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フランク・ロイドのヰタ・セクスアリス - 時代考証

駄文を書いておりますフランク・ロイドであります。

フランク・ロイドのヰタ・セクスアリス

駄文は売り物になりません

まあ、こういう駄文は売り物になりません。下書き程度でしかありません。

書き込みが足らない。風景描写を多くして、会話を減らして、冗長な文章をテンポよくしないといけませんが、売りたいわけでもなく、書き散らかしで放置しております。

さて、今進行中なのが、『雅子』編(一旦終わり)

フランク・ロイドのヰタ・セクスアリス
 ー 雅子、総集編

と、『真理子とメグミ』編

フランク・ロイドのヰタ・セクスアリス
フランク・ロイドのヰタ・セクスアリス ー 真理子とメグミ
フランク・ロイドのヰタ・セクスアリス ー 雅子(Ⅹ)、渋谷、屋根裏

フランク・ロイドのヰタ・セクスアリス ー 雅子、総集編
フランク・ロイドのヰタ・セクスアリス ー 真理子とメグミ(Ⅰ)

フランク・ロイドのヰタ・セクスアリス ー 真理子とメグミ(Ⅱ)
フランク・ロイドのヰタ・セクスアリス ー 真理子とメグミ(Ⅲ)

なんですが、時間軸が1977年(昭和52年)です。

読んでいて、あれ?と思われる人もいるかも

読んでいて、あれ?と思われる人もいるかも知れません。なにせ、携帯電話もPCもない時代。喫煙が悪とは言われていない時代の話です。が、若い世代にはわかりにくい。

この時代、電話といえば、固定電話しかありません。各家庭に据え付けられたダイヤル式固定電話。そして、テレフォンカードも使えない、機種によっては百円玉も使えない駅の売店の横の公衆電話、公衆電話ボックス。

そういう時代のデート、待合せの方法

そういう時代のデート、待合せの方法なんて、若い世代は想像もつかないでしょう。

いったん、固定電話のある実家/アパートを離れたら、相手に連絡するためには、公衆電話を使う。相手も固定電話のある実家/アパートを離れてしまったら、お手上げです。

さらに、公衆電話を使うためには十円玉が必須。夜、実家を出て、密かに十円玉を五十枚ほどポケットに入れて、彼女の実家に長電話をかけたこともありました。

冬なんか悲惨です。電話ボックスが塞がっていたらさらに悲惨。ボックスの周りをウロウロして、電話をかけている他人から「せかすなよ!」という冷たい視線も浴びないといけません。

 真理子がドアを閉めて部屋に入った。もう十一時四十分。蒲田もダメだな。さて、どうしようかな?と僕は公衆電話を探した。あったあった。 
 公衆電話ボックスに入って、僕はダイヤルした。
 でも、あいつら、部室を出たのが六時頃でしょ?二時間本屋で本探しして、ちょっとお茶を飲んだって九時じゃない?九時に御茶ノ水で別れたとして、フランクの横浜の家につくのは十時。もう家に帰っているはず。そうしたら、普段のフランクだったら家から私に電話をかけてくるはずじゃない!今、何時よ!十一時三十五分?!
 電話がなった。こんな遅くに誰?実家からかしら?例の件?
「モシモシ?小森ですが・・・」
「雅子、遅くに電話してゴメン。真理子に手こずっちゃってね、家にさっき送っていたんだ。今ね、四谷なんだよ。終電、なくなっちゃってさ。明日、泊まるはずだったけど、今晩、泊めてくれない?」
「私の部屋じゃダメ?もしかしたら、旦那から電話があるかもしれない。ドバイと日本は時差が五時間あるから、真夜中に電話がかかってくることもあるのよ。向こうの六時は日本時間の十一時だから」
「いいですよ。じゃあ、今晩は美沙子さんの部屋っていうことで」

携帯があればこうはならない。信じられない世界に住んでいたものです。

喫煙。

あの頃の東京は、今よりも遥かに汚く、そこここで煙草の吸殻を見かけたものです。煙草だって、国産品にはメンソールはなく、大きなタバコ屋かデパートの煙草売り場で洋もくなるものを買うしかありませんでした。高かったしねえ。

女性も結構タバコを吸っていました。今ではありえない大学の部室の中(室内)とか。屋外にも四角い赤い缶の吸い殻入れがあって、そこで三々五々、みんな吸っていた。信じられないでしょうが、国鉄の駅のホームに痰壺まであったんですよ。

 雅子は僕の腕を引っ張って、二号館の外に出た。なんだ、強引だな。外の灰皿のおいてある場所に行く。僕がタバコを吸うと、「一本頂戴」と珍しく雅子がタバコをねだった。渡して火を付けてあげた。「話ってなんだい?真理子が不審がってるよ」「それがさ、ゆっくりじゃないと説明しきれないのよ。明日、夜、空いてる?泊まっていかない?」「いいよ、何の話さ?」「今、数分じゃ言えないの。私とあなたのことにも影響する話。気をもたせてごめんなさい。でも、ゆっくり話さないといけない。真理子ちゃんと御茶ノ水、行くんでしょう?だから、明日、ゆっくり」「いいけどさ。気になるけど、明日話してくれるんだね?いいよ」「真理子ちゃんには、何の話か、どう説明する?聞かれるわよ。私とキミと、付き合ってないのに、関係ないのに連れ出したんだから」「そうだね、う~ん、由美と秀明の話の相談ってどう?」「フランク、キミ、頭回るじゃない!」と言う。
 私達はベランダに出た。「そのハーフ&ハーフって見せて」と言うと、彼は私にパッケージを渡してくれた。斜めに赤と白のスラッシュ、それに緑色のパッケージ。「バーレーとヴァージニアの葉巻煙草を半分ずつミックスして、紙巻き煙草にしたものなんです」「へぇ~、オシャレだね。吸ってみてよ」彼が火を付けて吸い込むと、本当に葉巻の香りがした。「ちょっと吸わせて」と彼から紙巻きを取り上げる。ふ~ん、いがらっぽいかな?と思ったけど、バニラフレーバーで甘いわね。これはおいしいな。「おいしいじゃない。でも、女性に常用は無理ね。体とドレスに匂いが付くもの。セーラムをちょうだい」彼に渡されて火をつけてもらった。

コンビニなんてない

 コンビニなんてないんです。今では下町にあるくらいの商店がそこここにあった。惣菜屋で揚げ物を買い、おでん屋で鍋を持っていっておでんを買う。串カツの竹串は雑貨屋で買う。不便極まりない時代でしたが、今よりもよかった部分も多い。

 由美の部屋は、早稲田通りの近くのアパートだ。アパート近くで買物をして、作ってあるおでんを鍋を持っていってたくさん買った。僕も「じゃあ、ウィスキーは僕が買うよ」というので、サントリーのダルマを二本買った。おでんはお店の作り置きだから、温めるだけ。夕方の早い時間からおでんをつついて、ウィスキーを飲み始めた。
 夕方、具材の買い物に三人で行った。豚肉の肩ロース、バラ、大葉、生しいたけ、ししとう、エリンギ、ナス、かぼちゃ、イカ、レンコン、アスパラ。こんなものじゃない?って美沙子さん。串がないわね。竹串、どこで売ってるの?と探し回った。雑貨屋にあった。お酒はっと?お酒はパパのストックがあるからいらないって美沙子さんに説明した。フランクを挟んで三人で手をつないで帰った。狭い神楽坂の歩道で迷惑だったね。ごめんなさい。

いくらかは、私でも、時代考証なんてのを考えておりまして

やれやれ。



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