すいとん

小説や日々過ごしていて感じたことや出来事を高校生の語彙力でお伝えします

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最近の記事

家族から嫌われた祖父の写真が好きでした

私の祖父は家族みんなに嫌われていた。我儘であった。後に知ったけど、祖父はいわゆる亭主関白だった。そのせいで祖母は家を出た。そんな祖父の家に私は頻繁に通った。別に同情のためじゃない。私は祖父の写真が好きだったのだ__ 祖父は定年退職してからカメラを始めた。色んなところに飛び回り、朝早くから出る日があればまだ朝日の上らない時間に祖母を起こし、朝ごはんを作らせた。祖母が遅くまで友達と出かければ、俺のご飯はどうするんだと怒ったらしい。私の家族はそんな祖父が嫌いだった。私も祖父の肩を

    • 夜撫でるメノウ

      先月、5年の月日を共にした塾を辞めました。 そして、5年の月日を共にした、とある一人の先生の元を離れることとなりました。塾を辞めるその日、その先生からとある一曲を伝えられました。 「夜撫でるメノウ」です。 今日はそんな先生のお話。 先生とは、不思議な関係でした。 一言では表せないですが、ただの生徒と先生という関係で終わらせるにはあまりに勿体ない関係だというのは明らかです。 先生は、定期的に病み、この世界から離れたがる私を一生懸命引き戻してくれました。 ただ、そうしてくれた

      • 映画のポスターのど真ん中になってやる

        時々、頭の中を五歳児と同じくらいの思考にして外に出る時がある。前髪も周りから見られている顔も何も気にせず、生活の必需品となるコンタクトも眼鏡も外して何も見えないぼやけたまま思いっきり外へ飛び出すことがある___ 今の世界は見え過ぎている気がする。なんでもはっきりしたがりなんでも一言でまとめたがりのこの世の中。宇宙だって、憧れのあの人だって、分からないことだらけだから楽しい。分からないことだらけだからこそ輝いて見える。今きっとこの世界が輝いて見えていたって、なんでもはっきり分

        • 祖父から孫へ。孫から曾孫へ。

          祖父のお葬式、なかなか見れない綺麗な、すごく綺麗な夕焼け空を見た。夕陽に手が届く、そんな距離にまで行ってしまいたくなるくらい綺麗だった。蜜柑色に染まる夕焼け雲、あれに乗って祖母に会いに行ったのかな。頭の中がわたあめのように膨らんでく。いつもより少し速く進む雲を見てどれだけ早く会いたかったのと私は少し笑った。あれから四十九日、今日は祖父の納骨です____ もう四十九日も経ったのと挨拶のように繰り返される会話を今日もした。四十九日前立てなかったいとこ甥、立っているのを見て少し感

        家族から嫌われた祖父の写真が好きでした

          この世界の魅力

          この世界というのは奇跡の塊なのではと 思うことがあります。でもその奇跡が どれだけ凄いか全部最大限にわかっている人は これから先もこれまでも今も、いないと思います。 例え話をしましょう。 今この世界には"偉人"と呼ばれる人がいます。 アインシュタインやスティーブ・ジョブズ、 イチローや福沢諭吉、野口ひでお、、数え切れないほどいます。 ですがとある世界の人間みな そんな偉人ばかりだったとします。 これを書いてる私やクラスの友達、街中を歩いてる一般の人皆がアインシュタインや

          この世界の魅力

          街中のベンチに座るのが好き

          人通りが多いベンチに座るのが好きです。 多ければ多いほど好きです。 私はよく歩いていたら ふと懐かしい匂いがしたり、 大切な人や思い出深い人が使っていた物などを見かけて 忘れかけていた、過去という海の奥底に沈んでいた 淡い思い出が蘇ることがあります。 それは誰でも経験があることで、親に聞いてもありました。なので街中で人の流れを見ていると時々何かを見つけたように立ち止まって一点を見つめたりキョロキョロ見る人をよく見ます。 その時、その瞬間、過去で長年眠っていた記憶が 蘇って

          街中のベンチに座るのが好き