ビートルズとスティーブジョブズ

かのスティーブジョブズはビートルズの大ファンである。

社名をアップルとしたのもビートルズが立ち上げたレコード会社、アップルにあやかったと言われている。

1978年、ビートルズのアップルが社名について訴訟を起こし、以降2000年代まで繰り返し、訴訟が行われていたが、最終的にジョブズのアップルがビートルズのアップルの商標権を5億ドルで買い取ることで和解した。 

ジョブズは 「われわれはビートルズを愛しており、その商標をめぐって争っていることにずっと胸を痛めていた。将来また争いになる懸念がない形でこの件を円満に解決でき、とてもうれしく思う」 と発表し、これがきっかけでiTunesでビートルズの曲を扱えるようにもなった。 

ジョブズは、自身のビジネスとビートルズの関わりに関してこんなことを言っている。

 「私のビジネス・スタイルは、ビートルズに由来しています。 正確に言えば、ビートルズのメンバー間の関係です。 メンバーの4人は、何時も、他のメンバーがもたらす、外からの影響、流行り、考えなどに目を光らせています。

 特に、マイナスをおよぼしそうなメンバーの考えや意見には、妥協せずに、指摘しあいます。 

結果として、4人分の創作成果ではなく、何十人分にも相当する創作成果を産み出すことが出来ているのです。


これこそが、私の願うビジネス・スタイルなのです。 独りでは、ビジネスを成功させることができません。 

沢山の参加者が、忌憚のない意見を言い合えてこそ、現代ビジネスを成功させることができると確信している次第です。」 


ジョブズには独善的で辛辣というイメージもあるが、本人は自分だけではビジネスの成功をさせることができないことを認識した上で、彼なりのやり方で忌憚のない意見を言い合えるチームの先頭を走ってるつもりでいたのではないだろうか! 

そしてその確信を実行し、成功に導いたイノベーターである。

日本のビジネスはアメリカに大きく遅れを取っていると言われているが、このように忌憚のない意見を言い合い、相乗効果を産み出し、ビジネスの成功につなげる、ということができているだろうか?

政治の世界で流行りとなった(なっている)忖度が企業でも起こっていて、忌憚のない意見が煙たいという状況にないだろうか?

このようなスタイルでは劇的な進歩やイノベーションが起こるどころか、現実に退歩を続けていることは明らかである! 

ビートルズが一枚レコードを出すたびに起こしてきた進歩、イノベーションはジョブズの言う 「沢山の参加者が、忌憚のない意見を言い合えてこそ、現代ビジネスを成功させることができると確信している」 があったからこそ実現したことなのだろうと感じるのだ! 

ビートルズはリボルバーのような名盤が出来上がるまでにどんなチャレンジを実行したのか?

そして日本のビジネスはリボルバーのような偉大な仕事を成し遂げるためにどんな「場」を用意できるのか? 

名盤リボルバーのチャレンジについてはあらためてご紹介します!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?