見出し画像

電車遅延発→図書館経由→弁理士行き

「電車止まってるし、図書館でも行ってみるか」

当時はまさかこの選択が、自分の一生の仕事を決めることになろうとは知る由もない。

時は大学2年生の頃。
大学での夕方の授業を終え、さて帰ろうかと考えていたときのこと。
何気なくガラケーをいじってみると、電車が止まっていることを知る。

「マジか。はぁーめんど。」

電車が止まっているなら仕方ないか。いつも通り、ゲームセンターでも行こうかと思っていた。


そんなとき、ふと大学図書館が目に入る。
かっこよくいうと、大学図書館が「おいで。」と呼んでいるような気がした。(※もちろんかっこつけているだけ笑。単にたまたま大学図書館が目に入っただけ。)

その時まで恥ずかしながら、大学図書館はガリ勉さんが行くところ(失礼)と捉えており、ましてや授業終わりの図書館で本を読む、勉強をするなんてとんでもないという考え。
でも、その日はなぜかほとんど行ったことがなかった大学図書館に寄ってみた。


結論から言うと、
日が暮れた夜の大学図書館は雰囲気が最高だった!


人も少なくなり、席は選び放題。もちろん本も選び放題。
どのような本を読んだのかはもはや覚えていないけど、とにかくこんなに快適な場所が近くにあったなんてというプチ灯台下暗し気分。


次の日から授業終わりに、ちょくちょく夜の大学図書館に通うようになった。
暇なとき、授業の合間、そして勉強しようと意識が上がったとき。
独特の静けさの中、自身の気分の赴くままに本を読んだり、勉強したりするようになる。


ある雨の日の夜、遅くまで勉強していると図書館の係りの人に話かけられた。

(係りの人)「勉強ですか?」
(わたし) 「はい。」
(係りの人)「頑張ってますね。」
(わたし) 「ありがとうございます。将来法律を使った仕事がしたいので」

はっ!!

「え?自分ってそういう仕事したいの?」と気付かされた。

全くおかしな話だが、自分が発した言葉で自分の考えを知るという。

係りの人との会話は本当に世間話レベルの会話であり、がっつり話込んだというものでもない。
図書館の係りの人は私に感心したというわけではなく、単にそろそろ図書館閉めますよというのを伝えにきただけだったことを後々知る。
でも、私にとっては人生の転機となる会話だったことを鮮明に覚えている。


その考えを自ら発した日から、せっかく勉強するのなら何らかの結果を残したいと思うようになる。
まずは訳も分からずTOEICを勉強し、その後行政書士の勉強へとどんどんシフトしていく。

そして、最終的に弁理士試験にチャレンジし、資格を取得することができた。私はいま弁理士として働いている。

勉強の9割9分は大学図書館で行った。
夏の暑い日も冬の寒い日も、いつでも快適な大学図書館で。

実は大学図書館好きは卒業後も続いた。

例えば、公営の図書館、資格予備校の自習室やカフェなどいろんな場所で勉強したけれどもなんか違う。
やっぱり大学図書館の快適さには到底およばない。

なので、卒業後も卒業生特権を使い、母校の図書館を借りていた。
ここに勝る勉強場所を私は知らない。


よく人生の岐路はその時は気づかないと聞く。
まさに私がそうだ!

あの時電車が止まっていなかったら、
いやむしろガラケーで電車が止まっていることを調べてなかったら、
そして図書館に行ってなかったら。

多分私は弁理士になっていないと思う。

あの時の図書館に行ってみようという選択。
それが人生の方向性を決めることになろうとは。


人生って本当に分からない。
いまおこした行動が後々どんな影響を及ぼすかなんて図りようもない。


今週末、また人生を変えるきっかけづくりに、
母校の図書館に行ってみようかな。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?