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明媚なりし南半球

  目次

「あー? って、いってえええええ!! ザッケんなテメーせっかく忘れてたのに思い出させやがっていってええええええええクソっ!!!!」
「そんなこと言ってる場合か!! え、えと、な、なにか縛るもの……!」

 あたふたと周囲を見回すが、あいにくそんなものが都合よく転がっているはずもなかった。

「俺天才だからわかるんだけど、テメーのその服引き裂けばいんじゃね?」
「キ、キサマ、それは明らかに何か別の意図があるだろっ!! 今着ているソーチャンどのの服でやればいいじゃないかっ!!」
「これもうぼろっぼろなんだよ襤褸切れの集合体だよもはや!!!! 俺の体に巻きつけるだけの尺を持った部分がもうねーんだよ!!!! あーあー、レッカくん失血死しちゃうなぁ~~~リーネきゅんがモタモタしてたせいでなぁ~~~~~~!!!! かぁーっ! つれえわーっ! 失血死つれえわぁーっ! あ、だんだん目の前が暗くなってきたぞぉ☆ これはご臨終も近いですわよ奥さん!!!!」
「ま、待てレッカ! キサマは確かに罰せられなければならない罪深い存在だけど、さすがに死んじゃうのはやだぞ!!!!」
「じゃとっとと脱げやぁ!!!!」
「うぐぐぅ!! ……う、後ろ向いてろ!!」

 どこがとは言わないが極めて発育の良いリーネのために仕立て上げられた絹製の朱いコートは、二つのベルトによって体に密着している。それらを外し、木製の釦も外すと、前が開いた。
 青く染められた麻のシャツが現れる。本来ならばおなかまで覆うものだが、途中に悠大なる山が二つ列なっているせいで丈が足りず、蜂のようにくびれた腰が露わになった。その中央に、小さなおへそが恥ずかしげに収まっている。
 そしてその豊麗なる双丘。コートによって押さえつけられていた反動で、ぷるん、と柔らかく震えた。吊り鐘状どころかほぼ完全な球状である。乳房の左右幅が、肩幅に等しい。シャツが左右に引っ張られ、胸の中央に幾筋か横皺が発生していた。重量数キロにもなるであろう巨大なマシュマロが、重力に敢然と反逆する。

( ゚∀゚)o彡゜

 ――ええい、奴のクーパー靭帯は化け物か!?

 烈火はあずかり知らないことであったが、リーネは日常的に自らの胸に魔力を通し続けてきた結果、乳房に張り巡らされたクーパー靭帯が一種の魔法変異を起こしており、随意筋とほぼ同じ働きをするに至っていた。
 そして、青いシャツの下限から、二つの丸く瑞々しく張り詰めた美しい南半球が覗く。
 途端、烈火は腰をぎゅん! と右に曲げて無明逆流れみたいな逆U字の体勢になった。

「う、ウフゥーッ! シャツを突き破らんばかりに押し上げるパイオツとその下からチラ見えする下乳ウフゥーッ!」

 その頭をハルバードで殴りつけて気絶させると、リーネはボロボロになった袷を脱がせ、帯状に引き裂いたコートの生地で袈裟懸けに傷を縛った。
 鋼のように雄々しく鍛え抜かれた裸身に触れて、途中鼻血を拭いてしまったのはリーネの一生涯の秘密だ!!!!

「ぶぐぐっ! こ、これでたぶん大丈夫だろう……それにしてもなんという分厚い胸板……ぶぐぐっ!」

 システムメッセージ:リーネ・シュネービッチェンの情報が一部開示されました。
◆銀◆サブキャラ名鑑#2【リーネ・シュネービッチェン】◆戦◆
 百七十二歳 女 戦闘能力評価:B
 青紫ポニーテール。ポンコツ脳筋娘。
 エルフ爆乳女騎士。武芸百般だが、特にハルバードがメインウェポン。家系的に魔力による身体能力のブーストが得意。絶対にオークなんかに負けたりしない! とか豪語しておきながら本当にオークごときではまったく相手にならないぐらい強い。素手ですらワンパン余裕。極めてまっとうな良識人。シャーリィを妹のように可愛く思っているが、努めてその気持ちを抑え、臣下としての線を越えないようにしている。主人公トリオについては深く感謝こそしているものの、烈火の問題のありすぎる言動の数々にツッコミ(物理)をブチ込まざるを得ない現状に頭を痛めている。Lカップ。
 所持補正
・『ツッコミスト』 因果干渉系 影響度:B
 その生涯をアホに振り回され続けるさだめ。ボケを見ればツッコまずにはいられない。アホに対する攻撃の命中率が著しく上昇し、致死率がゼロパーセントになる。
・『お色気要員』 影響度:C
 爆乳キャラの宿命。不思議な不思議な因果のめぐりあわせによってリーネの着る衣服が破けておっぱいがポロリする確率にほんのりとプラス補正がかかる。しかし大事なところはけっして見えないので大安心である。『シロガネ⇔ストラグル』は青少年の健全な育成に貢献します!
・『■い■■■■■■』 自己完結系 影響度:■
 すぐ■ける■■■という■■に■するアンチテーゼとして■み■されたキャラクターのさだめ。■■■や■■■■■■、■■■■■など■い■で■■■しそうな■■との■■において■■が百パーセントに■■される。彼女の■■で■■な■■で■■こいた■■はもれなく■■に■■されるさだめである。■ぬことすら■されない。■■はない。

【続く】

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