文は人なり。The sentence is a person.

　先日、「ひみつのしつもん」（岸本佐知子著・筑摩書房刊）を読了しました。著者は翻訳家ですが、エッセイがとても面白いです。過去に講談社エッセイ大賞を受賞しています。どのエッセイも丁度良い長さ（短さ）なので、何かの合間にも読むことができます。でも結局、面白すぎて一気読みしてしまいます。
　タイトルにもなっているエッセイが秀逸です。著者はログインのときに、身元確認のための「秘密の質問」に答えを入力するのですが（自分で決めた答えのはずが）エラーばかり。やっと正しい答えを思い出して入力しようとすると……。興味のある方は164頁をお読みください。
　著者に関する詳しいプロフィールは知りませんが、何となく同世代な気がします。こんな感じの賢い女の子がクラスにいたことを思い出しました。あの子は今どこで何をしているのやら……。

追伸

　個人的には140頁の「ネジ」もSF短編的な星新一的世界で好きです。