小学校算数科におけるノート指導

各学校に「ノート指導の型」というものがあるのではないでしょうか、現任校では発達段階に応じたノートの型があります。
私は部分的に採用しており、そこまで型を使用していません。
ですが、ノートに何でも書いていいという状態になれば、板書を丸写しするようなことも起こりかねません。
では、ノート指導はどうすればよいのでしょうか?

ノート指導の実際に迫る前に、これだけICTが普及している中、ノートはそもそも必要なのでしょうか?
大学院に通っている間、私が講義で主に使用したのはiPadとMacBookでした。
講義中ノートに書いたことは一度もありませんでした。
ですが、周りを見渡せば、学習に使用する道具はバラエティに富んでいました。
ノート、スマホ、iPad、パソコン、ルーズリーフなどなど、自分の使い勝手に応じて決められていたように思います。

学校でICT活用を進める上で、小池・鈴木・佐藤(2022)は活動の取り掛かる視点と留意点を明示しています。


最初の一歩としては、これまでにできそうで実現していないことをICTでどうできるか?という提案が近道だと思います。


ICT活用を促進するためには、非ICTの選択肢も用意しておく。

ノートを一切使わないというわけではなく、一人一台端末で書くことを代用する。
その経験を積み重ねた上で、最終的には学習者である子どもたちが自分に適した学習方法を選択できるようになればよいと考えます。

・ICTを使うと自分の学習履歴に容易にアクセスすることができる
・友達の考えを参照することができる
・板書をノートに写すことは必要ない
・自由に自分の考えを表現するならノートが容易

つまり、授業者が何を書くようにするのか、何に書くようにするのか、明確にして授業に臨む必要があると言えます。
では、具体的にノートには何を書くとよいのか考えていきたいと思います。

ノート指導について、良いノート前田(2023)は次のように考えています。


・黒板に書いていないけれど、自分が大切だと感じたポイントを書いている。
・図をかいている。
・友だちの発言をメモしている。
・自分の考えをふきだしで書いている。
・わからなかったことや疑問をメモしている。

ノート指導について、樋口(2021)は学年ごとに系統立てています。


低学年:自分の考えをノートに表現する
中学年:他者の考えをノートに書き加える
高学年:他者の考えをノートに書き、自分の考え方と比較し、自分の考えを加除修正する

教師が全て事細かに教えるのはナンセンスだと思います。
子どものノートが形骸化し、子どもが良さを感じることができず、書かされるノートになってしまう恐れがあります。
・よく書けているノートをクラスのお手本とする
・教師が視点を示す
・友達のノートを見て回る時間を設ける
あの手この手で、子どもが自分のためになるノートを書けるようにしたいものです。

参考文献
樋口万太郎(2021)「3つのステップでできる! ワクワク子どもが学び出す算数授業」学用書房
小池翔太・鈴木秀樹・佐藤牧子(2022)「ICT主任になったら読む本」明治図書
前田健太(2023)「しかける!算数授業」明治図書


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