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#51_【読書】「自分だけの答え」が見つかる 13歳からのアート思考(ダイヤモンド社)
学校の授業でどう頑張っても好きになれない科目の筆頭に「美術」というものがありました。
天性の不器用さもさることながら、美しい表現センスもなく、おまけに押し付けがましい美術の先生が嫌い、というところで早々に見切りをつけましたが、そんな私でも東京でチャリダーをしていた頃は美術館に行くのが好きでした。
チャリのヘルメット片手に美術館の入口をうろうろしていて、警備の人にはよく怒られましたがf^_^;)。
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今回ご紹介する本は、末永幸歩さんの「「自分だけの答え」が見つかる 13歳からのアート思考」という本です。
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手に取った理由は大きく2つありまして、
近年デザイン思考というものに興味を持ち始めたが、あまりに美術が嫌いだったために、なかなか手が動かそうという気になれない。
美術が嫌いだった私が、美術館に足繁く行こうとするようになった動機が自分でもよく分かっていなかったので知りたくなった。
という感じです。
本書では、6つのclassと、前段、振り返りという構成になっており、まずは「すばらしい作品」ってどんなもの?というクラスから始まります。
かつて良いとされていた作品が、新しいツールの出現 や社会規範の変化などによって現在も「ヨシ!」とはならなかったり、見る人の解釈によって世界が思わぬ方向に広がったりというあたりの内容に、だんだん興味がかきたてられました
ジャズとクラッシックとの対比でも同じようなことが起きている気がしますが、「アートには正解がない」「客観的な評価の拠り所がない」ということが、とっつきにくさや気持ち悪さを生んでいるのかもしれません。
しかし、「表現する」ということは、とりあえず何か言いたいことがあるからする行為だと思いますので、お作法にとらわれるよりも表現の奥に隠れているものを考えてみることが大事ではないかと考えます。
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話が飛びますが、現在私は、対馬で観光ガイドの仕事をしていますが、それ以前は「歴史」に対してモヤモヤしたものを感じていました。
他人に右か左かと決めつけられることへの警戒感があったのかもしれませんし、お高くとまっている学者が居丈高に持論を説いてくる姿勢に嫌気がさしたのかもしれませんが、ともあれ大学受験が終わった後は、歴史を勉強する必要性が感じられなかったので、この「ムラ」の連中とは関わりたくないと感じました。
しかしながら、対馬ではどうしても避けて通れない話題ですので、取材の仕事は苦痛で仕方ありませんでしたが(゚_゚;)。
過去に「新しいガイドのあり方」について考えていることをブログに書きましたが、我々観光ガイドは、おそらくお客様から、事実に基づいて「正しい」歴史を説明するよう、暗黙のうちに求められているのだろうと感じることがあります。
しかし、ニュースメディアでも、事実をベースに同じことを発信していても、違う印象で伝わることがあるのに、果たして「正しい」歴史にこだわる必要はあるのだろうかと疑問に感じるようになりました(「正しい歴史」と声高に叫ぶ人の「正しさ」は、おそらく「自分にとっての都合よさ」くらいのものだと推察されることも大きかったですが)。
なんとなく、客観は理路整然としていて、主観は恣意的でデタラメ、と思われているフシがありそうですが、表現の世界で客観性が求められるのは、おそらく自分の表現を納得して受け入れてもらうための手段にすぎない気がします。「感情論で話していないと感じてもらうテクニック」とでも言いましょうか。
しかし、客観的に事実を伝えるだけでいいのであれば、近い将来ChatGPTをはじめとしたビッグデータをベースとするツールに凌駕されてしまうことでしょう。
最近では、歴史の分野であっても、分析技術の多様化と進化により(炭素分析やCTスキャン、画像認識技術による古文書のテキストデータ化なんかも行われているそうです)、内容が日々アップデートされていますので、客観に頼りすぎると、新しいものを生みだせなくなるどころか、自分の存在意義すら問われてしまうかもしれません。
そもそも、弊社で事務局をしている対馬観光ガイドの会のガイドさんについては、案内をすることが目的ではなく、それを通じて知ってほしい、共感してほしいものがあって活動をしていますし、おそらく全国にいる観光ガイドさんの多くも、同様ではないかと思います。
以前ウマ好きの人を増やしたいと意気込む獣医師の吉原知子さんが、「歴史」という専門外の世界に飛び込みトークイベントをしている話を紹介しましたが、今のご時世、至るところでゲームチェンジが起きていますので、過去にすがったり、「ムラ」社会に引きこもったりせず、彼女のような姿勢を見習うのと同時に、そのような人を受け容れる寛容さが求められてくるのだろうと感じます。
話が、だいぶとっ散らかりましたf^_^;)。
SNSやブログなど、手軽に多くの人に発信するツールを扱えるようになった世界へと移り変わっていく中で、表現することに対して、気負わず、恐れず、チャレンジしようと思わせてくれる、そんな内容だったと感じます。
アートに限らず、文筆でも写真や映像でも、表現を趣味やナリワイにしているみなさん、ぜひ手に取ってみてくださいo(^-^)。
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