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#1 理想の「トゥルーラブ」に出会えた

私はずっと前から「国際結婚」に憧れていた。格好良いアメリカ人の彼氏を作って、英語で喋って、結婚して、子供が可愛いハーフで、大きい庭付きの家で暮らす、という絵に描いたような結婚を夢見ていた。しかし現実はそうやすやすとはいかない。「恋愛」→「結婚」の難しさは国境を越えてもコアな部分はいっしょなのだ。

それがアメリカ人となれば、育った環境から習慣、考え方まで全てが違う。通常50%のアメリカでの離婚率が、アジア人、アメリカ人のカップルだと80%を超えると言われている。 基本的には、アメリカ人と日本人の本質が違いが、いっしょに暮らす中で傷害になって行くパターンが多い。一方でその違いをお互いに理解し尊敬できる、幸せな結婚例もたくさんある。

理想の「トゥルーラブ」に出会えた

彼と初めて会ったとき、品が良くて、「良いおじ様」風で、スラッと背が高く、でもどこかに陰りがある印象だった。
インタリジェントで、教養があり、私が苦手なコンピューターに詳しくて、私が持つ日本文化に興味を持っていた。「正直な人」だと思った。その奥にある寂しさを私は「落ち着いた人」だと受け止めていた。


人の印象は育った環境や両親や教育に影響されるが、彼だけが持っている“孤独”は、自分自身を縛り付けている何かから解放せない殻からきている、完璧さ、厳しさ、人や自分を信じられない硬い殻からきているのかもしれない。でもそんな人を愛し、もっと彼の硬い世界を自分の世界へと、切り崩せないかな、自由な世界へ導きたかった。そのカラを破りきれなかった。もしかしたら私の中にある“孤独”と愛情の欠乏だったかもしれないと今になって思う。“愛する力”が足りなかった。

彼と初めて会ったとき、彼は別れた奥さんの話をしていたし、その離婚がとても自分を傷つけたと言っていたので、私はつい最近離婚したんだなあと思っていた。「まあ、こんな紳士的な人とどうして離婚しちゃったんだろう」と考えていた。


彼の笑顔がとても魅力的だった。「こんな笑顔をいつも見せて欲しいな」と密かに思った。私達は吸い付かれるように、初めて会ったにもかかわらず、もう5,6年は知っている友達のように、カフェで一時間くらいプライベートな話をした。私も(その時の夫と)別居中だと彼に言った。

彼は48歳。私は37歳だった。アメリカの大学を卒業したばかりで、まだ就職も決まらず、家を探している最中で、なにもかもが“これから始まる”ところだった。アメリカに移住して3年目の夏、8月の出来事だった。

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