず、
目標貯金額達成、TOEIC目標スコア取得、
資格取得など、人生の様々な事柄にも
応用できます。


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