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ケース面接のここを直すべき!の話(コンサルファーム編)

こんにちは、コンサル転職の中の人、「コン転」です。

現在、事業会社などで勤務されていて、未経験でコンサル業界に行きたい方(就活生含)を主な読者の対象にして、noteを投稿しております。

今回は、ケース面接のここを直すべき!というテーマについてpostさせていただきます。

今回も前回に続き、就活生やコンサル業界への転職を目指す人におすすめの内容です!

ケース面接は、上位のコンサルや戦略コンサルを志望する人にとって避けては通れない道です。

私自身も、最近ケース面接の指導をすることが増えました。そのときに、ケース面接での回答が浅い・狭い回答になっている人もかなり多く見られます。

ですので、ここで言っている「浅い」「狭い」とは何を指しているのかを実例を用いて説明できればと思います。
実際のケース面接のように精緻に背景を記載すること等はしないので、本noteを踏まえて、自分のケース面接での回答が「浅いものになっていないか」「狭いものになっていないか」を確認してもらえればと思います。

本noteを少しでも良いと思ったら、noteやTwitterでシェアいただけますと幸いです。

ケース面接での「浅い」回答例

例えば、お題が「広島県の年あたりの観光客数を試算してください。また、クライアントが広島県だとして、広島県への観光客を増やすにはどうすればよいか?」とします。
ここで、志望者の浅い回答としては、
「広島県の年あたりの観光客数は、XX万人です。観光客数は国内の観光客数と国外からの観光客数に分けて・・・・・・・・・。また、観光客を増やすには、キャンペーンを打つことが有効です。広島県は原爆ドームや厳島神社などがあり、観光資源が豊富だからです」が挙げられます。



これを見た面接官としては、
・今でも広島県はいろいろキャンペーンを打っているけど、どうしてそれが打ち手になりうるの?
・キャンペーンを打つとしたときに、どのようなキャンペーンを打つことが有効だと思っているの?
・キャンペーンは誰に向けて打つのが良いのか?

など、いろいろ質問が出てしまいます。

ケース面接では、あえて面接官に質問してほしいように質問の余地を残すという高度なテクニックもなくはないのですが、そのようなことをしなくてもケース面接はちゃんとやれば通る面接なので、シンプルに真摯に回答しましょう。

また、例えば、

「広島県の年あたりの観光客数は、XX万人です。観光客数は国内の観光客数と国外からの観光客数に分けて・・・・・・・・・。また、観光客を増やすには、60代以上でかつ金銭的に余裕のある国内の高齢者に対して、TV CMを打つことが有効です。広島県は原爆ドームや厳島神社などがあり、観光資源が豊富です。また、海外からの旅行者で広島県に旅行する人はどのような施策を打ってもそこまで増えないと思うので、国内で、かつ金銭的にも時間的にも余裕のある高齢者層に向けて、彼らがよく見ているTVを使って、広島県の魅力を伝えるキャンペーンを打つことが有効だと考えました。」
といった回答でも、戦略コンサルなどの面接を通過することは難しいでしょう。

なぜか少し考えてみましょう。



正解を言うと、この回答では、
①消去法的に国内のある層をターゲットにしており、
②今TVCMを打てていない理由は何なのか?また、今すでにTVCMを打てているとすれば、どうして同じことをやる必要があるのか?今までの施策との違う点はなんなのか?と言う問いに答えられていないからです。

詳しく解説しましょう。

①については、
回答では、「海外からの旅行者で広島県に旅行する人はどのような施策を打ってもそこまで増えないと思う」と言う理由から、「国内で、かつ金銭的にも時間的にも余裕のある高齢者層」をターゲットにしています。つまり、消去法を使っているわけなんですが、消去法を使うのはケース面接では適切なのでしょうか?
消去法で言っているのは、あくまでも「消去法の対象となっている層がナシであること」と言うことのみです。

つまり、魅力的でない層A、あまり魅力的でない層B、そこまで魅力的でない層Cとあったときに、仮にAという選択肢を消去法で消したとしても、BとCが魅力的であるとは言えないですよね。
なので、消去法を使って、ある帰結に至ることはケース面接上だとほぼ不可能です。(一部、AとBが排反である選択肢である場合、Aを否定すればBは成り立つが、ケース面接の性質上、そのようなお題が出ることは多くはありません)

②については、
実際のコンサルティングプロジェクトでもありますが、クライアントにAという施策を提言するときに、どうしてそれが今できていないのか?できているのであれば、提言するAには既存の施策A’とは何が違うのか?を突き詰めて考える必要があります。
回答では、この考えが抜けています。実際に広島県が国内全体でTVコマーシャルを打っているかどうかは知りませんが、打てていないとすればどのような要因があるのでしょうか?逆に打てているとすれば、どのような差別化ポイントを以て同じ施策をするべきなのでしょうか?
(これは、今ここでの議論は割愛するので、興味がある方は、twitterでのDMなどで議論できればと思います!)

ケース面接での「狭い」回答例

先ほどとお題が同じとしましょう。
「狭い」回答例としては、「広島県の年あたりの観光客数は、XX万人です。観光客数は国内の観光客数と国外からの観光客数に分けて・・・・・・・・・。また、観光客を増やすには、60代以上でかつ金銭的に余裕のある国内の高齢者に対して、TV CMを打つことが有効です。広島県は原爆ドームや厳島神社などがあり、観光資源が豊富です。また、海外からの旅行者で広島県に旅行する人はどのような施策を打ってもそこまで増えないと思うので、国内で、かつ金銭的にも時間的にも余裕のある高齢者層に向けて、彼らがよく見ているTVを使って、広島県の魅力を伝えるキャンペーンを打つことが有効だと考えました。」が挙げられます。(先ほど書いたものと同じです)

何が狭いのでしょうか。少し考えてみましょう。



正解を言うと、
①そもそも広島県は、どうして観光客数を上げたいと思っているのか?
②観光客を増やすためには、マーケティングしか方法がないのか?
③マーケティングの中でキャンペーンを打つ以外には何か方法がないのか?
という観点が抜けています。
(③はできている人が多いですが、①②ができている人は多くはない所感です)

詳しく説明しましょう。

①については、広島県はどうして観光客を増やしたいと思っているのでしょうか?
1観光客を増やすことで、広島県への魅力をより多くの人に知ってもらって、移住してもらえる人を増やしたいから
2観光客を増やすことで、広島県での消費活動を増やし、税収を増やしたいから
3観光客を増やすことで、観光業・宿泊業をはじめとする産業を活性化させて、新規雇用を創出させたいから
など、いろいろな理由があると思います。どれが今回のお題の理由になるかは面接官と議論すれば良いかと思いますが、例えば、1であれば観光客を増やすことのみに関する施策を打てば良いかと思いますが、2(や3)であれば、観光客を増やすことに加えて、観光地での消費を活発にすることができる施策を打つことが必要になります。

②については、観光客数を増やすためには、マーケティングが想起されやすいですが、本当にそれだけなのでしょうか?
例えば、鉄道会社・航空会社に働きかけることで、観光シーズンのみ列車・飛行機の本数を増やす・深夜でも運行するといったことを行うといったことは考えられないでしょうか?
通常、広島県に行く際には、列車か飛行機で行くことがほとんどです。それの利便性を上げるといったことは施策として考えられます。(この施策はステークホルダーが多く、実行難易度が極めて高い案なので、ボツにはなるとは思いますが、幅出しの観点としては重要です)
または、観光コンシェルジェのように、広島県に旅行する人に対して、旅行手段から泊まるホテル・観光スポットのチケットまで一括で取ってあげるサービスを作るといったことも施策としてはあるかと思います。

③については、マーケティング=キャンペーン(=広告を打つこと)となっている人が多いですが、本当にそれだけなのでしょうか。
例えば、広島県が、独自でgo to travelのような施策を行ったり、ワーケーション補助金などを出したりすることも考えられるのではないでしょうか?

といった具合に、ケース面接でのアウトプットの質を上げていきましょう。

まとめ

今回は、ケース面接のここを直すべき!というテーマについて話しました!

ケース面接では、面接官・企業との相性で合否が変わってしまうこともままあるかと思います。
しかし、それ以前に、「誰が見ても妥当な」回答を最初に答えられる志望者が少なすぎます。

また、コンサルファームでで面接官の経験がある方などプロと壁打ちしなければ、ケース面接の技能は向上させづらいです。
したがって、まずは、身近でケース面接をするのに適正な人を見つけてくることが必要です。

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それでは!

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