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#85_【読書】地学のススメ/鎌田浩毅(講談社ブルーバックス)

対馬における観光ガイドで、需要の大きいジャンルでいいますと「歴史」になりそうかと感じますが、実際のところ、学べば学ぶほど「歴史は自然環境から作られている」ことを感じます。
たとえば、ユーラシア大陸から日本列島が形成される過程や対馬で独特な生態系が形成されていること、対馬が交易で成り立ってきた背景、陶山訥庵先生が「猪鹿追詰」を実行した経緯、など。

お客様も、全員が歴史に興味があるわけではありませんから、歴史とは関係なさそうな切り口から話を始めるほうが、関心を持ってくださることもあります。

ところで、以前noteで「美食地質学」入門という本をご紹介しました。

「食」という切り口だけでこんなに地質の話ができるのかと驚くとともに、再び「地理」に興味を持ちました。
そこで、話の引き出しを増やすべく、「地学」の基礎を勉強しておこうと思い手に取った「地学のススメ」という本を紹介します。

実のところ、私は理科系全般、小学生の頃からまったく興味がなく、高校時代には、なぜか地学が必修で、有孔虫の化石についてレポートを書かされ、「物理や化学とも違うけど、地学では受験科目の足しにならんし、意味が分からん(*_*)」と感じ、その世界から離れていました。

そのため、どの本から入るのが良いのかという手がかりすらなかったのですが、たまたま上対馬から厳原に帰るある日、退屈だったので音声SNSにアクセスしたところ、偶然鎌田先生の京都大学最終講義が生中継されていたのを耳にしました。お話がシンプルで面白い方だなぁと思い、その流れで選びました。くだらない理由ですみませんm(_ _)m。しかも、最終講義は2021年3月10日ですから、時間が経ちすぎていますし…。

「地学のススメ」ですが、普通に勉強していれば、スイスイ頭に入ってくるレベルで書かれている本なんだろうと察しは付くものの、いかんせん理系科目にまったく興味がなかったため、いままで勉強してこなかったツケがどっさり回ってきて、私にはついていくのが大変でした(-_-;)。

とはいえ、地球上に磁気が生まれたことによって生命が誕生することにつながっていることや、「超大陸パンゲア」の話に代表されるように大陸は分裂と集合を繰り返していることといったスケールの大きい話から、地震や噴火が起こるメカニズムを知ることによって災害から身を守るのに活かすことができるといった実生活に近い話まで、地学に興味が湧くツボをあれこれ押していただきましたf^_^;)。
最近個人的に関心が高まっている廃墟分野でも、戦争によって資源開発競争(石炭や石油といった化石燃料、鉄やアルミをはじめとした鉱物資源)が起こった結果、地質学者の確保に躍起になっていた時期があったとのことで、無関係ではなさそうです。

全体を通して、物事を広い視野で見ながら身近なことも考える、まさにその過程が醍醐味なんだろうと感じました。

学がないことを痛感しましたが、深い知識を得るには、質より量な気もしてきました。
もっと貪欲に読書にチャレンジしていきたいと思いますo(^-^)。

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