ペアトークは用法容量をお守りください

少しずつ次年度の準備を進めているところですが、授業を考える中で「ペアトーク」について悩み始めました。
4月の授業は「裏のねらい」も大切に授業を進めようと思っているため、意図的にペアで関わる活動を取り入れたいと考えています。
その手段の1つとして「ペアトーク」を用いようと思っていますが、どんなタイミングで行うのがよいのでしょうか?
様々な書籍から、ペアトークに関することを調べてみました。

中村(2014)はペアトークについて、次の見方を示しています。


ペアや少人数で話し合う場を設定し、新しい数学的な見方や考え方をつくる
ペアや少人数で話し合う場を設定し、学んだことの定着を図る

前田(2023)はペアトークについて、次の見方を示しています。


全体発表の前に安心感を持たせる
全体で話題になったことを隣同士で確認する自分と他者との違いを理解する

盛山(2021)はペアトークについて、次の見方を示しています。

表現することで自分の思考を整理できる。何がわかっていて、何がわかっていないかについても相手との対話によって理解する。
友達と話をすることで、安心感が生まれ、授業への参加意欲が増す。

森本(2021)はペアトークについて、次の見方を示しています。


子どもたちがわからなくて困っている時や迷っているとき
一部の子どもたちだけで授業が進みそうになったとき
全員に表現する練習として、説明させたいとき
「発表したい」と言う思いを満たすとき
どのくらいの子どもが理解しているのかを見取るとき
子どものつぶやきを拾いたいとき
わからないことを表出させたいとき

大学院でファシリテーションについて学ぶ機会がありました。
ファシリテーションの基本形は、「問い→発散する→収束する→振り返る」です。
この基本形に上記で述べたペアトークを当てはめて考えると次の役割が見えてきます。

・考えを発散する
・考えを収束する

この2点を意識するだけでも、ペアトークの用い方が変わってくるのではないでしょうか。
今回書籍を読む中で、この2点にさらに付け加えて整理したいと思います。

・考えを発散する
・考えを収束する
・立ち止まる
・理解度を見取る

今年度はこの4点を意識してペアトークを行なっていきたいです。
間違っても、教師のために用いるようなことをしないように肝に銘じます。

参考文献
中村光晴(2014)「愉しい算数話し合いづくり」東洋館出版社
前田健太(2023)「しかける!算数授業」明治図書
盛山隆雄(2021)「思考と表現を深める算数の発問」東洋館出版社
森本隆史(2021)「算数授業を子どもと創る」東洋館出版社


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